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コラム

奨学金を借りるとヤバいの?トラブルにならない奨学金の借り方・返し方

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奨学金を借りるとヤバいの?トラブルにならない奨学金の借り方・返し方
2012年頃から、「奨学金返済で困窮」「奨学金返済できずに自己破産」といったいわゆる「奨学金問題」が社会問題となってきました。
ここでは、進学する学生をサポートするための奨学金がなぜこのような悲劇を生むのか、そしてトラブルにならない奨学金の借り方・返し方についてご説明します。

社会問題になっている「日本学生支援機構」の奨学金とは

奨学金で問題になっているのは、「日本学生支援機構」の奨学金です。「奨学金=日本学生支援機構」とイメージされるくらい、日本最大の奨学金制度です。日本学生支援機構の奨学金は貸与であり、原則として卒業した年の10月から口座引落しで返還(返済)が始まります。

ただし、日本学生支援機構の奨学金がほかの奨学金と大きく異なる点は、奨学金の返済が延滞3カ月以上の場合、「信用情報機関」に延滞情報などが登録される点です。

信用情報機関とは、クレジット・キャッシング・各種ローンなどの借入れ状況や返済状況といった個人の信用情報を収集し、金融機関などに提供している機関のことです。信販会社、消費者金融、銀行などの金融機関は、信用情報機関に登録されている個人の信用情報をもとに、クレジットカードやキャッシング、各種ローンの審査や更新の判断をします。

万が一、信用情報機関に「延滞」といった返済トラブル情報が登録されると、その情報を照会した金融機関などに「経済的信用が低い人」と判断されてしまうのが実情です。
すると、クレジットカードや各種ローンの審査に通らなくなり、今使っているクレジットカードなども利用できなくなります。さらには、利用中のクレジットカードやローンの残高の一括返済を求められる場合もあり、一気に生活苦に陥る可能性があります。

1990年代前半のバブル崩壊、2008年のリーマンショックなどにより、就職氷河期と呼ばれる就職難が繰り返し起こり、卒業=就職ではなくなりました。
また、就職しても低収入の仕事についたり、リストラや家族の介護などで失業したりして奨学金を返済できなくなる元奨学生が増加しています。

その結果、信用情報機関に延滞情報が登録され、日本学生支援機構からも金融機関からも厳しい取り立てを受けるケースが続出。これが「日本学生支援機構」の奨学金問題の背景です。

トラブルにならない奨学金の借り方

貸与型奨学金は「学生本人が契約者となる教育ローン」と割り切りましょう。しかし、日本学生支援機構の利子付きの第二種奨学金の場合でも、民間金融機関の教育ローンよりも低利なため利用価値はあります。

次の2つのポイントをおさえていれば、将来の返済トラブルを防ぐことが可能です。

<ポイント1> 
借りる奨学金は必要な金額だけ、返済可能そうな金額だけにする

将来の返済のことを考え、借りる金額は必要な分だけにし、借り過ぎないことが大切です。たとえば、日本学生支援機構の第一種奨学金の場合、奨学金の月額は3万円または一定額(国公立大・自宅45,000円~私立大・自宅外64,000円)の選択制です。

第二種奨学金の場合は、月額3万円・5万円・8万円・10万円・12万円から選ぶことができます。家庭の経済状況や卒業後に返せそうな金額をもとに奨学金の月額コースを選ぶことをおすすめします。

なお、日本学生支援機構は4年制大学の場合の奨学金のひと月あたりの返済額を以下のように試算しています(※1)。

○第一種奨学金(無利子)
  • 貸与月額3万円の場合: 
返還総額144万円、月賦返還額9,230円(返還期間13年)
  • 貸与月額64,000円(私立大・自宅外)の場合: 
返還総額307.2万円、月賦返還額14,222円(返還期間18年)

○第二種奨学金(有利子)(※2)
  • 貸与月額3万円の場合: 
返還総額1,504,529円、月賦返還額11,293円(返還期間13年)
  • 貸与月額12万円の場合: 
返還総額6,149,683円、月賦返還額25,624円(返還期間20年)

※1: 『平成29年度入学者用 奨学金案内(国内予約用)』(2017年度) 34ページ
※2: 2015年3月貸与終了者の利率0.63%(利率固定方式)で試算

<ポイント2> 
保証機関(保証会社)による保証の利用も考える

連帯保証人(ふつうは親)のほかに、保証人(原則として別生計の親族)まで必要な奨学金の場合は注意が必要です。たとえば、日本学生支援機構では連帯保証人と保証人を必要とする「人的保証制度」、または保証機関(公益財団法人日本国際教育支援協会)による「機関保証制度」のどちらかを選ぶことが可能です。

連帯保証人と保証人をつけた場合、本人が奨学金の返済をしないときは連帯保証人に、本人も連帯保証人も返済をできない場合は保証人に請求がいきます。本人は自己破産したくても、連帯保証人(親)や保証人(親戚)に請求がいってしまうため、自己破産できずに支払いを続け、貧困から抜け出せないケースがあります。

一方、保証機関による保証を利用すると、保証料を支払う必要はありますが、請求されるのは本人だけです。本人が親に泣きつくのも自己破産を選ぶのも自由です。万が一のときに親戚に迷惑がかかるよりも、保証機関を利用した方が本人にとっても親にとってもいいかもしれません。

トラブルにならない奨学金の返し方

奨学金返還(返済)にかかわるトラブルの原因は「延滞」です。特に、日本学生支援機構では延滞が3か月以上になると信用情報機関に延滞情報などが登録されてしまいます。

貸与型奨学金制度には返済減額や返済猶予などの救済制度があります。まず、卒業後新生活を始めてみて「奨学金の返済が難しい」と思ったら、返済開始時期を待たずに、奨学金の返還担当窓口に相談をするべきです。

たとえば、日本学生支援機構の場合は、12か月返済金額が半額になる「減額返還」(最長10年)、一定期間返済を先送りにする「返還起源猶予」(原則として通算10年まで)などの制度があります。
どちらもその分返済期間は延びますが、信用情報機関に延滞情報が登録されて、クレジットカードもローンも使えなくなるよりはましです。

貸与型奨学金を借りるとき・返すときには、親子で説明書類をちゃんと読み、制度をよく理解すれば奨学金がらみの返済トラブルをあらかじめ防ぐことができます。説明を読んでもわからない点があったら、問い合わせ窓口に連絡し、疑問点をはっきりさせるようにしましょう。

<プロフィール>
おおいみほ
ファイナンシャルプランナー(AFP)/二級ファイナンシャル・プランニング技能士
銀行にて、預金商品やローン商品、クレジットカード商品のマネジメント業務を経て、現在はウェブサイトなどのマネー関連記事の執筆、個人投資家として活動中。

写真© suna - Fotolia.com
ファイナンシャルプランナー(AFP)/二級ファイナンシャル・プランニング技能士。銀行にて、預金商品やローン商品、クレジットカード商品のマネジメント業務を経て、現在はウェブサイトなどのマネー関連記事の執筆、個人投資家として活動中。
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