「傾斜・高低差を楽しむ」アイディア
地形を生かすプランで予算を抑えつつ個性の光る住まいに
傾斜や高低差がある敷地は土地代が安く、高低差をうまく処理できればおトクなことも。ただし、擁壁工事や地盤改良工事が必要になるケースが多いので、注意が必要です。近隣の地盤データを参考にしたり、高低差の処理方法などを、専門家と相談しながら進めましょう。
高低差のある敷地は扱いが難しい半面、眺望が素晴らしかったり、自然豊かな環境を手に入れることができたりと、独自の魅力も備えています。そのため、擁壁や土留め工事でかっちり造るのではなく、できるだけ自然の地形を生かしたプランを考えると、コストを抑えながら自然環境にとけ込んだ家になります。
土地の高低差を利用して床のレベルを半階ごとにずらし、各階の空間をゆるやかにつなげています。視線が上下に抜けるため、広がりのあるのびやかな空間に。(設計/佐々木正明建築都市研究所)
“傾斜・高低差を楽しむアイディア”とは?
【コツ1】傾斜を生かし、オープンで 見晴らしのよい住まいに
崖地などの傾斜地は眺望がよく、隣家の視線が気にならないため、オープンで見晴らしのよい住まいをつくれます。道路から1段下がった敷地に家を建てるときは、排水ルートの確認を。排水ルートが道路レベルにしかとれない場合は、水回りは2階に設けます。
【コツ2】スキップフロアで、動線に 無駄のない開放感のある家に
床のレベルを半階ずつずらして配置するプランを「スキップフロア」といいます。土地の高低差を利用し、半階ずつゆるやかにつなぐ構造にすることで、視線が斜め上下にのびます。階段まわりに部屋を配置するので動線に無駄がなく、廊下を少なくして居室を広くとることもできます。(設計/プランボックス)
【コツ3】ビルトイン車庫で住居部分を1階分アップ
道路から1段上がった敷地では、道路のレベルにビルトイン車庫をつくり、上を住居スペースにするプランもおすすめ。住居部分が道路から1段上がっているので、道路からは住居部分が2階・3階のように見え、プライバシーを守りやすく、採光がよくなるメリットも。
【コツ4】なだらかな地形を生かしたアプローチを楽しむ
高低差のある土地を平らにならさず、なだらかな斜面を緑でおおい、ゆるやかな外階段を設けて、趣のあるアプローチに。土地の個性に逆らわず、できるだけその地形を生かすプランにすることで、家に個性をもたせながら予算を抑えることができます。
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監修
トトモニ
2009年、設計士と現場監督がチームを組み、家づくりの会社を設立。モットーである「自然と、家族と、つくり手と、ともに造る」から「トトモニ」という会社名に。自然素材を生かした、共感から始まる家づくりをめざしています。
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