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コラム

魚離れ、なぜ?20年で消費量が半減した〈意外な理由〉と、プロ直伝の美味しい解決策!

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魚離れ、なぜ?20年で消費量が半減した〈意外な理由〉と、プロ直伝の美味しい解決策!

四方を海に囲まれた日本は、世界有数の水産国。けれど、魚介類の消費量は年々減少を続け、「魚離れ」の傾向が強まっています。かつては食卓の定番だった焼き魚や煮魚も、いまや「下処理が面倒」「においが気になる」「骨があって食べづらい」と敬遠されがち…。

そんななか、「魚の魅力を次の世代へ伝えたい」と奔走するのが、魚食普及推進センターの内堀湧太さんです。魚は獲るのも、さばくのも、食べるのも大好きという内堀さんに、魚離れの現状と背景、そして魚をもっと身近に楽しむためのヒントを伺いました。

魚の消費量はピーク時の約半分に

――魚離れが進んでいると言われますが、本当に本当?

水産庁の調査によると、日本における食用魚介類の消費量は、平成13(2001)年度をピークに減少を続けています。

ピーク時に、1人あたり40.2kgだった年間消費量は、平成30(2018)年度には23.9kgに。

――20年足らずの間に、半分近くまで減少してしまったんですね。

魚離れが止まらない要因は、いろいろ考えられます。

まず、食の選択肢が広がって、家庭でも和食だけでなく、さまざまな料理が食べられるようになったこと。かつて魚のおかずが食卓の中心だった時代と比べると、食の選択肢が桁違いに多いんですよね。そのぶん、魚が選ばれる頻度は減ってしまっているのだと考えられます。

忙しい毎日のなかで、時間や手間のかかるイメージの強い魚は敬遠されやすい、ということも要因でしょう。共働き世帯が増え、食事の準備に時間をかけられないという現実は、私自身、日々実感しています。

価格上昇と環境変化も影響

――家族が満足する量を買おうと思うと、肉と比べて割高な印象もあります。

はい。実際、魚介類の価格は上昇傾向が続いています。船の燃料代、漁師さんの高齢化、水産加工業者の人手不足などが重なって、魚が私たちのもとに届くまでのコストが上がっているんです。

また、地球温暖化の影響で海水温が上昇し、日本近海ではあまり獲れなくなってしまった魚もあります。遠くまで獲りにいけばそれだけコストもかかるし、漁獲量が減れば1匹あたりの価格は高くなってしまいます。

――調理のハードルも高くて、価格も高いとなると…。やっぱり魚離れは仕方がないのでしょうか。

魚の値段については、これまでが「安すぎた」という側面もあると思います。

かつての日本は、豊かな近海で獲れる魚を手頃な価格で楽しめる、非常に恵まれた環境にありました。でも今は、世界中が魚の美味しさに気づき、日本とは逆に世界では消費量がどんどん増えています。

――なるほど。世界的には魚の需要が高まっているんですね。

そうなんです。かつてのように、「魚=安い」という時代は終わりつつあります。

今後は、限られた水産資源をどう上手に使いながら、魚食文化を続けていくかが問われてくると思います。そのためには、漁師さんをはじめ水産業に関わる人が適正な報酬を受け取り、持続的に働き続けられる環境づくりも大切ですよね。

家庭でもっと魚を楽しむには?

――日本の漁業を守り、食文化を伝えていくためにも、魚をもっと頻繁に食卓に上げられるといいけれど…。どうしたらいいんでしょう?

魚の価格は以前より上がっているとはいえ、実は人気の魚に負けないくらい美味しくて、しかも手頃な価格の魚はまだまだたくさんあります。

それから、魚って「調理が難しい」と思われがちですが、いまはスーパーの鮮魚コーナーでも下処理のサービスが充実していますよね。下処理さえ済んでいれば、調理自体は肉も魚もそんなに大差なし。

身構えず、お肉と同じ感覚で魚を料理に取り入れてほしいですね。

鮮魚コーナーをチェックすると、掘り出し物のお買い得魚に出会えることも。こちらは、やわらかく、クセの少ない「モウカザメ」の切り身。

――家庭で作ると、生臭さが気になるという声もよく聞かれます。

今は保冷技術や輸送技術が発達して、スーパーに並ぶお魚たちはとても鮮度がいいんです。魚は生臭いというイメージも、実は変わりつつあります。

それから、魚料理って塩の使い方がポイントで、これを覚えるだけでぐっと幅が広がります。

魚は塩で美味しくなる

――魚料理に慣れていない人でも簡単ですか? 酒を振ったり、熱湯かけたり、秘伝のタレに漬けたり…。というイメージがあります(笑)

僕も家に帰れば、保育園児のパパ。平日は、いかに短時間でパパッと作れるかが勝負です。そんな時短のニーズにも、魚はしっかり応えてくれますよ。

たとえば切り身を買ってきたら、まず両面にさっと塩を振るのがおすすめ。冷蔵庫で30分ほどおけば、浸透圧で余分な水分が抜けて、旨みが凝縮。表面の水けをキッチンペーパーで拭き取れば、臭みも自然に和らぎます。

ただ、夕食時に30分も待っていられない!というときは、無理せずそのままでもOK。最近は流通が発達し、鮮度が向上しているので、流水で2〜3秒軽く表面を流し、水気をふくだけでも、十分美味しく調理できます。

塩を振った魚は、そのまま焼くのはもちろん、バターソテーや照り焼き、スープや酒蒸しの具材にもぴったり。保存性も高まるので、ぴっちりラップをして冷蔵庫に入れておけば数日もちますし、味噌漬けや醤油漬けにしておくのもおすすめです。

お買い得だった「モウカザメ」の切り身も、塩を振ってステーキに。ホロホロとほどけるような食感で、お値段以上すぎる味わいでした。

――なんだか魚を料理したくなってきました。最初の塩がコツなんですね。

そうなんです。「がんばって作ろう」と思わなくても、塩さえ振っておけば魚は応えてくれる。魚って、実はそれくらいシンプルな調理で十分に美味しくなる食材なんです。忙しい日こそ、火の通りが早い魚は、むしろ時短調理の強い味方だと思います。

それに塩を振ってラップでぴっちりくるめば、冷蔵庫で数日保存できます。つまり、鮮度を気にして急いで食べきろうとしなくてもいい。味噌漬け、醤油漬けもおすすめ。漬けておけば、帰ってきたら焼くだけでOKです。

魚料理をもっと気軽に楽しめる工夫、もっともっとお伝えしたい…!

――望むところです! というわけで、次回は「魚を手間なくリーズナブルに楽しむ知恵」を伺います。

次の話 煮ても焼いても漬けてもOK!プロが教える「どんな魚でも神ウマ」になる裏ワザ

取材・文/浦上藍子

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