忙しい1日を終えて、夜のリラックスタイム♪
至福の時間を過ごすのに、ぴったりのお酒はないかな~?とお探しではありませんか?
そこで、おすすめしたいのが、ブランデー。
でも、「ブランデーってよく知らないし、なんだか敷居が高そう」と、感じる人が多いかもしれませんね。
今回はそんなブランデーに注目。
「どんなお酒なの?」という基礎知識から、おいしい飲み方や選び方のコツなど、すぐ試したくなるお役立ち情報まで、まとめてたっぷりご紹介します。
ブランデーとはどんなお酒?
まずは、ブランデーに親しみを抱いていただくため、ブランデーの起源や原料についてをご紹介します。
◎ブランデーの起源
一説によると、ブランデーは13世紀に初めて文献に登場。
スペイン人の錬金術師であるアルノー・ド・ビルヌーブ氏が、ワインを蒸溜して売り出したのが始まりなのだとか。
その液体は気力を回復させる薬として重宝され、その後、「いのちの水(オー・ド・ヴィー)」と呼ばれ、じわじわと人気が拡大。17世紀半ばには本格的な産業へと発展していきます。
ちなみに、ブランデーという名は、オランダ語で「焼いたワイン」という意味の「ブランデヴァイン(Brandewijn)」から来ているのだとか。省略されて「ブランデー」になったそうです。
◎ブランデーの原料
ブランデーは、ワインを蒸留させて造るお酒。ということは、主原料はやはり、ブドウと水です。
でも、今ではブドウのほかにも、いろいろなフルーツを原料とする果実酒からブランデーが造られています。
原料はリンゴやあんず、サクランボ、洋ナシ…などとバラエティに富んでいます。
ブランデーのアルコール度数はどれぐらい?
ざっくり言えば、ブランデーは“アルコール度数が高いほうのお酒”。
アルコール度数はビールが5%程度、ワインのアルコール度数が12%程度なのに対して、ブランデーはなんと約40%! 高いものでは50%程度のブランデーもあるくらいです。
どうしてブランデーはこんなにアルコール度数が高いのでしょう。
それは、醸造酒と蒸留酒の違いに秘密がありそうです。
ワインやビールなどは原料を発酵させて作る「醸造酒」ですが、ブランデーはその醸造酒をもとに、さらに「蒸留」という工程加えて造る「蒸留酒」。
蒸留酒は、醸造酒を蒸発させて蒸気を冷やし、アルコール分を中心とする成分を集めて作るので、アルコール度数が高くなるのです。
ブランデーは香りがいいので飲みやすい!とついつい飲み過ぎてしまわないように、ご注意を。
おいしく楽しくお酒を嗜むため、アルコール度数の高さもしっかり覚えておきたいですね♪
ブランデーの種類について知りたい
ブランデーには種類が非常にたくさんあります!
大きく分けると、グレープ・ブランデーとフルーツ・ブランデー、かす取りブランデーの3種類。
グレープ・ブランデーはぶどうが主原料で、フルーツ・ブランデーはぶどうではないフルーツから造られるブランデーのこと。
かす取りブランデーはワイン用ぶどうの搾りかすを原料にして造られるブランデーで、グレープ・ブランデーの一種として分類されることもあります。
さらに、産地や原料、製造工程などによってさらに細かく分類できます。
覚えておきたい代表的な分類は次のとおりです。
◎コニャック
フランスのコニャック市ほか5地域で生産されるグレープ・ブランデーのうち、厳しい管理基準をクリアしたもの。世界でも最高級のブランデーと評価されます。雑味が少なく、エレガントな味わい。
◎アルマニャック
こちらも世界最高級のグレープ・ブランデー。フランスのアルマニャック地方で造られもので、厳しい基準をクリアしたものだけが、この名称で販売できます。力強く、深みのある味わい。
◎ピスコ
ペルー産のお酒と言えば、まず名前が上がるブランデー。マスカット系の白ぶどうを原料にするもので、色は透明に近く、ほのかなぶどうの香りがただよいます。
◎マール
「かす取りブランデー」の一種。フランスのブランデーです。木樽で貯蔵、熟成させるのが主流。美しい琥珀色と、凝縮された香りが魅力。
◎グラッパ
マールと同じく「かす取りブランデー」で、こちらはイタリア版。蒸留後は木樽で熟成させないで瓶のなかで熟成させるのが一般的で、ほぼ無色透明。食後酒として飲むことが多いようです。
◎オルーホ
こちらも「かす取りブランデー」で、スペイン版です。現地ではハーブなどを加える飲み方も人気。
◎カルパドス
フルーツ・ブランデーの一種で、リンゴを原料とするお酒を蒸留させて造るアップル・ブランデー。なかでも、フランスのノルマンディー地方とブルターニュ地方産のもので、厳しい基準をクリアした高級ブランデーが「カルパドス」の名称を使えます。琥珀色で香りが高いお酒で、おいしく飲めるのはもちろん、製菓材料としても。
◎キルシュワッサー
さくらんぼを原料にして造るチェリー酒をもとに、蒸留して造るフルーツ・ブランデー。ほとんど無色透明で、さわやかで甘い香りが楽しめます。生産地はドイツのほか、フランス、スイス、オーストリアなど。こちらも飲用のほか、製菓材料としても人気。
◎パーリンカ
ハンガリーで古くから造られてきたフルーツ・ブランデー。プラムやアプリコット、洋なし、リンゴ、ラズベリー、黒スグリの実などいろいろな原料から造られます。
ブランデーの飲み方にはどんなものがある?
