不意に襲ってくる腹痛や頭痛、よく寝たつもりでも疲れが残ってすっきりしない…など、私たち現代人に多い慢性的な不調や原因不明の病気。その原因、実は「腸もれ」にあるかもしれません!
今回、初めて聞いたという人も多い「腸もれ」。なにやら怖い響きですが、いったいどんな症状なのでしょうか?健康づくりの要である「腸」の働きから、すぐに実践できるセルフケアまで詳しくご紹介します!
あなたの「腸もれ」危険度は?
まだあまり知られていない「腸もれ」について、まずはセルフチェックからスタートです!
日ごろの症状や生活に兆候があります。【A群】~【C群】までで当てはまる項目をチェックしてみましょう。
【A群】
□便秘や下痢などがある
□腹痛または腹部膨満感がある
□食物アレルギーがある
【B群】
□花粉症などアレルギーがある
□慢性的な疲労がある
□ストレスが多い
□うつ症状がある
【C群】
□小麦食品をよく食べる
□発酵食品はあまり食べない
□食物繊維食品はあまり食べない
□抗生物質や痛み止めをよく飲む
<チェック方法>
・A群に1つ以上、またはBとC群から1つ以上ずつチェックがついた…腸もれ危険度「高」
・BとC群に3つ以上チェックがついた…腸もれの危険度「中」
・それ以外…危険度「低」
結果はいかがでしたか?
危険度が高いと心配ですよね…。いよいよ、「腸もれ」とは何なのか見ていきましょう!
現代の万病のもと?!「腸もれ」とは?
いま医学界で注目を浴びているのが、今回のテーマ「腸もれ」。
欧米では日本よりも先に研究が進んでおり、「リーキーガット症候群」と呼ばれています。「リーキー(Leaky)」は「もれ」、「ガット(Gut)」は「腸」で、訳すると「腸もれ」ということですね。
実は、日本人の7割が「腸もれ」の可能性があり、さらに、コロナ禍で2~3割も増加したと見られています。
「腸もれ」と聞くと、「腸から中から何かがもれ出している」と思いがちですが、危険なのはその逆!
腸の壁には「腸管バリア」という腸を守る機能があります。しかし、このバリア機能が低下すると腸に穴が開いてしまい、そこから細菌やウイルスなどの病原菌が「腸の中にもれ入って」しまいます。
腸の穴から入ってきた病原菌が血管に入り、血流に乗って全身に広がることで、多くの病気や不調を引き起こすと言われているんです。
「腸」は“最強の免疫器官”
腸活に代表されるように、腸ブームが続いています。「腸」は私たちの体を守る免疫機能が7割以上も集まっている、まさに“最強の免疫器官”。近年はさらに研究が進み、私たちの健康づくりに「腸」が要となることが広く知られるようになりました。
「腸」の構造や働きについて見ていきましょう。
食べ物は、口から入って、食道→胃→小腸→大腸→肛門につながる1本の管を通って消化・吸収・排泄されます。消化器官=「ちくわ」とイメージするとわかりやすいですよ。
腸管そのものは体の中にありますが、腸管の内側は外界と直接つながっているので、腸は「内なる外」とも言われています。
腸管の中には消化できなかった食べ物だけでなく、さまざまな異物もあふれています。外界と直接つながっている腸管には細菌やウイルスなどの外敵がそのまま侵入しやすいため、消化器官の中では特に「腸」にはさまざまなバリア機能が配置され、私たちの体を守ってくれているんですね!
「腸もれ」と「腸管バリア」の関係
「腸管バリア」とは腸の壁にある、腸を守る機能です。
私たちの体は腸管の壁から必要な栄養素や水分を吸収しています。しかし、腸にはウイルスや細菌、未消化の食べ物なども通っています。必要な栄養素や水分だけは通し、それ以外は体の中に入れないように、防御の役割を果たすのが「腸管バリア」です。
「腸もれ」は、この「腸管バリア」が劣化することで起こります。
腸管バリアが劣化すると、腸の細胞と細胞を結合する部分である「タイトジャンクション」がゆるんで、すき間が広がり、通常は体内に入れない病原菌がもれ入ってくるのです。
腸管バリアの劣化の原因は?
