どんなに深く愛し合った夫婦であっても、「魔が差す」ということがあります。長らく夫婦生活を営んでいくなかでは、そういったアクシデントが起こる場合もあるのではないでしょうか? 世の中にはやはり、実際に経験された夫婦もたくさんいらっしゃいます。
でも、そんなアクシデントをも乗り越えてこそ本当の夫婦。何かあったとしても、危機こそ絆を深めるチャンスと捉えることができれば、復縁も意外と難しいことではないのかもしれません。
そこで今回は、実際にそんな経験を乗り越えられた方の声を聞いてみました。
【浮気された!】30代主婦Aさんの場合
心底ショックを受けたと気持ちを打ち明け、もうそのことは言わないと決めた
「浮気をされていることを知ったときは、心底ショックを受けましたし、もう無理だという想いにも駆られました」と語るのは、旦那さんの浮気を経験されたAさん。では、そのショックをどう乗り越えたのでしょう?
「まずそのショックな気持ちは、伝えました。それは今後も関係を続けていくうえで、隠すことではないと感じたからです」
その上で、Aさんの強い覚悟は、その後の行動に現れました。
「一度気持ちを打ち明けた後は、もうそのことは言わないと決めたんです。とにかく、いままで通りに過ごす努力をしました」
悔しさや悲しさは、そう簡単には消えることはないでしょう。旦那さんを恨む気持ちが生まれても当然です。でも、Aさんにとってはそれ以上に、ご主人との関係を続けていくことが、子どものためにも自分のためにも、一番だと考えたようです。
浮気に限らず、たとえ些細な夫婦喧嘩であっても、この「引きずらない」ということはとても重要なこと。その結果、いまは旦那さんと仲良く過ごしているということですから、Aさんの判断は正しかったと言えるでしょう。
【浮気してしまった!】広告代理店勤務男性・Bさんの場合
めったに泣かない妻に泣かれて我に返り反省…
次に紹介するのは、実際に浮気をしてしまった側である男性、Bさん。「そのときは、妻ともあまり関係が良くなかったので、なんとなく職場で知り合った子とそういう流れになってしまって……」と罰が悪そうにBさんは語ります。
「でも、それが妻の知るところとなってしまい、妻は私の前で泣いたんです。それまでほとんど涙を見せたことなどない妻が、自分がどんなに苦しいのかを切々と語りながら…。そのときに初めて、自分の軽はずみな行為を反省しました」
Aさんに続き、「浮気をされて悲しい。裏切られてつらい」という気持ちを吐露することは、必要なことといえそうです。ただただ相手を責める言葉を浴びせるのではなく、自分の悲しさや悔しさを素直に伝えたことが、旦那さんの心を動かし、後悔と反省につながったことは事実です。
【浮気してしまった!】メーカー勤務男性・Cさんの場合
これまで以上に気遣うように改心したことで、浮気前よりも良い関係に
「浮気をしてしまったときは、そんなに深い理由はなかったんですよね。なんとなく勢いというか。でもとにかく、それがバレて、妻と険悪な雰囲気になってしまったときに、ようやく悪いことをしてしまったという想いが湧いてきたんです」と語るのは、同じく浮気が奥様にバレてしまった経験のあるCさん。
「だからその後は、気持ちを改めて妻に接する努力をしました。優しくしましたし、これまでしたことのなかったような気遣いを、こまめにするよう気を付けましたね」。
浮気がバレたときに心からの謝罪をしただけではなく、罪滅ぼしを必死にし続けた結果が報われたのでしょう、いまでは浮気をする前よりも仲良くしているそう。ほとぼりが冷めたら気づかいも終了、ではなく、トラブルをきっかけに夫婦関係のあり方を見直すことができたようです。
【浮気された!】30代パート女性・Dさんの場合
怒りが鎮まるのを待ち、自分はこの先どうしたいのかを冷静に見極めた
残業や接待で「夕飯はいらないよ」という日が増えたなと感じるようになった頃、週末はやたらと泊まりでゴルフに行くようになり…夫の態度がなんとなくおかしいと直感したDさん。浮気を疑います。LINEのやり取りの証拠を掴み問いただしたところ、夫は部下との浮気を認めたのです。