「ブランデーはストレートで飲むのが基本」と聞いたことはありませんか? でも堅苦しく考えなくて大丈夫。ストレート、ロック、水割り、お湯割り、ソーダ割りなど、いろいろ試して、自分好みの飲み方を探してみましょう!
ここでは、基本的な飲み方について順にご紹介しますね。
◎ストレート
ボトルからそのままグラスに注ぐ飲み方。ブランデー本来の熟成された香りと味を味わえます。
ブランデーを注いだら、まずグラスを静かに回し、色合いや立ち上る香りを楽しんで。次に口に含んでみて、舌で味わいや刺激を楽しみ、鼻に抜ける香りを感じてみましょう。
◎ロック
「オンザロック」と呼ばれる飲み方。大きめの氷をグラスに入れて、その上からブランデーを注ぎます。氷がゆっくりと溶けていくのにつれて、味わいが変化するのが魅力。「カランカラン」と氷が動く音にもきっと癒されます。冷えたお酒が好きな人にも◎。
◎水割り
ウイスキーでは、氷を入れずにウイスキーと水を1:1の割合でグラスに入れる飲み方を「トワイスアップ」と呼び、味と香りが一番引き立つ飲み方とも言われています。ブランデーでも「トワイスアップ」にすれば、ストレートで飲むよりも香りが楽しめるときがあるかも。
◎お湯割り
グラスにブランデーを入れ、お湯を注いでいく飲み方。グラスは最初に温めておくとよいでしょう。香りのあるブランデーを使えば、温められることで香りがより華やかに。寒い冬の日などにもどうぞ。
◎ソーダ割り
氷の入ったグラスにブランデーを注ぎ、ソーダを足していく飲み方。ブランデーとソーダの割合はお好みでOKです。炭酸がシュワシュワと弾けてさわやかな飲み口になるので、ブランデー初心者にもおすすめ。
ブランデーのカクテルにはどんなものがある?
バーに行くと、ブランデーのカクテルに出会えることがあります。気に入ったら、自宅のブランデーで作ってみるのもいいですね。ここではポピュラーなカクテルをピックアップ!
女性でも飲みやすいサイドカー
◎サイドカー
ブランデー2に対し、ホワイトキュラソー1、レモンジュース1の割合で作るもの。軽くやさしい口当たりで女性も飲みやすいカクテルです。バーなどではカットしたフルーツがグラスに飾られることも。
◎ニコラシカ
ストレートに近い飲み方ですが、よりすっきりした味わいに。ブランデーを注いだグラスに、レモンの輪切りを乗せて、砂糖を盛るというもの。飲むときにはまず、レモンを二つ折りにしてかじりながら、ブランデーを飲みます。細長い足のついたリキュールグラスで作るのが正式。
◎ブランデースプリッツァー
ブランデー、炭酸のほか、オレンジなどのフルーツを入れるカクテル。フルーツは、前日からブランデーに漬けておくとさらにおいしくなります。
◎カフェロワイヤル
ナポレオンが飲んでいたことでも有名。コーヒーとブランデーを組み合わせる飲み方です。コーヒーにブランデーを垂らすだけでもOKですが、スプーンに角砂糖を乗せてブランデーを染みこませ、火を灯してからコーヒーに入れるとムード満点。
◎アレキサンダー
ブランデー、クレームドカカオ、生クリームをシェイクして作る甘口のショートカクテル。イギリス国王エドワード7世が、愛する王妃アレクサンドラに捧げたことから名前がついたもの。映画「酒とバラの日々」でも、お酒を飲めない女性が酒を覚えていくシーンで登場するほど魅惑の味わい。
おいしくブランデーを飲むポイントは?
