子育てママにやさしい配慮がいっぱいのナチュラルであたたかい家

【Hさん宅 （和歌山県）】

奥さまのKさんと、長男Kくん（5才）＆次男Rくん（9カ月）。ご主人は配管設備関係の会社にお勤めです。学校や駅にも近い利便性のよさで選んだ新興住宅地に新築しました。

Kくんの小学校入学までに家を建てたいと、準備を始めたHさん。あるとき、車で移動中に「きのへそ工房」の看板が目に留まりました。「手書き風のかわいいロゴに親しみを感じて、モデルハウスに行ってみたんです。壁も床も自然素材で仕上げてあり、ほっこりしたぬくもり感がありました」

ここなら自分好みの家が建てられると好印象をもち、さっそく土地探しをスタート。ところが1年たっても希望の土地に出会えず、疲れ果ててリサーチを一時中断することに。「そのブランクが、きのへそ工房さん主催の家づくり勉強会に参加するいい機会になりました。その矢先に希望のエリアに土地も見つかって」とKさん。

インテリア好きのKさんのいちばんの希望は、雑貨が映えるナチュラルスタイルの家。「当初、コストを考えずに素材選びに夢中になっていたら、予算をオーバーしてしまって。壁は左官仕上げにこだわったのですが、2階は塗り壁よりコストの安いコットンクロスにして、フローリングも1階よりランクを少し下げて予算の問題をクリアしました」。おかげで上下階の印象が変わり、かえっていい雰囲気になったそう。配管設備関係のお仕事をするご主人からのリクエストで、水回りには配管の点検口も設けました。

子育て中でも家事がラクにこなせる、生活動線に配慮した新居が完成し、暮らしやすさを実感しているHさん一家です。

Hさん宅の工夫

予算内におさめる工夫
家族で過ごすLDKはこだわりの自然素材を採用し、個室のある2階はランクを少し落としてコストを節約。おもな家具は、リーズナブルな工務店のオリジナル品に。

好みのインテリアにする工夫
好きな雑貨が映える家を建てたいと、ディスプレイ棚やニッチを意識してとり入れています。また、ナチュラル雑貨と相性のいい自然素材にもこだわりました。

暮らしやすさのための工夫
小さな子どもが2人いるので、家事にかかる時間はなるべく節約したいと、水回りを近くにまとめた家事動線の短い間取りに。収納スペースも多めに設置。

1F　LDK

梁をあらわしにしながらシンプルに仕上げたLDK。壁は珪藻土塗りで、床は「オスモ」の蜜蝋ワックスで仕上げた国産のアカマツ材。自然素材に包まれた室内は、梅雨時も気持ちいいそう。

1F　リビング

アイアンフレームに焦げ茶の張り地が気に入って選んだソファは、「関家具」の「クラッシュクラッシュプロジェクト」のもの。残念ながら現在は廃番になってしまったそう。

1F　DK

【Point】テーブル＆ベンチはリーズナブルなオリジナル家具

モデルハウスで見てオーダーを決めた「きのへそ工房」のオリジナル家具。似たタイプの家具を購入するよりコストの節約に。

【Point】キッチン背面にLDからも楽しめるオープン棚を

白い壁面を背景にしたオープン棚にナチュラル雑貨が映えます。ほとんどは田辺市の雑貨ショップ「SPOON」で購入した品。

【写真左】対面式キッチンはLDにいる家族との会話もスムーズ。ダイニング側にはスギ板を張ってナチュラルテイストに仕上げました。Kくんの後方に見えるのは、デザインが気に入って選んだ「カロタチェア」。
【写真右】家づくりを考え始めたときからイメージしていた、キッチン雑貨を飾れるオープン棚。

1F　和室

リビング横に設けた和室は4.5畳ですが、子どものお昼寝スペースや客間として便利に活用しているそう。玄関側にも出入り口があり、2方向を開放すると風が通るので、夏も気持ちよく過ごせます。

