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コラム

子どものスマホ利用、親がするべきこととは?犯罪被害を未然に防ぐ3つの心得

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子どものスマホ利用、親がするべきこととは?犯罪被害を未然に防ぐ3つの心得
お子さんはスマホを持っていますか? 最近、スマホを持つ年齢が低年齢化しており、子どもがスマホを利用した犯罪に巻き込まれるケースも増えてきています。
今回は、スマホと子どもの犯罪被害の現状と、家庭でできる予防策についてご紹介します。

今どきのお子さんは、お話がちゃんとできないころから、親が持つスマホで音楽を聴いたり、動画を見たりとスマホに慣れ親しんでいるケースも少なくなりません。
先日、電車の中で、ベビーバギーに乗った2~3歳くらいの小さなお子さんが、スマホの画面を人差し指でフリックして、自分の好きな画面を次々に見ている姿に驚かされました。

スマホを使っているお母さんのそばで、生まれたときからその使い方を見ているので、誰に教わらなくても自然に覚えてしまうのでしょうね。

中学生で半数近く、高校生では100%近い子どもがケータイを保有

未就学児のころからスマホの便利さを知っていたら、小学生や中学生ともなれば、自分のスマホが欲しくなるのは当然です。

内閣府が行った10歳~17歳を対象とした調査(平成26年内閣府)によると、「自分専用の携帯電話」(PHS・スマートフォン含む。以下同じ)と「家族と一緒に使っている携帯電話」を合わせた「携帯電話を持っている」子どもは約6割。

また、年齢が上がるほど「自分専用の携帯電話」の所有が多くなり、小学生では3割(30.3%)、中学生では5割弱(48.8%)となり、高校生ではほとんど (96.4%)の子どもが自分専用の携帯電話を持っています。

スマホは便利な道具。でも……


皆さん、ご存知のように、スマホはとても便利なツールです。さまざまなアプリケーションをインストールすることで、通話やメールなどの通信手段として利用するほかに、情報検索、カメラ、音楽、動画再生、ゲームなど、パソコンと同じようにさまざまな機能を活用することができます。

しかも手のひらサイズのコンパクトで軽量。外出時にお財布を忘れることはあっても、スマホは絶対に忘れないという人もいるのではないでしょうか? 外出時だけではなく、家の中でも手放せないという人も多いかもしれませんね。

こんなに便利なものを子どもが持ったら、夢中になるのは当たり前です。そして、残念なことに、スマホを悪用した犯罪が、年々増えてきているのです。

スマホをきっかけにした犯罪が多発

警視庁の調べによると(平成26年警察庁)、平成25年に起こった、いわゆる「出会い系サイト」にからんだ犯罪被害に遭った子どもは、前年度よりも27.1%減少しているのに対して、一般のコミュニティサイトをきっかけにした犯罪被害に遭った子どもは、20.2%増加しています。

被害に遭った子どもたちのうち6割以上が、コミュニティサイトへのアクセス手段としてスマホを利用しています。また、コミュニティサイトにアクセスした理由は、「無料だから」、「友達のすすめ」が大半を占めています。
サイトに対するイメージも、「友だち・メル友を探すサイト」と認識している子どもが多く、つまり、友だちやメル友を探す気軽な気持ちで、身近にあるスマホを使ってアクセスした結果、犯罪被害に遭っているということです。

親の目が届かない状況に…

携帯電話やスマホの普及は、子どもがコミュニティサイトをきっかけにした犯罪に巻き込まれやすい状況をつくるだけではありません。親が子どもの交友関係や行動範囲を把握しにくい環境をつくることでもあります。

以前は、子どもの外部との通信は、「家の電話」を介して行われていました。家にかかってきた電話を親がとって、子どもに取り次ぐということですね。そうすれば、親は「誰から」かかってきたのかを把握することができ、親の目が届きます。

しかしながら、子どもが個人で所有するスマホを使って外部とやりとりする状況では、親の目はとても行き届きません。スマホさえあれば、場所も時間も選ばず、子どもは危険がいっぱい潜んでいる可能性のある「親の知らない外の世界」と連絡がとれるのです。

そうなると、親は子どもがどのようなサイトを利用しているかさえも把握することができません。実際、前述の警視庁の調査でも、被害に遭った子どものうち、サイト利用について保護者から注意を受けていない子どもが約6割 を占めています。

スマホの使い方について家族でルールをつくる


わが子がスマホを介した犯罪被害に遭わないようにするには、子どもに好き勝手にスマホを利用させないこと。18歳未満はスマホの契約者になることはできませんから、親が契約者なのです。親がスマホを購入して、「子どもに貸し与えている」ということを親子で再確認しましょう。

スマホの本来の所有者は親なのですから、親がつくった「わが家のルール」でスマホを利用します。そのルールに従えないなら、スマホを取り上げるという厳しい態度を示しましょう。子どもを犯罪被害から守るためには、それくらい毅然とした態度に出てもいいと思います。

ルールのひとつが、たとえば、「夜9時以降はスマホを使わない」というもの。家の電話を利用していたころは、夜9時を過ぎたら、緊急な用件でもないかぎり、よそ様のお宅に電話をかけるのは遠慮したものです。「24時間いつでも人とつながる」というのが、当たり前なのではありません。

「夜9時以降はスマホを使わない」を徹底するには、子どもだけにこのルールを押しつけても難しいので、家族で実践することが大切です。リビングにスマホの充電器を家族分置き、夜9時から族全員の充電タイムがスタート。親は多少の不便があるかもしれませんが、わが子を犯罪から守るためと思って、ぜひ実践してみください。

<スマホからわが子を守る3ヵ条>
  • スマホをきっかけにした犯罪被害が増えていることを認識する
  • 子どもが利用しているコミュニティサイトについて把握する
  • スマホの利用について「わが家のルール」をつくる

写真© Halfpoint - Fotolia.com
写真© Africa Studio - Fotolia.com
写真© sunabesyou - Fotolia.com
順天堂大学医学部協力研究員。日本こどもの安全教育総合研究所理事長(特定非営利活動法人 )。
大学で学生への講義のほか、児童・生徒の授業、および成人を対象とした市民安全のための生涯学習活動にも力を入れている。
新聞・テレビ・ラジオ・雑誌など多数に出演(安全教育学)。
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