【笠松さん宅(和歌山県)本体工事費 約2300万円 建築面積 約19坪】
一人娘の陽菜子ちゃんの小学校入学に合わせて、家づくりを計画した笠松さん一家。ナチュラルテイストが人気の地元の工務店「きのへそ工房」に依頼しました。「見学会でおじゃましたどのお宅も、木の素材感を生かした居心地のいい家。特にキッチンがかわいくて、料理好きのツボをくすぐられました」とゆり子さん。
プランニングと同時進行で高台の分譲地に土地を求め、昨年、あこがれのマイホームが完成。約56坪という恵まれた敷地面積ながら、建築面積は意外にも敷地の半分以下。2000万円前半までと建物の予算を決めていた事情からですが、「もともと大きな家を望んでいたわけではなかったので、家族3人が自然体で暮らせる、ほどほどの広さの家を提案してもらい、満足しています」。 建物を小さくしたほかに、壁を珪藻土塗りから珪藻土クロスに、水回りの床をテラコッタタイルからテラコッタタイル風のクッションフロアに変更し、照明器具はネットで探して施主支給にするなど、笠松さんも参加しながらコストを調整。「予算を削るために無理してあきらめたという気持ちは全然なくて、変更後の素材は手入れがラクというメリットがあるというアドバイスももらい、結果は二重丸。自分たちで探した照明器具もインテリアにマッチして、日ごとに愛着が増しています」
予算内で実現! 笠松さん宅の “心地よさ”のポイント
- LDKをオープンにつなげて広々と
- 家族で楽しめるフリースペースを確保
- テイストの異なる和室を、LDKから 見えない場所にプラン
1F DK
【コストダウンIDEA】照明器具は ネットで探して 施主支給。壁の仕上げを 珪藻土塗りから 珪藻土クロスに変更。
キッチンのプランは、お料理好きのゆり子さんが中心となって進めました。動線がスムーズなアイランドスタイルにこだわって。テーブル&ベンチは「きのへそ工房」のオリジナル、椅子は「アデペシュ」で購入。ベンチ上のニットクッションはゆり子さん作。
お気に入りの家具に 囲まれたリラックス空間は 家族みんなの宝物
1F キッチン
【コストダウンIDEA】床は 雰囲気のいい クッションフロアに
【写真左】シナ合板の面材にアイアンの取っ手をつけたナチュラルテイストのキッチン。ラフな使い方をしてもへこたれない、厚手のステンレスをワークトップに採用。
【写真右】ぜひ欲しかったツールかけ。ステンレス製で、鉄工所にオーダーしたものです。
【コストダウンIDEA】上部を オープンにして 造作費用を節約
【写真右】キッチン背面に造作したカップボード。棚板だけのデザインは食器の出し入れがしやすく、家電類も使いやすいそう。
【写真左】カップボード裏側に和室をプラン。LDKから見えないうえ、2方向からアプローチできます。
1F 和室
【写真左】お昼寝やゲストの宿泊用に用意した和室。採用した「ダイケン」の和紙畳は、「きのへそ工房」のおすすめの品で、ちょっと高価ですが耐久性にすぐれているそう。
【写真右】和室の正面の、キッチンのカップボードの裏側にあたる部分は、生活雑貨の収納スペース兼、猫のトイレ置き場に。
1F リビング
【コストダウンIDEA】造作工事で ベンチ、デスク、テレビ台 を兼ねた家具を製作
【写真左】梁をあらわしにしてナチュラル感を高めたリビング。「休日は家で過ごすことが多くなりました」と仁さん。キャットタワーはネットで購入。
【写真右】「ANTRY」で購入したソファは、座面が広く、くつろげるのがお気に入り。
1F LDK
笠松さんの要望は「LDKをワンルームに」「LDKと切り離した和室を設ける」「個室のほかにフリースペースを確保する」「収納家具は造作したい」というもの。ファーストプランにすべてが組み込まれ、説明を聞きながらワクワクしたといいます。ご夫妻がとりわけ感心したのは、和室がキッチンの造作カップボードの裏側にレイアウトされていたこと。「LDKとは雰囲気の異なる和室を隠しつつ、使いやすい動線になっているんです」。また、2階の「みんなの間」も大のお気に入りスペースに。「それぞれ好きなことをしていても、おおらかな空間のおかげで一体感がもてる。家じゅうで心地よさを実感しています」 緑あふれるハーブガーデンをめざして、今後は庭にも手を入れていく予定の笠松さん一家です。