腸管バリアの劣化はなぜ起こるのでしょうか。それは、私たち現代人の生活様式と大きく関係しています。
カフェインや食品添加物の過剰な摂取、過食や不規則な生活、ストレスなどなど…さまざまな原因が考えられますが、中でも特に「腸管バリア」にとって重要な「タイトジャンクション」を劣化させるもののひとつが、小麦に含まれるたんぱく質「グルテン」です。近年の品種改良により、従来の品種にくらべてグルテンが大幅に増えているとされます。
また、腸内細菌の乱れも影響しています。肉食中心で食物繊維が少ない欧米化した食事が悪玉菌を増やしてしまいます。
ヨーグルトの乳酸菌で「腸管バリア」を強化!
腸管バリアを強化するためには、食物繊維や発酵食品、ネバネバ食材を多く取ること。食習慣では食事を規則的に取り、よく噛んで食べることで消化が楽になり、腸への負担を軽減することができます。
また、腸活に良い食材として思い浮かぶのが「ヨーグルト」。ヨーグルトに含まれる乳酸菌などの善玉菌が、体に有害な悪玉菌の増殖を抑えて腸内環境を整えてくれるので、積極的に食べている人も多いですよね。
ヨーグルトの乳酸菌にはいろいろな種類がありますが、特に「腸もれ」を防ぐ対策として注目を集めているのが「LB81乳酸菌」です。
「LB81乳酸菌」により、腸の細胞と細胞の結合部分である「タイトジャンクション」の破壊を抑えることが研究で明らかになりました。
食物繊維や発酵食品といった腸活に良い食品を取ることや食習慣の改善による腸管バリア強化対策は、腸内細菌の善玉菌を増やし、活性化させるのに効果的でした。
一方、「LB81乳酸菌」は、腸もれ改善のカギとなる「タイトジャンクション」に直接作用する働きがあるとされています。タイトジャンクションの結合を強めて、ゆるみを引き締めるように働くと考えられています。
また、ほかのヨーグルトの菌株にくらべても、「LB81乳酸菌」の作用が強いこともわかっています。
「LB81乳酸菌」が入ったヨーグルトを毎日の食生活に取り入れることで「腸もれ」の改善が期待できるかも!これならすぐに始められそうですよね♪
食べてセルフケア!腸管バリアを強化するW食材レシピ
「LB81乳酸菌」が入ったヨーグルトを使って、腸管バリアを強くするおすすめレシピをご紹介。ヨーグルトは温めると乳酸菌の働きが活発になり、さらに腸活に良い「お助け食材」として発酵食品や食物繊維などと組み合わせると効果倍増です!
ヨーグルト×食物繊維「長いものとろとろヨーグルトポタージュ」
ネバネバ食材としておなじみの長いもは、腸内細菌のエサとなる水溶性食物繊維が豊富!とろみがあるので食欲がないときにもスルスルと食べられます♪
【材料(2人分)】
長いも...100g
プレーンヨーグルト...150g
牛乳...150ml
鶏がらスープの素...小さじ1
パセリ(あれば)...少々
塩、こしょう...適量
【作り方】
1.長いもは皮をむき、すりおろす。
2.鍋に1、牛乳、鶏がらスープの素を入れ、中火で加熱する。煮立ったらヨーグルトを加えて弱火にし、温まったら火を止め、塩、こしょうで調味する。器に盛り、パセリを散らす。
ヨーグルトの乳酸菌は頼れる味方!「腸もれ」ストップで健康改善♪
毎日コツコツ、ヨーグルトを食べて「腸もれ」対策していきましょうね。
提供/明治
イラスト/サトウヨーコ、文/暮らしニスタ編集部
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