その名前の響きからしてあま〜い雰囲気漂うリキュール「アマレット」。杏仁豆腐のような香りで、カクテルにもたくさん使われています。お酒に強い人から弱めのカクテルが飲みたい人まで、幅広く楽しめるリキュールなんですよ。
アマレットについて知りたい!
最近人気の「アマレットジンジャー」というカクテルで注目が集まるアマレットですが、その味や度数、カロリーなど、気になるポイントについて調べてみました。
・味、香りは?
基本的に甘いアマレット(amaretto)ですが、イタリア語で「苦い」という意味だそうです。確かに甘さの奥にほのかな苦味を感じますが、スイカに塩をかけると甘さが強調されるように、その苦味がアクセントになって、アマレット自体の甘みに深みを与えるような、そんなほろ苦さです。
香りはよく「杏仁豆腐のよう」と表現されますが、この「杏仁(あんずの種)」の意味どおり、アマレットにはあんず(アプリコット)の種が使われています。そのため、アーモンドに似た香りの中に、アプリコットの繊細でみずみずしい香りを感じます。
・アルコール度数は?
500種類以上もの銘柄があり、度数も多少の違いはありますが、有名どころの「アマレット・フローリオ(Amaretto Florio)」でアルコール度数25度「ルクサード・アマレット・ディ・サスキーラ(Luxardo Amaretto di Saschira)」はやや強めのアルコール度数28度、アマレット発祥の地、イタリアはサローノの名前を冠した「ディサローノ アマレット(Amaretto disaronno)」も28度です。
ディサローノ アマレット(700ml)/ディサローノ
日本では、このディサローノアマレットが広く使われているようです。食後に炭酸水やジンジャーエールで割ってデザートがわりに飲んだり、お菓子の風味づけに使ったりすることもできます。
・カロリーはどのくらい?
アマレットのカロリーは、100mlでおよそ310キロカロリー。例えばアマレットジンジャーを一杯飲むとしたら、使用量30mlということで、アマレットのみのカロリーは93キロカロリーです。カクテルとしてのカロリーはここにジンジャーエールなどのカロリーが加わります。
アマレットの歴史について知りたい!
このアマレット、ティラミスの隠し味やパンナコッタなどにも使われ、今やイタリアを代表するリキュールになっていますが、その始まりは、アマレットの味のように甘くてほろ苦い、一人の画家の恋心からだったようです。いかにもイタリアらしいアモーレなストーリーですね。
・誕生は16世紀イタリアで
ファッションの街ミラノから北へ20km。アマレット誕生の舞台であるサローノの街は、のんびりとした田舎町です。今ではアマレッティの工場で有名ですが、16世紀のこの街は、フレスコ画のある聖堂以外、特に特徴もない村だったようです。
・レオナルド・ダ・ヴィンチの弟子が?
その聖堂のフレスコ画の修復を依頼されて、1525年にサローノの街にやってきたベルナルディーノ・ルイーニ。彼はレオナルド・ダ・ヴィンチの弟子だったと言われている人物です。聖堂近くのホテルに宿をとり、その宿で働く若い女性をモデルに、フレスコ画の聖母マリアを修復していったそうです。
当時40代半ばのベルナルディーノですが、マリア様のイメージを重ねてしまうような清くて美しいこの若い女性に恋心を抱くように…
そして、自分の仕事を終えた後、ベルナルディーノは彼女の肖像画を描きプレゼントします。そのお返しにと、彼女が作ってくれたのが、このアマレットの元になるお酒だったのです。ブランデーにたくさんのアプリコットの種を漬け込んだ、琥珀色の甘いリキュールでした。
・伝説のリキュールが復活
そのリキュールのレシピがどのように伝えられてきたのかは謎のままですが、この伝説のリキュールを19世紀初めに復活させたのが、サローノの町で食料品店を経営していたカルロ・ドミニコ・レイナでした。
カルロは長いこと自分の町の名物を作りたいと考えていたのですが、店で伝説のリキュールを売り出したところ大人気に。その甘い香りが、アーモンドを原料にしたイタリアの伝統的な丸い焼き菓子「アマレッティ」にとてもよく似ていたところから「アマレット」と呼ばれるようになりました。
ところがこのアマレット、次第にイタリアじゅうで人気になり、類似品が多く出回るようになってしまったため、カルロの復活させたサローノ町のアマレットは、1992年から『ディサローノ・アマレット』と名称を変えました。
復活から約200年の間に世界で最も有名なリキュールのひとつとなったアマレットですが、その誕生のきっかけから数えれば実に500年の歴史があるお酒です。16世紀に田舎町で恋人に作ってあげたお酒が世界中で飲まれていることを知ったら、ベルナルディーノの恋人だった女性はどんな風に思うでしょう。
アマレットの飲み方が知りたい!
誕生のストーリーに夢があるリキュール、アマレット。どんな飲み方がおいしいのでしょうか? お菓子にも使えるのでしょうか? また、お酒が飲めないという人におすすめの、アマレットシロップもあわせてご紹介します。
・おいしい飲み方1:ストレートで
冷やしたアマレットをショットグラスに注いで、少しずつ甘さと香りを味わいます。デザートがわりにもなる、粋な飲み方ですね。
・おいしい飲み方2:ロックで
焼酎やウイスキーのように、氷を入れてロックで飲むのもいいですね。飲んでいる間に氷が溶けて、味わいの変化を楽しめるところも◎。
・おいしい飲み方3:ミルク割
牛乳で割ると、なんと、杏仁豆腐のような味のカクテルになるんです。これはちょっと試してみたくなりませんか? 冷たい牛乳でも、冬はホットミルクでも。眠れないときの一杯にもおすすめです。
モナン アマレット シロップ 700ML/MONIN(モナン)
アマレットの味をノンアルコールで再現。お酒の飲めない人や、子どもにも食べさせたいお菓子を作るときにはこういったシロップがいいですね!
