味噌が大豆の発酵食品で体に良いのはご存じの通りですが、現代の食生活で毎回摂るのは難しいですよね。最近では、味噌汁にして食べる以外にも、オススメの食材として手軽に食べられる「おかず味噌」が注目を集めています。
ニンニク味噌、ネギ味噌、唐辛子味噌、どれもそのまま食べたり、お酒のつまみにしたり、ご飯のおともにと、食べ方もいろいろ。最近はアンテナショップや道の駅でその土地の食材を使ったおかす味噌が売られていて、あれこれ選ぶ楽しみもあります!
今回は、おかず味噌の手作りレシピや、筆者が選んだ絶品おかず味噌をご紹介します。
やっぱりスゴイ味噌の効能
「味噌は日本のスーパーフード」とはすでに聞いたことがあるかと思います。しかし、味噌は具体的にどう体にいいのか、実際にどんな効果があるのでしょうか。様々な研究や調査から、味噌には下記のような効能があるとされています。
・コレステロールの抑制
大豆に含まれるリノール酸がコレステロールを体外に排出するのを促進。
・胃がん予防
ある実験で、味噌汁を飲む頻度の高い人ほど胃がん・肝臓がん・乳がんによる死亡率が低く、心筋梗塞、肝硬変などの場合にも同じような結果が得られた。
・老化防止
ビタミンEやダイゼイン、サポニン、褐色色素などが含まれ、体内の酸化を防止する作用がある。
・整腸作用
食物繊維が腸の掃除をしてくれ、微生物が腸内腐敗菌や有害物を体外に送り出してくれる。
・ダイエット効果
さらに食物繊維には脂肪の蓄積を妨げる効果がある。
・美肌効果
「遊離リノール酸」がメラニンの合成を抑えシミ・ソバカスを防ぐ。
・脳の活性化
タンパク質とビタミンB群が脳の新陳代謝を活発にさせ、頭の回転をよくするといわれる。
以上はほんの一例!他にも疲労回復や骨粗しょう症予防などの効果があるとされています。けれど一朝一夕では体質改善には結びつきません。味噌は毎日摂ることが最も重要なのです。
筆者はある味噌メーカーの女性にお会いしたとき、その肌の美しさとスリムな体型に驚きました。聞くと彼女は「味噌は毎回の食事で何かしら摂ります。もう習慣になっていますね」とのこと。
また味噌メーカーに就職する前は味噌汁も飲まないような生活でしたが、今の食生活になってから「お通じが良くなった」「肌のハリが出てきた」「味覚が正常になった」「料理でほかの調味料を必要としなくなった」など変化が現れたそうです。
それは是非マネしたいものです。
ですが現代人にとって味噌汁を毎回の食事で飲むことは難しい……。そこでオススメなのが色々な具材を混ぜた「おかず味噌」という食べ方。これなら「飲む」以外に「そのまま」「混ぜてアレンジ」「料理にちょい足し」など食べ方の幅が広がり、味噌をより多く摂れること間違いなしです。
手作り編①「ニラ味噌」
まずはスタミナたっぷりの「ニラ味噌」を自宅で手軽に作ってみましょう。
フライパンに味噌大さじ2、砂糖・酒・みりん各大さじ1を入れて香りが立つまで炒めます。次に1cmの長さに切ったニラ(2人前で1/2束分)を、フライパンに加えて水気がなくなるまで炒めます。粗熱がとれたらビンなどの容器に入れます。
1週間くらい冷蔵保存が可能です。
ニラ味噌はそのまま食べてもビールのおつまみにも合いますが、冷や奴やそば、うどんのトッピングにも最適です。
卵とじにしても立派なおかずになります。好きな方は炒める時にごま油を少々加えましょう。
手作り編②「えのき味噌」
鍋に合わせ味噌大さじ2、砂糖・みりん各大さじ1、輪切り唐辛子適量を入れて火にかけ、混ぜ合わせます。そこにカットしたエノキを加え、水分がなくなるまで混ぜます。
これで出来上がり!シメジ、マイタケなどほかのキノコでもOKです。
味噌:砂糖:みりん=2:1:1になるように。食べる味噌として作る場合はみそを少なくして味付けを薄めしましょう。卵かけご飯にトッピングすると何杯でもご飯が進みます。
