コラム
症状によって、「下痢型」「便秘型」「交替型」などに分類できます。それぞれの特徴を見ていきましょう。
・下痢型は、突然の便意が特徴で、トイレに駆け込まないといけなくなることが多く、そのせいで外出が困難になる人もいるといわれています。大事な会議、商談、試験などがあると、お腹が痛くなるという人も多いとされ、特徴は排便をすることで症状が治まることです。
・便秘型は、腹痛や便意があるのに便が出にくいことが多く、コロコロとした便がでます。
・交替型は、便秘と下痢を交互に繰り返すのが特徴です。
この他にも、お腹にガスがたまるというタイプもあります。
脳がストレスを感知すると、自律神経を介して、ストレスが腸の神経に伝わり、腹痛や下痢などの腹部症状を引き起こすといいます。また、逆に腹部症状が自律神経を介して脳に伝わることもあり、それを脳腸相関と呼び、悪循環にはまる原因でもあります。
最近では、腸の粘膜から分泌されるセロトニンという神経伝達物質が関係していることがわかっています。脳が感じたストレスが腸にまで届くと、腸粘膜からセロトニンが分泌されます。そして腸にあるセロトニン受容体と結びつくことで、腸の運動に異常をきたすとされています。
生活習慣を改めて、症状の改善が見られない場合には、このセロトニンの働きを阻害する薬を内服すると効果のある場合があります。
生活習慣を改めることは過敏性腸症候群の予防または症状の改善には大切です。「ストレスの解消」「食事」「運動」がポイントとなります。
●ストレスの解消
前述のとおり、過敏性腸症候群とストレスの関係は大きいとされているため、上手にストレスをコントロールする必要があります。
規則正しい生活をして、十分な睡眠時間を確保して、基礎体力をつけることは、精神的なストレスにも身体的なストレスにも効果があります。ストレスで眠れないというときには、寝る前に入浴をしたり、アロマを利用してみてはいかがでしょうか。日中に運動をすることで、身体が適度に疲れると、夜に眠りやすくなります。
●食事
腸に関係することですから、食事に気を配ることは大切です。暴飲暴食は避け、できるだけ毎朝排便の習慣を持てるようにします。
下痢が多い人は香辛料や脂っこいものをできるだけ避けるようにします。乳製品やアルコールが下痢を引き起こすこともあるので注意しましょう。
便秘傾向の人は水分を十分に摂取し、食物繊維を意識した食事を心がけましょう。
●運動
運動の習慣を持つことは、ストレス解消に効果的なだけでなく、腸の運動機能を整える作用があると言われています。続けることが大切ですから、無理をせずに行える、ウォーキングや散歩などもいいでしょう。
過敏性腸症候群の情報を発信する「IBSネット 下痢型情報ナビ」（運営：アステラス製薬株式会社）というサイトがあり、過敏性腸症候群かどうかをセルフチェックできたり、症状を相談できる病院検索したりといった便利な機能がついています。自分の症状について不安がある場合は、こういったサイトを活用するのも良いでしょう。
写真 © oka - Fotolia.com、© beeboys - Fotolia.com
大事なときにお腹がゴロゴロ…。その腹痛、過敏性腸症候群かも！
更新日：2017.10.27
過敏性腸症候群とは？
レントゲン検査や内視鏡検査をしても潰瘍や炎症などが見つからず、器質的な問題はないのに、腹痛や下痢、便秘といった腹部の不快な症状が長期にわたり続いている場合、「過敏性腸症候群」と診断されることがあります。Irritable Bowel Syndromeという英語の頭文字をとってIBSとも呼ばれています。症状によって、「下痢型」「便秘型」「交替型」などに分類できます。それぞれの特徴を見ていきましょう。
・下痢型は、突然の便意が特徴で、トイレに駆け込まないといけなくなることが多く、そのせいで外出が困難になる人もいるといわれています。大事な会議、商談、試験などがあると、お腹が痛くなるという人も多いとされ、特徴は排便をすることで症状が治まることです。
・便秘型は、腹痛や便意があるのに便が出にくいことが多く、コロコロとした便がでます。
・交替型は、便秘と下痢を交互に繰り返すのが特徴です。
この他にも、お腹にガスがたまるというタイプもあります。
腸には問題がないのになぜ？原因は？
過敏性腸症候群の起こるメカニズムは完全には解明されていません。もともと胃腸はストレスに大きな影響を受ける器官とされていて、過敏性腸症候群もストレスとの関係が大きいと考えられています。脳がストレスを感知すると、自律神経を介して、ストレスが腸の神経に伝わり、腹痛や下痢などの腹部症状を引き起こすといいます。また、逆に腹部症状が自律神経を介して脳に伝わることもあり、それを脳腸相関と呼び、悪循環にはまる原因でもあります。
最近では、腸の粘膜から分泌されるセロトニンという神経伝達物質が関係していることがわかっています。脳が感じたストレスが腸にまで届くと、腸粘膜からセロトニンが分泌されます。そして腸にあるセロトニン受容体と結びつくことで、腸の運動に異常をきたすとされています。
生活習慣を改めて、症状の改善が見られない場合には、このセロトニンの働きを阻害する薬を内服すると効果のある場合があります。
自宅でできること
生活習慣を改めることは過敏性腸症候群の予防または症状の改善には大切です。「ストレスの解消」「食事」「運動」がポイントとなります。
●ストレスの解消
前述のとおり、過敏性腸症候群とストレスの関係は大きいとされているため、上手にストレスをコントロールする必要があります。
規則正しい生活をして、十分な睡眠時間を確保して、基礎体力をつけることは、精神的なストレスにも身体的なストレスにも効果があります。ストレスで眠れないというときには、寝る前に入浴をしたり、アロマを利用してみてはいかがでしょうか。日中に運動をすることで、身体が適度に疲れると、夜に眠りやすくなります。
●食事
腸に関係することですから、食事に気を配ることは大切です。暴飲暴食は避け、できるだけ毎朝排便の習慣を持てるようにします。
下痢が多い人は香辛料や脂っこいものをできるだけ避けるようにします。乳製品やアルコールが下痢を引き起こすこともあるので注意しましょう。
便秘傾向の人は水分を十分に摂取し、食物繊維を意識した食事を心がけましょう。
●運動
運動の習慣を持つことは、ストレス解消に効果的なだけでなく、腸の運動機能を整える作用があると言われています。続けることが大切ですから、無理をせずに行える、ウォーキングや散歩などもいいでしょう。
過敏性腸症候群の情報を発信する「IBSネット 下痢型情報ナビ」（運営：アステラス製薬株式会社）というサイトがあり、過敏性腸症候群かどうかをセルフチェックできたり、症状を相談できる病院検索したりといった便利な機能がついています。自分の症状について不安がある場合は、こういったサイトを活用するのも良いでしょう。
写真 © oka - Fotolia.com、© beeboys - Fotolia.com
Profile松下 歩
日本ではナースとしてバリバリ働いていましたが、長年の夢であったオーストラリアへの移住を果たしました！今は子育ての真っ最中、フリーランサーとして働きながら、家族5人ブリスベンで、のんびり生活しています。ナースの経験を活かした健康記事をお届けしたいと思っています。
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