1F　キッチン

キッチンからもデッキに出られるようにしたので、外で食事をするときの準備がスムーズ。掃除のラクなIHクッキングヒーターや食洗機も子育て中のママの強い味方。

【Point】LDから見えにくい位置に棚を設けたパントリー

季節用品の収納や食品ストック用にほしかったパントリー。扉がないので、手がふさがっていても出入りがラクです。

2F　子ども部屋

【Point】壁や床の素材は1階とランクを変えてコスト調整

予算がオーバーしたので、2階のフローリングは国産のカラマツ材、壁はコットンクロスに。一年じゅう気持ちよく過ごせます。

「秘密基地」と呼んでいるロフトはKくんのお気に入りで、幼稚園の友達にも自慢しているほど。将来は2部屋に仕切る予定なので、扉を2カ所に設けました

2F　寝室

【写真左】天井高を生かして、寝室のウォークインクローゼットの上部にもロフトを設けました。壁のクロスは、わずかにピンクが入ったやさしい白。
【写真右】約3畳のウォークインクローゼットは、タンスや掃除機なども収納できる広さ。扉を左右に引き込んでフルオープンにできるので、モノの出し入れがラクです。

1F　洗面室

【Point】洗って干すまでが短時間でできる洗濯動線

【写真右】奥に見えるのが洗濯機のある洗面室で、洗濯物を干すときはキッチンを通って掃き出し窓からデッキへ。LD側にも掃き出し窓があり、ぐるりと回れる回遊動線が便利。

【写真左】洗剤などを置いておけるオープン棚や古材フレームのミラーなどで、ナチュラルテイストの洗面室に。壁面はトイレと同じ仕上げで、床はピンクの磁器質タイル敷き。

1F　トイレ

壁面の上部は珪藻土塗り、下部は白いモザイクタイル張りにして内装に変化を。スクエア形のボウルは「サンワカンパニー」、マリンライトは「マックスレイ」。

デッキ

【写真左】出入り口を設けたデッキは、スーパーでの買い物のあと、車からデッキを通って直接キッチンに食料品を運べるので便利。フェンスは外から室内が見えにくい高さに。
【写真右】フェンスの内側には、「なずな」で見つけた木箱を台に「Lapre」で購入したメールボックスを置いて。どちらもKさんお気に入りの雑貨ショップです。

1F　玄関

モルタル金ゴテ仕上げのたたきと、ヒノキでつくった靴箱が素朴な印象の玄関。右手奥の見えにくい場所に、ご主人が希望した作業着専用のクローゼットがあります。

玄関ポーチ

【写真左】玄関ドア横の「オーデリック」のブラケット。「おうちみたいなデザインがかわいくて」とKさん。
【写真右】道路を歩く人から家の中が見えないようにポーチにフェンスを立てました。木製のように見える玄関ドアは、メンテナンスのラクなアルミ製。「トステム」の製品です。

外観

敷地の北西寄りに建物を配置。南に大きな開口をとり、フェンスで囲ったデッキも設けました。外壁は、耐候性にすぐれたガルバリウム鋼板を選びました。

わが家のお気に入り

玄関に設けた作業服専用のクローゼット

配管設備の仕事をしているご主人のリクエストで設置。仕事で作業服が汚れても、帰宅後ここで脱いでハンガーにかけておけばOK。

将来の構想が広がるフリールーム

階段ホールと一体になったスペース。子どもが小さいうちは勉強コーナー、独立したら夫婦の趣味室にと考えているそう。

部屋ごとにこだわって選んだ照明器具

インテリア雑誌で見るたびにかわいいなと思っていたマリンランプやホウロウのランプシェード。Kさんの好きなブルーを中心に選びました。A（寝室）とB（フリールーム）は「マックスレイ」、C（子ども部屋）は「パシフィック ファニチャー サービス」のオンラインショップで購入。Dはデッキにとりつけた「笠松電機製作所」のマリンランプ。

DATA. Hさん宅（和歌山県）

設計のPOINT

Hさんの希望は「ナチュラルをベースに開放的で生活のしやすい家」。LDKをワンルームにして、そこからつながるデッキを設けることで、広々とした気持ちのいい家が実現できました。また、当初、自然エネルギーを利用するOMソーラーの導入を検討したのですが、予算の都合で断念されました。しかし、外壁やサッシで断熱性能を高め、窓の位置に配慮して風の通るプランにしたことで、満足していただける住まいになったと思います。

きのへそ工房 ㈱西峰工務店設計部

1964年創業。住宅から店舗、公共施設まで幅広く手がけ、地域に密着した工務店をめざしている。構造や仕上げに用いる国産材をはじめ、壁材や塗料など、自然素材にこだわった家づくりを提案。

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