手作り編③「青唐味噌」
味噌・砂糖・みりん各大さじ2をフライパンで炒め、輪切りにした青唐辛子を5本分ほど入れて炒めます。辛さは唐辛子の量で調節を。
お取り寄せ編① おかず味噌変化球!「三年味噌バーニャカウダ」
家庭で作れない味を取り寄せてみましょう。
こちらは長野県松本市『石井味噌』の新商品、「三年味噌バーニャカウダ」。
三年味噌とは春に仕込み、寒を越し、翌年も熟成を続け3年目から出荷される味噌。発酵促進剤を使わずに醸造することで、自然の旨みと熟成香が強く感じられます。
この味噌にアンチョビとニンニク、隠し味にワインやみりんを加え、和洋に使える香り高い味わいに仕上げたのが三年味噌バーニャカウダ。ニンニク×アンチョビのスペシャルタッグに味噌とみりんの和の風味。一口舐めるだけでも旨さが口中を駆け巡ります。
温野菜や肉、魚、パスタはもちろん、筆者は餃子のタレやポテサラの味付けなどに活用しています。
石井味噌(http://ishiimiso.com/)
お取り寄せ編② 筆者おススメNo.1「ごろごろにんにくみそ」
筆者が「これはスゴい!」と思ったおかず味噌のナンバーワンは、長野の『金元醸造』が作るおかず味噌シリーズ。なんでもこちらは「無添加・無農薬」という、業界ではかなり高難易度な商品を手作りで製造しています。
通常、ビン詰め商品は、日持ちをさせるため保存料や味を良くするアミノ酸が含まれているものが多いのですが、こちらでは材料は味噌と野菜だけ。
また野菜は主に近所の農家が持ってくる新鮮な無農薬野菜。ビン詰めからラベル貼りまで手作業という、まさに小さい子どもにもご年配にも安全安心なおかず味噌なのです。
金元醸造(http://www.kanemoto.co.jp/)
◎大豆ミート入りが他と違う
「ごろごろにんにくみそ」はにんにくで有名な青森県産のにんにくを使用。大粒にカットしたニンニクと、大豆ミートのそぼろ入りで食べごたえ満点。そのまま食べるとうっかりひと瓶すぐに空けてしまいそうなほど箸が進みます!
これをレトルトのカレーに混ぜたり、インスタントの味噌ラーメンに入れただけで、一気に贅沢な味わいに変身してしまうのです。
何にでも使えるおかず味噌たち
『金元醸造』はほかにも「おばあちゃんのねぎみそ」「からうま」「青とうがらしみそ」「生姜みそ」などを作っています。
「からうま」は野菜がたっぷり入っていて、マヨネーズと混ぜてパンに塗る(!)など意外な食べ方がオススメ。どれもクリームチーズと和えたり、豆乳に溶いてパスタに絡めたりなど洋風なアレンジが人気だそうです。
金元醸造(http://www.kanemoto.co.jp/)
◎焼いて香ばしさ&美味しさUP
おかず味噌は焼くことでそれ自身やほかの食材の味も美味しくするのが特徴です。
おにぎりに塗って焼いたり肉に擦り込んでグリルしたりすると、ぐんと美味しくなり、お箸が止まらない勢いです!
◎お茶漬けにも
どのおかず味噌もそうですが、お茶漬けにするとこれまた美味。食欲のない時でもさらさらっと食べられます。
まとめ
「味噌は塩分が……」なんて心配している人も多いのではないでしょうか。
しかし、ある味噌メーカーの方は、「味噌の塩分と外食の塩分、比べ物にならないですよ」とのこと。確かにそうですね。塩分たっぷりのラーメンか3食の少量の味噌か。体に良いのはどちらか明快ですね。
味噌を上手に毎日の食に取り入れ、素材の味を楽しめる健康的な生活を目指したいものです。
写真提供 金元醸造
タウン誌、レシピ本編集記者。全国の珍しい調味料や麺類研究中。
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