栄養豊富なアーモンドは、ハリウッドセレブたちの間で“美容食材”として人気を集めています。
いったいどんな効果があるのか、アーモンドの美容効果について注目してみましょう。1日のおすすめ摂取量や、ちょっと心配な食べ過ぎによるデメリットについても最後にご紹介します。
アーモンドの効果が知りたい
かつては「カロリーが高い」「吹き出物の原因になる」などというイメージがあったアーモンド。今では美容効果のある食材として注目されています。
実は、数あるナッツのなかでも、アーモンドは栄養価が高い食材。抗酸化作用のある栄養素や、皮膚や粘膜をヘルシーに保つ栄養素、腸の働きを整える食物繊維などたくさんの栄養が詰まっていて、まさにスーパーフードなんです。とくに海外のセレブたちが期待しているのは、アンチエイジング効果なのだとか。
アーモンドには具体的にどんな栄養素が含まれているのか、1日にどれくらいの量を食べるのかよいのか、詳しく見ていきましょう。
アーモンドに含まれる栄養分
美容と健康によい栄養素がたっぷり含まれているアーモンド。とくに注目したいのはビタミンE、食物繊維、良質の脂質などです。文部科学省の食品成分データベースを参考に、その含有量や効果をチェックしてみましょう。
1.ビタミンE
「若返りのビタミン」とも呼ばれるビタミンE。活性酸素から体を守る作用があり、肌荒れを改善するなどアンチエイジング効果が期待できます。血行を促進してくれるので肩こりや頭痛、冷え性などの症状改善にも効果あるんですよ。
ビタミンEはナッツ類全般で豊富ですが、なかでもアーモンドの含有量はピカイチ。文部科学省の食品成分データベースによると、アーモンド100gに30.3mg(α-トコフェロール)ものビタミンEが含まれています。これは、ビタミンEを豊富に含む食材として知られるウナギの約4倍、大豆の13倍!
2.オレイン酸
「アーモンドは脂質が高い」と敬遠していた人は多いのではないでしょうか。でも、この脂質はオリーブオイルに入っていることでも知られる「オレイン酸」。血液中の悪玉コレステロールを増やさず、善玉コントロールを減らさないので、動脈硬化などの予防に効果が期待できるんです。ただし、オレイン酸は良質の脂質であるものの、大量に摂取し過ぎないことが大切です。
3.食物繊維
おなかの調子を整えて便秘を防止してくれる食物繊維。文部科学省の食品成分データベースによると、食物繊維はアーモンド100gに10.1gで、ごぼうの約1.7倍もの量が含まれています。
日本人の食事摂取基準(2015年版)では、食物繊維は1日あたり18~69歳の女性で18g以上。アーモンドは1粒1g程度なので、アーモンドだけで1日分の食物繊維をまかなうことは難しいですが、いつもの食事にアーモンドを加えるで食物繊維を手軽にプラスすることができそうです。
ほかにも、カルシウムやリン、マグネシウム、鉄、亜鉛など、アーモンドには骨や血液のもとになったり体の調子を整えたりしてくれるミネラルが豊富。さらに、脂肪の燃焼効果があるビタミンB2、パワーの源になるタンパク質、妊娠中に摂りたい葉酸などが含まれているのもうれしいポイントです。
アーモンドの食べ方
アーモンドのすごい美容効果、健康効果がわかってきましたよね。では次に、アーモンドはどんな食べ方がよいのか、目的別に考えてみましょう。
栄養摂取のためには……
アーモンドはカリッとした食感からもイメージできるように、細胞壁が硬い食材。栄養分を摂取したいと思ったら、細かく砕いて料理などに利用するのがおすすめ。アーモンドをペーストして飲みやすく仕上げた市販のアーモンドドリンクを利用するのもいいですね。
うす皮には抗酸化作用のあるフラボノイド類が含まれ、ビタミンEとともにアンチエイジング効果が期待できるので、うす皮ごと砕いて食べるのがよいでしょう。
ダイエットに役立てるには…
今度は逆に、「粒のままで食べてもいいですよ!」というお話。美容に関心が高いモデルさんがナッツを持ち歩いていて、おやつにカリカリと食べている、というシーンをメディアで目にしたことはないでしょうか。
アーモンドは噛み応えがありますし、食物繊維も豊富なので、小腹をふくらませるのにぴったり。おなかがペコペコのときにも、食事の前にちょっとアーモンドを食べると暴食防止になります。一粒一粒、よく噛んで細かく砕きながら食べると、栄養分も摂取しやすくなるので一石二鳥ですね。
アーモンドの選び方
アーモンドを選ぶときのポイントについてもチェックしておきましょう。
ローストアーモンドor生アーモンド?
