小学校、中学校、高校、大学と、子どもの年齢が上がっていくほどに増えていく教育費。子どものためとはわかっていても、家庭の懐事情を考えるとなかなか悩ましいですよね。
学校の他にも「習い事」や「塾」など、各家庭で教育費がどう使われているのか、暮らしニスタユーザーに聞いてみました。
教育費を準備している家庭は約6割。目標額は300〜500万円と高め設定
Q1.子どもの教育費について。お子さんの教育費、準備してますか?
はい 56.1%
いいえ 25.8%
5割以上の人が「はい」と回答。「いいえ」という人も2割以上いますが、子どもが成人していたり、「いない」という回答もあったので、子どものいる家庭の多くが教育費の準備をしていることが見てとれました。
コロナ禍、値上がりなどが家計を直撃していますが、子どもの将来のためならお金を使いたいと思っている家庭が多いようです。
Q2.子どもひとりあたりの教育資金の目標貯蓄額は?
301〜500万 25.8%
101〜300万 16.7%
50万円未満 15.2%
501〜700万 12.1%
701〜1000万 12.1%
教育資金の目標貯蓄額として一番多かったのが「301〜500万」でした。「101〜300万」の人と合わせると、4割以上が100万円以上の貯蓄を目指していることに。
「501〜700万円」と「701〜1000万」は同率で、合計すると25%近くの人が500万円以上を目標にしていることがわかります。子どもの教育にはできる限りお金を掛けてあげたいと思っている家庭がほとんどのようです。
教育方針とカリキュラムが魅力の私立。大学を私立にするため高校は学費の安い県立へ
Q3.お子さんは公立、私立のどちらに通っていますか?
公立、市立、国立 45.5%
どちらも通っている 22.7%
私立 12.1%
5割近くが「公立、市立、国立」に通っていると回答。「子どもがいない」「卒業した」という回答もあり、「私立」と答えた人が12%であることを考えると、ほとんどの家庭のお子さんが「公立、市立、国立」に通っていることがわかる結果になりました。
Q4.子どもの学校は私立と公立、どちらが希望ですか?
公立派 63.6%
私立派 13.6%
6割以上の人が「公立」を希望していることが見てとれる結果に。公立か私立か親の独断ではなく、「子どもの希望による」、「子どもに合ったところ」と、お子さんの適正や気持ちを考慮して決めたいと思っている人もいるようです。
Q5.私立を選んだかた、その理由を教えてください。
私立を選ぶ理由は「教育方針」、「カリキュラム」など、その学校ならではの特性に注目している人が多いみたい。また「一貫教育」やレベルの高さに魅力を感じるという人も。
「経済的に厳しくても、特待生制度など私立特有の制度を利用する手段もある」という意見もありました。
<私立を選んだ理由>
「個性的で教育設備が充実しているから」
「魅力的なカリキュラムがある」
「子どもの志望先が私立だったから。特待生入学を認められ、学費の負担が減り、結果的には助かっています」
Q6.公立を選んだかた、その理由を教えてください。
公立を選ぶ一番の理由は、なんといっても「学費が安いから」。「大学は私立も選べるように、高校までは公立で学費を抑えたい」と考えている人が多いことも見てとれました。
またさまざまな家庭環境の子どもが通うため「多様性が育てられる」という理由で公立を選んでいる家庭もあるようです。
<公立を選んだ理由>
「やはり安いので高校までは公立がいいです」
「経済的に負担が少なく、多様性を学ぶのに不可欠だと思うから」
「高校までは県内の学校を希望しているので。行かせたい私立の学校もない」
習い事に教育費を支払う人が50%以上。学習系は通信教育も人気あり
Q7.子どもの教育費で支払っているものは?
習い事 51.5%
塾 34.8%
通信教育 30.3%
なし 7.6%
家庭教師 4.5%
支払っている教育費としては、「塾」34%に対して「習い事」51%と、「習い事」のほうが多い結果に。
ただし「学習」にお金を使う家庭が少数派というわけではなく、「塾」、「通信教育」、「家庭教師」を合わせると「学習」に支払っている家庭が約7割以上いることになります。
高校までの教育費は月3万円以内が多数派。大学生になると月8万以上かける家庭も!
Q8.子どもの教育費は一人月にいくらまでかけますか?小学生の場合
10,000円以内 30.9%
10,001〜30,000円以内 27.3%
5,000円以内 23.6%
小学生の場合は「10,000円以内」が一番多く、3割以上となりました。「5000円以内」と合わせると5割以上の家庭が月にかける教育費を「10,000円以内」としていることが判明。
ただし、「10,000〜30,000円以内」と「30,001〜50,000以内」を合わせると約4割と、「小学生からお金を掛ける派」と、「小学生の教育費は最小限派」に分かれていることが見てとれました。
Q9.子どもの教育費は一人月にいくらまでかけますか?中学生の場合
10,001〜30,000円以内 36.5%
10,000円以内 26.9%
30,0001〜50,000円以内 21.2%
高校受験も意識し始める中学生になると、「10,001〜30,000円以内」が一番多いという結果になりました。
「30,001〜50,000以内」と合わせると、6割近い家庭が「10,001〜50,000」円以内を教育費に使っていることがわかります。ただし2番目に多いのが「10,000円以内」で、「できる限り教育費を支払う派」と「できれば教育費は抑えたい派」に二分されているみたいです。
Q10.子どもの教育費は一人月にいくらまでかけますか?高校生の場合
10,001〜30,000円以内 28.3%
30,001〜50,000円以内 22.6%
10,000円以内 20.8%
5000円以内 13.2%
高校生も一番多いのは「10,001〜30,000円以内」で約3割。続く「30,0001〜50,000円以内」と合わせると、月に「10,001〜50,000円以内」の教育費をかける家庭は約5割以上と中学生の約6割よりも減少することがわかりました。
子どもの進路がほぼ「高校」となる中学生に対し、高校生は「大学」、「専門学校」、「就職」など選択肢が広がるため、月にかける教育費が減少する結果になったのかも?