右手の引き戸は玄関ホールへ、左手のドアは土間収納へつながります。荷物の出し入れに便利なので、土間収納側のドアを使うことも多いとか。扉にはおしゃれな柄入りのガラスをセレクト。
家族が好きなことをして過ごせる フリースペースが2階の中心
2F 階段ホール
1階に吹き抜けをつくりたかったものの、配置の関係で断念。そのかわりに2階は小屋裏空間をとり込んで天井高を上げ、のびのびとした空間に。
2F 寝室 & WIC
【写真左】東側に掃き出し窓を設けて、バルコニーも設置した寝室。気持ちのいい朝日が入り、布団干しにも重宝です。
【写真右】家族の衣類をまとめて収納できる広めのクローゼット。「みんなの間」と寝室の両方からアクセスできるため、使い勝手は抜群とか。
2F 子供部屋
大人っぽいパープルの壁紙は、陽菜子ちゃんと一緒に選びました。友達が遊びに来ると、みんなロフトに上がりたがるそう。
2F みんなの間
扉をオープンにすれば、子ども部屋と一体になるフリースペース。アンティークの「アーコールチェア」は、この場所に置きたくて新築前に購入しました。
1F 玄関ホール
ラフな印象にしたいと、モルタル金ゴテ仕上げの土間空間に。おしゃれな照明がポイントになっています。左手には、土間からつながる収納スペースがあります。
1F トイレ
床は隣接している洗面室とおそろいのテラコッタタイル風クッションフロア。省スペースの引き戸を採用しています。
1F 浴室 & 洗面室
【コストダウンIDEA】リーズナブルな 「イケア」製品を 生かして造作
【写真右】既成品の洗面化粧台はデザインが好きになれず、造作工事を依頼。「イケア」の深めのボウルは、洗濯物の手洗い時に便利とか。
【写真左】白でまとめたシンプルなシステムバスを選びました。「最新の設備は、掃除がラクな素材が使われているので助かります」
外観
【コストダウンIDEA】敷地の広さに 対して 建物を小さめに。玄関ドアは 既製品を採用
ゲストが多いので、玄関前に駐車スペースを広めに確保。左手には柵で囲んだガーデンスペースもあります。
DATA. 笠松さん宅(和歌山県)
設計のPoint
最初に相談に見えたとき、ご夫妻とも20代後半。建物にかけられる予算は2000万円台前半でしたが、人一倍こだわりをおもちでした。打ち合わせを重ねているうちに、それほど広い家を望んでいるわけではないことがわかり、予算に見合った規模の建物を提案しました。見積もりを少しオーバーしたため、仕上げ材を見直してコストを調整。家族で楽しめるフリースペースや開放的なLDKは絶対条件でしたが、すべてクリアできました。
賢く家を建てるために… 「コストダウンの心得」
予算が限られているお客さまには、家の規模を小さくして提案することがあります。その場合、広く見せる工夫が必須で、開放感や抜け感を設計のポイントにしています。そのうえで素材や設備の見直しをし、コスト調整をしていくのが大切です。
【Comment by きのへそ工房 設計部】
1964年創業。新築住宅やリフォームのほか、店舗や公共施設まで幅広くこなす地域密着型の工務店。国産材や羊毛断熱材など、住む人にやさしい建材を使うことをポリシーにしている。
Profile.
介護施設職員の仁さん、ニットデザイナーのゆり子さん、この春から小学2年生になる陽菜子ちゃんの3人家族+猫2匹。ゆり子さんは、友人と手作り小物のショップ「ROCCA」を運営しています。
家族構成 |
夫婦+子ども1人 |
敷地面積 |
184.38㎡(55.77坪) |
建築面積 |
63.76㎡(19.29坪) |
延べ床面積 |
107.65㎡(32.56坪)1F 61.28㎡ + 2F 46.37㎡ |
構造・工法 |
木造2階建て(軸組み工法) |
工期 |
2013年1月〜6月 |
本体工事費 |
約2300万円(外構工事、造作工事を含む) |
3.3㎡単価 |
約71万円 |
設計・施工 |
きのへそ工房・㈱西峰工務店 TEL:0120-423-022 |
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