「数日間は頭に血がのぼっていて、かなり罵倒したと思うのですが、『魔が刺した』とか『本気じゃない』とか夫は平謝りで、頼むから許してくれと懇願されました。」
自分はどうしたいのか。許せず離婚するのか、それとももう一度夫婦の関係を再構築していくのかー。ただ、怒り狂っていても前には進めない。夫は許して欲しいと言っている。私は、自分がどうしたいのかをはっきりさせなくては。Dさんは何ヶ月も悩みましたが、「2度目は絶対許さない」と約束をして、許してあげることにしました。
以来、Dさんは何かの拍子に「裏切られた」という悲しみがフラッシュバックして突然涙が流れるなど、1年間くらいは不安定な精神状態が続いたそうですが、夫はとても優しく気遣ってくれるようになったといいます。浮気事件から3年―。今ではDさんの心も落ち着きを取り戻したそうです。
「今となっては、怒りに任せて違う決断をしなくてよかった」とDさんが語るように、きちんと気持ちを吐露したあとは自分自身が冷静になるのを待つことも大切なようです。
【浮気された!】40代派遣社員女性・Eさんの場合
つらさを乗り越えるためのいちばんの薬は「時間」
Eさんは結婚12年目で2児の母。少し無口で穏やかな性格の夫に限って、浮気なんて絶対しないだろう、と心底信じていました。しかし結婚5年目、夫のW不倫が発覚します。Eさんにとってはまさに青天の霹靂。悲しいやら悔しいやらで涙が止まらず、夜も眠れず、食事も喉を通らずで、半狂乱の日々を過ごします。
「仕返ししてやろうと考えたり、わざと怪しまれる行動をとって夫の出方を見たりしていましたね。相手の女の家族にバラして、家庭をメチャクチャにしてやろうとも考えました。夫はとても反省してすぐに相手と別れましたが、私はしばらく情緒不安定だったと思います。」
それからは自分の趣味を広げたり、浮気事件のことはなるべく考えないようにして過ごしました。今でもときどき思い出すことはあるそうですが、Eさんの中ではやっと過去のことになったそうです。
「浮気を乗り越えるためのいちばんの薬は『時間』です。これに尽きます。私の場合、乗り越えるのに3年以上かかりましたから。決して忘れたわけではありませんけどね!」
【浮気された!】30代アパレル勤務女性・Fさんの場合
相手女性を呼び出し三者面談して慰謝料請求という制裁
「発覚したときは、頭をガーンと殴られて目の前が真っ暗になる感じでした。あんな衝撃は人生で一度きりです。何も手につかなくなり、ストレスで倒れ、2年ほど心療内科にも通いました」
結婚5年目に夫の浮気が発覚したFさん。5年前のことです。
「私は相手の女性を呼び出し、夫と3人で話し合いをしました。そして、相手から慰謝料を取りました。夫も相手も相当こたえたようです」
自身のことを、プライドが高くて負けず嫌いな性格だというFさん。相手の女性は、Fさんとは真逆のタイプだったといいます。
「だから私の性格のせいで、相手に癒しを求めて向かっていったのかな…と自分なりに反省もしたのですが、黙って許すことなんてできない性格である以上、カタをつけないと後々しんどいと思ったのです。なので、きっちり制裁をしてから前に進もうと。そこは夫も納得した上で、夫婦関係を構築し直すことにしました。もちろん事実が消えることはありませんが、あれから5年が経って私の気持ちは落ち着いてきていますし、夫との関係性も良好です」
黙って許すことは自分にとっても、夫婦にとっても良くないと考え、Fさんが下した慰謝料請求という決断。自分的に納得できる道を選んだことで前に進むことができたといいます。どうしたら相手を許せるのか、じっくりと考えることも大切ですね。
「許す」ことも必要なスキルなのかもしれない
つい浮気をしてしまった、もしくは、浮気をされてしまったという場合でも、そこから二人の関係を再びスタートさせることができるかどうかは、その時の、そしてその後のお互いの行動次第。「許す」ということも、長くパートナーシップをとっていくためには、必要なスキルだと言えるのではないでしょうか。
文/石川紗花・暮らしニスタ編集部
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