コラム

昭和レトロが再ブーム！昔ながらの喫茶店の味を食べよう

更新日：2017.10.27

最近、「昭和」が人気になっているのをご存知ですか。以前にもブームはありましたが、再び若い女性の間で「昭和なグルメが可愛い！」「バブル時代のファッションが斬新！」と注目を集めているようです。今回は特に、昭和レトロな喫茶店などのグルメに焦点を当ててみました。

昭和の味ってどんな味？

そもそも昭和は1989年まで。今から26年も前なのですね！昭和と言っても「レトロ」とされるのは昭和30～40年代の文化ではないでしょうか。

当時は喫茶店や、デパートの食堂、レストランの洋食などちょっとハイカラな食文化が流行しました。特に喫茶店ではスパゲッティナポリタン、オムライス、パフェ、フルーツポンチなど今も愛される料理がこぞってお目見えし、人々はこれを食べるためにお店に行ったものでした。そんな料理たち、今とどう違うのでしょう？

・オムライス…今のように「ふわふわ」卵ではなく「しっかり巻いた」卵。中はチキンライス（ケチャップ味）。
・スパゲッティナポリタン…麺が柔らかく、具材はタマネギ、マッシュルーム、ピーマン、ソーセージ。甘めのケチャップ味。
・プリン…しっかり固めで、決して「とろける食感」ではない！卵の風味が強い。

昭和の味を食べに行こう～アマンド（東京）～

そんな懐かしい昭和なメニューを食べられるお店は減ってしまいましたが、そのレトロな味を復活させよう！とチャレンジしているお店があります。

それは六本木の有名な喫茶店『アマンド』。1946年創業、バブル時代には深夜に飲食店にケーキの出前をするなど前衛的なカフェとして知られ、待ち合わせスポットとしても人気沸騰しました。
2017年に創業70年を迎えるにあたり、先に進むのでなく「あえて昔に戻ろう」というユニークなテーマを掲げたそうです。昔の文化を復活させることこそ、今の時代には「攻めている」と言えるのかも知れません。

そのアマンドは、創業時から「ハヤシライス」「オムライス」「スパゲッティナポリタン」が人気でしたが、年月が進むにつれ今風に変わってきました。昔のレシピは無くなってしまったのですが、その味を復活させるため、なんと、当時働いていたシェフを探し出して記憶だけでレシピを再現してもらったそうです。そうして完成した復刻「昭和食堂」メニューがこちら。

●ハヤシライス
なんと牛バラ肉を６時間も煮込んだホテル仕込みの味。酸味がほどよく効いていて、牛肉のダシとコクが凝縮され、一口食べるごとに幸せを感じます。この一皿が当時はご馳走で、これを食べること自体が大イベントだったのだなあと思いを馳せてしまいます。
ランチタイムはドリンクとサラダ付きで1000円とリーズナブル。銀座店、六本木店で実施しています。

●スパゲティナポリタン
ケチャップをベースに、しっかり炒めて甘みを引き出した玉ねぎとトマトソースを加えた一品。

●スパゲティコスモポリタン
エビで出汁をとったアメリケーヌソースをベースに小エビとナポリタン具材を加えたクリーム系のスパゲッティです。昭和40年代の人気メニュー。

●海老とマカロニのホワイトグラタン
当時のチキングラタンを現代版に改良。ベシャメルスソースをさらにクリーミーにしつつ、魚介とマカロニの具沢山なグラタンに仕上げました。

さらに、喫茶メニューも昭和の味に。ミルクセーキやサンデーなど、まさに「わ〜！」と歓声を上げてしまうようなビジュアルですね。店内の「アマンドピンク」と相まって、レトロ可愛さ満点です。

●苺ミルクサンデー
パフェではなく、あえてサンデーと言うところがニクいですね。その時季で最も美味しい苺を厳選したことが分かるような、色も味も食感も申しぶんのない苺たちがのったサンデー。
生クリームやアイス、コーンフレークなど、素材1つ1つに妥協しません。さすが老舗アマンドの渾身作です。

●アマンド風ミルクセーキ
アマンド風ミルクセーキは、バナナ、牛乳、アイスクリームをシェイクした濃厚な飲み物。ちゃんと泡立っているのが「そう、これこれ」と懐かしく思ってしまいます（若い人は知らないかも？）。トッピングのチェリーもしっかり食べましょう！

（参考　アマンド昭和食堂　http://www.roppongi-almond.jp/lineup_cafe.html）

今も残る老舗喫茶店の味

都外でも老舗喫茶の名物は今も残っています。関西では京都の『前田珈琲』のタマゴサンドやナポリタン、かつてあった洋食店『コロナ』の名物タマゴサンド（卵５個使用）が味わえる『喫茶マドラグ』（東京・神楽坂に２号店も）、大阪発祥の『丸福珈琲店』のホットケーキ、名古屋の『コンパル』のエビフライサンドなど、旅行の際に食べに行ってみてください。

昭和の味を作ってみよう

そんな昭和の味を家で作ってみましょう。シンプルだけに味をしっかり決めるのが難しいんです。

●しっかり卵のオムライス
チキンライスを作ります。具材は鶏肉、にんじん、玉ねぎの角切りと、グリーンピースなど。味付けはケチャップと、味が足りなかったら塩コショウで調えましょう。チキンライスを別皿に移し、卵２個（ライス200gの場合）で薄焼き卵を作ります。弱火で焦げないようにフライパンで混ぜながら、固まってきたら薄く均等になるよう熱します。
ライスに巻く時は、アルミホイルなどを敷いた上に卵を置き、手ワザで包んでしまうと初心者でもキレイに作れます。

●ナポリタンスパゲッティ
太麺のパスタをあらかじめ柔らかめに茹でて用意。フライパンにニンニク、ピーマン、タマネギ、ソーセージを炒め、ケチャップとトンカツソースを加えてさらに炒めます。ここに茹でた麺を投入し、焼くように炒めて出来上がり。

●ホットドッグ
これも喫茶店の定番ですね。キャベツをたっぷり入れるのがコツです。ケチャップ、あればマスタードを塗り、ソーセージを挟んで焼きましょう。あらかじめキャベツを炒め、ソーセージを焼いておけばパンを焦がさずに軽く焼くだけてカリッと仕上げられます。

●ピザトースト
食パンを厚めに切って、ケチャップ（マヨネーズを混ぜると美味）を塗ります。溶けるチーズ、ピーマン、玉ねぎスライス、サラミやベーコンをトッピングしてこんがり焼きます。チーズをパンが隠れるぐらいたっぷりのせるのがオススメです。

●オムレツタマゴサンド
喫茶店メニューの真骨頂（？）です。関東ではゆで卵、関西ではオムレツを挟んだタマゴサンドですが、個人的にはオムレツが好み。卵L4個で作ってみました。

食パンにケチャップ+トンカツソースを塗ります（何も塗らず、バターと塩だけの味付けでも十分美味しいです）。フライパンにバターをたっぷりしいて焼いたオムレツを四角くたたんで、挟んで切るだけ。パンは軽く焼いてもよいでしょう。切る時は押さずに、ひたすら水平に包丁を前後させて断面を崩さないよう注意。

まとめ

全部作ったらお家がレトロ喫茶店のようになってしまいそう！最近はどんどん昔のお店がなくなっているので、ぜひ今のうちに行って「昭和の味」を記憶にも舌にも残しておきましょう。その味が受け継がれてまた次の世代に「懐かしい」「斬新」と話題になるのでしょうね。

Profile猫田しげる

タウン誌、レシピ本編集記者。全国の珍しい調味料や麺類研究中。

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