大人のあいだでメタボ退治の話題がつきない昨今。子どもにもじわじわと肥満の傾向が押し寄せています。2014年1月に文部科学省が発表した2014年度学校保健統計調査・速報値では、「標準より2割以上重い」幼稚園~高校生までの子どもの出現率が3年連続で10%を下回ったと話題になりました。が、この数字は30年前と比べると2~3倍にも増えており、肥満傾向の子どもは微増、微弱を繰り返しながらも着実に増加傾向にあると言えるのです。
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子どもがメタボになる理由にあげられるのは
・油分、塩分過多な高カロリーメニューが食卓に多くのぼっている
・事故や犯罪などの影響、また塾やお稽古事に忙しく外で体を動かして遊ぶことが少なくなった
・家の中で安全に楽しめるゲームが発達した
など。
もし、子どもの肥満が進行していくとどうなるでしょう。高血圧、高脂血症、2型の糖尿病、脂肪肝など、中年以降のメタボと同様の症状が現れたり、体重が負担をかけ関節痛を発症することもあります。
思春期を迎えるころには、自分の体型をひけ目に感じて悩んでしまうことも…。
【子どもの肥満リスク】チェックテスト
将来のそんな事態を避けるため、今、親がやるべきことはズバリ「生活習慣の改善」です。子どもを含めたあなたの家族が太りやすい生活をしていないか、まずは以下の項目に当てはまるものをチェックしてみましょう。
【子どもの生活習慣】
1.朝は起きられない
2.朝食はあまり食べない
3.通園はバスや車で歩かない
4.ゲームやTVが大好き
5.身の回りのことはママまかせ
6.お手伝いはあまりしない
7.おやつやジュースはいつも手の届くところにある
8.好きキライが多い
9.早食いだ
10.寝る前に食べたり飲んだりすることがある
【パパ、ママの生活習慣】
1.朝食はお手軽メニュー、もしくは作らない
2.幼稚園の送り迎えなどの移動は車が多い
3.おやつやジュースは買い置きしてある
4.駄々をこねられると食べ物で黙らせる
5.食事の時間は不規則だ
6.メニューは糖質、脂質が多い
7.仕事や趣味で忙しくお惣菜がよく登場する
8.お味噌汁を作らない
9.生活は夜型で深夜の晩酌に子どもをつきあわせる
10.休日はアウトドアよりインドア派
あなたは、YESの数がそれぞれいくつありましたか?以下のアドバイスをぜひ参考にして、お子さんのデブ化を阻止しましょう!
結果はこちら!
【YESが7個以上】今すぐ生活の改善を!
ここまで○がついてしまったら、まずは基本的な生活習慣、とくに夜型生活はすぐにあらためる必要があります。夕食が遅いとおやつもたっぷり食べてしまうし、室内でだらだらする時間も長くなります。
「パパの帰宅が遅い」のが夜型の原因という家庭は、晩酌につきあって2回目の夕食を食べてしまったり、子どもの喜ぶ顔見たさに買ってくるアイスなどのお土産を与えてしまっていたりすることもあるでしょう。
まだ成熟していない子どもこそ、早寝早起きを基本とした規則正しい生活、きちんとした食生活が健康的な生活のためには必要です。親子のふれあいは朝にしてもらい、まずは生活を整えるところからはじめましょう。
【YESが4個~6個】すでに肥満の兆候があるかも?
食卓には子ども好みのメニューばかり並んでいませんか?ハンバーグに焼き鳥に餃子にetc、というメインディッシュ過多の「居酒屋」スタイルはやめて、ごはんと具だくさんのお味噌汁にメインのおかず、副菜として野菜などを使った1~2品の「一汁三菜」のスタイルをとれば自然にバランスのいい食事がとれます。
ジュースやお菓子などがいつも買い置いてある、という状態もよくありません。「あるのに食べるな、飲むな」という子どもにとって酷な話になるので、無駄な買い置きはしない、食べる量や時間は親が決める、を習慣化させましょう。
【YESが1~3個】いまのところ大丈夫。気を抜くと太りやすくなるかも
ふだんの生活の中で、もう少し体を動かす習慣づけをしてみましょう。それにはお手伝いの習慣が最適です。
幼稚園くらいであれば「洋服の着脱」「かばんを片付ける」「家族の茶碗を流しに運ぶ」など自分の身の回りのことを。小学生なら「ふとん出し入れ」「部屋やお風呂の掃除」などができるしょう。
減量には直接つながりませんが、どてっと座り込んで「水!」「TV!」とお母さんを呼びつけてさせるような子にせず、ふだんから動き回れるクセをつけさせるのは肥満防止に有効です。
その子の成長にあわせて少しずつやらせて、できたら必ずほめれば子どもは次のステップに自然にすすむことができます
【YESが0個】生活習慣に問題なし!このまま健康的な生活を送りましょう。
出典:雑誌『Como』(主婦の友社)