ローストとは、油を使わずに素焼きをする方法のこと。スーパーのおつまみ売り場などで見かけるのが、そのロースト製法によるアーモンドです。そのままでカリカリ、ポリポリと食べられるほか、サラダやパンケーキにトッピングしたりと料理にも手軽に使えます。
生アーモンドのほうは、お菓子作りや料理に向く食材。比較的しっとりしていて、アーモンド本来の風味が感じやすいと言われています。自分でローストして香ばしくカリッとさせることもできるので、自分流にクッキングを楽しみたい人にはこちらがおすすめです。
食べやすさと健康のバランス
ローストアーモンドには無塩タイプ、薄塩タイプ、しっかり塩味が付いたおつまみタイプなどがあります。毎日アーモンドを食べる人や、塩分が気になる人は無塩タイプを選ぶとよいでしょう。ハチミツなどで甘く味付けされたものはついつい手が伸びてしまうので、食べ過ぎ傾向がある人は避けたほうがいいかもしれません。
産地にこだわるとより楽しい
育てられる環境が違うと、アーモンドの品質は変わるもの。アーモンドは世界のアーモンド供給量の約7割を米国のカリフォルニア産が占めていますが、ほかにもスペイン産、イタリア産などがあります。カルフォルニア産アーモンドでも農園によって味に違いがあるようです。産地別にセレクトされた商品を選んで、食べ比べてみるとのアーモンドの楽しみが広がりですね。
アーモンドの注意点
最後に、アーモンドを食べるときに注意したいことをまとめました。
1日に食べる量の目安は?
ビタミンEについては成人女性の1日の摂取目安量は6.5mg。これをアーモンドなら約22粒で摂取できます。女性は20粒程度までを目安にアーモンドを食べるとよいでしょう。
そもそもアーモンドは1粒6~10kcalと高カロリー。20粒で120~200kcal、30粒なら180~300kcalにもなってしまいますので、くれぐれも食べる量には注意したいところ。
アーモンドの保存方法とは
アーモンドを保存するときは、温度の高いところ、湿気の多いところ、直射日光が当たるところは避けましょう。具体的には5℃未満で相対湿度65%未満が理想。家庭では冷暗所や冷蔵庫などに置き、一度袋を開封したものは袋の空気を抜いてしっかりと口を閉じておき、密閉容器などに入れておくとよいでしょう。
また、アーモンドのなかでも生の皮付きのものは一番酸化しにくく、ローストタイプやスライスされたもの、細かい粉状になったものなどは酸化しやすくなります。商品包装の表示を参考に、なるべくおいしいうちに食べ切りましょう。
食べ過ぎると病気になる?
アーモンドは食物繊維がたっぷり含まれているので、一度にたくさん食べるとおなかの調子が悪くなり、腹痛を起こすことも。脂質が多いという点でも、消化吸収のための負荷が胃腸にかかってしまうので、食べ過ぎはおすすめできません。
そのほかにも、アーモンドに含まれるアミノ酸の一種、アルギニンがヘルペスウイルスの増殖を促すという研究結果もありますが、食べ過ぎない限りは過剰に心配することはないでしょう。
まとめ
アーモンドは美容と健康によいスーパーフードということがわかりました。1日の摂取目安量を守りながら、おいしくアーモンドを食べて、ますます「キレイ」をめざしましょう。
参考:文部科学省「食品成分データベース」(https://fooddb.mext.go.jp/)
文/北浦芙三子
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