ブランデーをおいしい飲み方で楽しむためには、温度、グラス、チェイサーにもこだわるとGood。
とくにストレートで飲むときなどには試してみる価値大です!
◎温度
おいしく飲むためのブランデーの適温は18~20度くらい。ブランデーを熟成させるときの温度よりやや高いもので、ブランデーの香りがより感じられる温度なのだとか。適温で飲み切るために、グラスには30分程度で飲める量を注ぐとよいでしょう。目安としては40~60ミリリットルです。
◎グラス
かつての日本では、ブランデーは「スニフター」と呼ばれるチューリップ型のグラスに注ぎ、グラスを手のひらで包み込むように持って温めながら飲む、というのが通説でした。でも、実はこれ、質の低いブランデーを飲むときにぴったりの飲み方なのだとか。
今では、足が長い、チューリップのように先がすぼまっているグラスを使うよう推奨されることが増えてきました。よいブランデーは、手のひらで温めなくても香りが立つのです。
◎チェイサー
チェイサーとは「追っ手」などの意味。アルコール度数が高いお酒を飲むときに飲むもので、水、炭酸水などが一般的です。ブランデーもアルコール度数が高いお酒なので、チェイサーをお供に飲みましょう。悪酔いを防いだり、舌をリセットして味わいを何度でも楽しんだりすることができます。
ブランデーの選び方は?
ブランデーのことがわかってきたら、だんだん飲みたくなってきましたね♪ では、いよいよ選び方をご紹介。
先にご紹介したブランデーの種類によって選ぶほか、産地の違いや、熟成度合いによって選ぶ方法があります。熟成度合いについては、3~4年程度熟成の「1つ星」から、約70年熟成の「エクストラ」までランク付けがされています。
◎ブランデーの熟成度合いによるランク(下にいくほど、熟成度合いが高いランク)
・1つ星
・2つ星
・3つ星
・VO(very oldの略)
・VSO(very superior oldの略)
・VSOP(very superior old paleの略)
・VVSOP(very very superior old paleの略)
・ナポレオンクラス
・XOクラス
・エクストラクラス
おすすめのブランデーについて知りたい!
ここまでご紹介してきたように、ブランデーは種類やランクが様々。当然のことながら商品によって味が違い、価格もピンキリ…。どれを選んだらよいのか迷ってしまいますよね。
様々なインターネットサイトで、おすすめのブランデーが紹介されていますが、大事なのは自分の好みに合うかどうか。
とくに、ブランデーを初めて飲む人なら、まずは安価なもので試してみたくなるところですが、最初こそ味重視で選んでみてください。一般的には、熟成度合いが高いほど、まろやかさや飲みやすさがアップするとされています。ブランデーに慣れていない人は、少々コストがかかっても、熟成度ランクが高いものを選ぶのもよいかもしれません。
どれがよいのかわからなくなったときは、自分の好みをふまえ、専門店で値段も含めて相談して選ぶのもいいですね!
ブランデーに合うおつまみは?
アルコール度数が高いだけに、悪酔いを防ぐためにも、ブランデーはおつまみと一緒に味わいたいもの。では、おいしく飲むためには、どんなおつまみがよいのでしょうか。
甘いものでは、定番はチョコレートやドライフルーツ。チョコレートは、ブランデーを使った商品もあるくらいなので、その相性のよさは想像がつきます。甘みはあるけど、なるべくカカオ分が濃い、ビターなチョコレートを選べば、ブランデーの甘みを引き立ててくれるのでおすすめです。
しょっぱいものでは、アーモンドやピーナッツ、ピスタチオといったナッツ類がおつまみの定番。チーズ、サラミなども人気です。
つまり、ブランデーのおつまみは、甘みも塩気もどちらもOKということ! いろいろなおつまみと組み合わせて、ブランデーをゆっくりと楽しんでみてくださいね♪
まとめ
カクテルにしたり、いろいろなおつまみと合わせたり、ブランデーって実はこんなに自由に楽しめるお酒なんですね。夜のお供に、これからはブランデーもぜひ加えてみてくださいね。
文/北浦芙三子
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