アマレットジンジャーの作り方が知りたい!
ではいよいよ、アマレットを使った人気のカクテル、アマレットジンジャーの作り方をご紹介します。アマレットの甘い香りに、シュワシュワとした刺激が特徴のジンジャーエールがマッチして、のどごしもさらにすっきり。ピリッとした後味が好みの場合、ドライ系のジンジャーエールで割ると、キレのある味に仕上がります。
【材料(1杯分)】
アマレット…30ml
ジンジャーエール…適量
氷…好みで
冷やしたグラスに氷を入れ、アマレットを注ぎます。好みの寮のジンジャーエールを注いだらマドラーで軽く混ぜれば出来上がり。炭酸が抜けてしまうので、混ぜすぎはNGです。あればレモンやライムの輪切りなどを浮かべると雰囲気が出ますね。
アマレットを使ったおすすめカクテルレシピ5選!
今までご紹介したアマレットの飲み方以外にも、まだまだたくさんある、アマレットをベースにしたカクテル。今度バーに行ったときに試してみるもよし、お家バーで楽しむもよし。それぞれのカクテルのエピソードとともに、レシピをお届けします。
・ゴッドファーザー
【材料(1杯分)】
ウイスキー…45ml
アマレット…15ml
軽くステア(混ぜること)する。
名前のイメージ通りちょっと強めのカクテルで、アルコール度数はなんと34度!カーッと熱くなるようなアルコール度数の高さです。映画の「ゴッドファーザー」公開にちなんで作られたカクテルですが、シチリアを舞台にした映画に、シチリアのアプリコットを使って作られたアマレットを使ったカクテル、納得の組み合わせですね。
・ゴッドマザー
【材料(1杯分)】
ウォッカ…45ml
アマレット…15ml
軽くステア(混ぜること)する。
ゴッドファザーに対してできたカクテルですが、味も香りも主張しないウォッカを使うことで、よりアマレットの風味が引き立ちます。ただし、アルコール度数はゴッドファーザー同様高めになるのでご注意を。
・ボッチ・ボール
【材料(1杯分)】
アマレット、オレンジジュース…各30ml
炭酸水…適量
軽くステア(混ぜること)する。
一人で飲むから「ぼっち」ボール。じゃないんです。このカクテルもイタリア語の「Boccie Ball(イタリア発祥の球技)」から来ています。アプリコットとオレンジの爽やかな風味とソーダのロングカクテルが、喉の渇きを優しく癒してくれます。
・フレンチ・コネクション
【材料と作り方】
アマレット…・適量
ブランデー…適量
各半量ずつで混ぜる。
「ゴッドファーザー」と同じく、映画から名付けられたカクテルです。ブランデーの香りが品良く漂い、アマレットの甘みにしっくりと馴染みます。
・イタリアン・アイスティー
【材料(1杯分)】
アマレット…30ml
烏龍茶…90ml
レモンスライス、氷…適宜
軽くステア(混ぜること)する。
アマレットを烏龍茶で割っただけのシンプルなカクテル。アマレットの甘み、アーモンドっぽい香りを烏龍茶が良い感じで薄めて飲みやすくしてくれます。
アマレットってお菓子にも使える?
お菓子に使うリキュールは色々ありますが、アマレットはそのアーモンド風味を楽しみたいときや、ミルク味にコクを出したいときに使われることが多いです。イタリアのスイーツ、ティラミスやパンナコッタなどにも欠かせない風味づけです。暮らしニスタにも、アマレットを使ったスイーツレシピが届いているので、2つご紹介します。
HMで超簡単♡ハロウィンかぼちゃマフィン
【材料 (※4㎝×4cm×4cmの紙カップ型×6個)】
ホットケーキミックス…150g
かぼちゃピュレ…200g(下準備参照)
グラニュー糖…50g
卵…1個
牛乳…大さじ2
サラダ油…大さじ2
バニラエッセンス…3~4滴
アマレット…小さじ1
ホイップクリーム(加糖…200ml
紫いもパウダー…大さじ1
ハロウィン用アラザン …適量
ホイップの色こそハロウィンですが、ベースのアマレット入りカップケーキは、1ねんを通して食べられる定番。アーモンド風味がふんわり漂って、アマレットなしのケーキと比べると、お味も数ランクアップしたよう。
2017.10.29ホットケーキミックスを使って簡単に出来るハロウィン用かぼちゃマフィンです。紫いもクリームとハロウィン用アラザンでカラフル&楽しそうに仕上げました♪続きを見る
なんちゃって杏仁豆腐。
【材料 (3~4人分)】
牛乳…200cc
ディサローノ・アマレット(アーモンドリキュール)…90cc(大さじ6)
アガー…2g
アルコール分は飛ばしますが、アマレットの風味がきいていて大人っぽい仕上がりの杏仁豆腐に。けっこうたっぷり入れますので、お酒に弱い人はノンアルコールのアマレットシロップを使うと安心ですね。
2017.10.13材料3つ!1分スイーツレシピです。簡単になんちゃって杏仁豆腐が出来上がります。続きを見る
まとめ
イタリアのお酒らしく、おしゃれなエピソード満載のアマレット、飲んでみたくなりましたか? その自然な甘さや香りもさることながら、琥珀色の見た目も温かみがあって、トータルで完成度の高いリキュールですね。お菓子にも使えるということですし、1本家に置いておいても良いかもしれません。
まとめ/伊波裕子
コメント
全て既読にする
コメントがあるとここに表示されます