Q11.子どもの教育費は一人月にいくらまでかけますか?大学生の場合
30,001〜50,000円以内 26.5%
10,001〜30,000円以内 18.4%
50,001〜80,000円以内 12.2%
大学生になると「30,001〜50,000円以内」が一番多くなることがわかりました。「50,001〜80,000円以内」も初めて1割を超え、「30,001〜50,000円以内」と合わせると4割近くの家庭が「30,001〜80,000円」を教育費に遣っていることが判明。
この結果から教育費をかけるのは大学入学がゴールなわけではなく、子どもの将来を見据えての投資といえるのかも。
塾よりも習い事重視の傾向。勉強法を自分で身につければ塾は必要ない?
Q12.習いごと(スポーツや芸術など)より、学習塾に、教育費をかけたいと思いますか?
はい 38.7%
いいえ 45.2%
本人次第 8.1%
Q7の結果を反映するように、「学習塾」よりスポーツや芸術などの「習い事」に教育費をかけたいと思っている家庭のほうが多いことがわかりました。
「本人次第」という回答も3番目に多く、最近はスポーツや芸術の分野で世界で活躍する人材も増え、子どもには勉強三昧の生活ではなく、将来に活かせるような特技を身につけて欲しいと考える家庭が増えているのかも?
Q13.上記の答えの理由を教えてください
「基本的なことを学校で学んで、勉強方を自分で身につけて欲しい」と考えている家庭が目立ちました。その上で足りない部分があれば、学習塾に通うという選択肢が出てくるようです。
習い事にお金をかけたいのは、自宅で教えることができないから。また健康のためにスポーツを、感性を磨くために芸術を習わせたいと思っている家庭が多いようです。
<学習塾にお金をかけたい>
「学校の勉強だけでは足りない部分を補うため」
「それなりの効果を見越せるなら、学習塾に費用をかけてもいいかもしれない」
「勉強ができないと将来困るから」
<習い事にお金をかけたい>
「勉強法が身についていれば、塾は必要ないと考えているから」
「学校での授業をしっかり聞いて理解できたら、外部にお金をかける必要はない」
「塾は極力通わせたくない。自力で勉強法を学んで欲しい」
「スポーツが伸びる時期は限られている」
「勉強は自分でもできるが、芸術やスポーツは教えてもらった方がいいと思うから」
<本人のやる気を尊重したい>
「医者になりたいと言われたら、学習塾に行かせても難しいかもしれないけど行かせます。サッカーをしたい!と言われたらサッカーをさせます」
「習い事、学習塾問わず、本人がやる気がある事になら教育費をかけたい」
とにかく高いのが悩みの教育費。国からの援助があると助かるのに…
Q14.子どもの教育費に関しての感想やメッセージなどあればご自由にご記入ください。
教育費の使い方に関しては、「子どものため」を一番に考えていることが伝わってきました。「学習塾」も「習い事」も子どもの意志を尊重してやらせている家庭が増えていることも判明。
できる限りのことをしてあげたいのが親心だけど、高くつくのが悩みの教育費。国からの援助を求めている声も目立ちました。
<教育費は子どもの気持ち次第>
「子どもの教育費は、子どもの興味あるもの以外は特にかけなくていいと思っています」
「教育費をいくらかけたとしても本人のやる気次第。正解はないと思います」
「子どもの進むべき道によって、金額も内容も変わると思う」
<将来のために計画的に教育費を貯めたい>
「子どもによってやりたいことが違うので、親はやりたいことをやらせてあげられるよう、どれだけ準備ができるかということになるのかもしれない」
「しっかり試算運用して教育費を貯めたい」
「貯められるうちに計画的に貯めるしかない」
<子どもと一緒に使い方を考えたい>
「余計なお金はかからない方が良いですが、習い事も含め、取捨選択が必要。子どもと共に取捨選択をできる能力を養っていければそれはそれで有意義だと思います」
「本人のやりたいことを応援したい親心は持ちつつ、だいたいの教育費は「いくらまで」という基準を親が決めておき、子どもと相談していくのは大事かなと思います。
<教育費が高いので国から援助を!>
「教育費が高い。もう少し国からの援助で安くできないかと感じる」
「うちは男の子5人。子どもたちの希望する習い事に通わせてあげたいけど、経済的に厳しい。子だくさん世帯には国から援助を受けられる制度を作って欲しい」
以上、今回は「教育」についてのアンケートを取りました。
子どものために、コロナ禍やさまざまな値上げなどで家計は苦しいものの、頑張って教育費を捻出している様子が見て取れます。良い高校や大学に行くための「勉強」を押しつけるのではなく、「やりたいことをやらせたい」という子どもの意志を尊重した教育方針の家庭も増えているようです。
文/佐久間優子
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