コラム
私が家の中の問題点を指摘しても、「でも……」と今の状況をつくりだしている外的な理由を挙げ、「だから、できないんです」と主張をしてきます。
仕事ができる人というのは、常に「できる方法」を考えるもの。しかし、こういうタイプの人たちは「できない理由」ばかりを挙げ、具体的な解決に向かって走り出そうとしないんです。それではいつまで経っても“片づけられる人”になれる日は訪れません。
例えば、こんなお客様がいました。専業主婦の方だったのですが、毎日いろいろなことに追われて忙しく、片づけができないと言います。家に伺ってみると、部屋の中は物であふれ、ぐちゃぐちゃ。「洗濯物をたたむ暇もない！」というので、「ホントに？ たたむのにそれほどたくさんの時間がかかるはずはないから、とりあえず計ってみて」と提案しました。しかし、「でも、あれもこれもしなくちゃいけないから、本当にたたむ暇がないんです！ だから計る時間もありません！」と頑なに拒みます。
そこで、私は「いいから今日中にたたんで計ってみてくださいね」と再度強く行って帰りました。するとその夜、彼女からメールが届き「10分でできました！」と。今まで時間がないからできないと言い張っていた洗濯物のあと始末は、１日1440分あるうちのたった10分しかかからなかったんです。それだけの時間が、作れないわけがないんです！
彼女には、そのほかにも片づけの障害になっていると主張する子育てや家事に、だいたいどれくらいの時間を費やしているかをすべて計って書き出してもらいました。すると、睡眠や食事、通常の家事以外に、実に1日４時間も余ったのです！ 恐らく、テレビを観たり、ボーっと考えごとをしている間に過ぎ去っていってしまっていたのでしょう。本人も「本当ですね、この４時間どこいっちゃったんでしょうね……」と。でも、この作業をきっかけに気持ちが切り替わったようで、彼女は少しずつ時間を有効に使える人に変わっていきました。
このように、自分の毎日の時間の使い方を書き出して把握することは、今の暮らしを改善したいという人にとても有効。特に、「家が散らかるのは忙しいせい」と考えている人は、まずこの作業をやってみましょう。すると、自分の1日もしくは一週間の中に、“すき間時間”を見出すことができると思います。逆に言えば、時間が余っているという事実を知ることになり、忙しいという言い訳は通用しなくなる。腹をくくってしまえばこちらのもの！ その時間をうまく使って、家を少しずつ片づけてみましょう。
「とにかく、やれ！」
「でもでも」言っているうちに、だまされたと思ってやってみてほしい。このタイプは、意外と心の奥底では「このままでいいわけないよな」と思っている人が多いんです。だから、手を動かしたり、「世の中には自分と同じ状況でも片づけられる人もいるんだからやらなくちゃ」などという気持ちが起きたら、案外スムーズにスイッチが入ります。
はじめは、「この服捨てちゃえば？」と私が言っても、「でもこれは高かったから捨てられないんです」などと処分できない理由を挙げて、物の取捨選択が進まなかった“言い訳の多いお客さま”が、一回捨てるモードに入ったらどんどん要らない物を減らすことができたという例もあります。
実は私のところに来るお客様は、お金を出してまで家を本気で片づけようという人々なので、すでに「でもでも」期を乗り越えている人が多いんです。そういう人は言い訳せずに素直に“片づけられる人”に変わっていく場合がほとんど。だから、このコラムを読んでいるあなたも、すでにその時期を抜けて前向きに片づけに向かっていこうとしているのだと思います。大丈夫、きっとあなたも変われますよ！
吉川さんのアドバイスをもっとご覧になりたい方は、こちらの最新著『あなたもつかめる！ もう探さない人生』（1200円＋税・主婦の友社刊）をご覧ください。整理整頓や収納が苦手な人必見！ 無理なく部屋がきれいになって、“一生リバウンドしない”片づけルールが満載です。
http://www.amazon.co.jp/dp/4074163500
＜著者プロフィール＞
吉川永里子（よしかわ・えりこ）
収納スタイリスト®／Room&me代表／整理収納アドバイザー1級認定講師
「片づけはストレスフリーに暮らす近道」をモットーに、女性目線・ワーキングマザー目線で整理収納やライフスタイル提案を行う。メディアでのアドバイス以外に、個人のお客様のお宅へも積極的に伺っている。講演・セミナー・ワークショップなどでは、テンポのいい分かりやすい言葉で片づけについてレクチャー。『Como特別編集 吉川永里子のクローゼット収納―衣替え必要なし！』『元 「片づけられない女」の幸せの引き寄せ方 片付け道』（ともに主婦の友社）など著書多数。プライベートでは夫と2人の息子と52平米の賃貸マンションで暮らす。
http://www.roomandme.net
取材・文／栗田瑞穂
言い訳が多い人は部屋が汚い！「でも」と言う前にまずは手を動かそう
更新日：2017.10.28
うしろ向きになったら進めない。とりあえず前を向こう！
“片づけられない人”は、言い訳が多い。これは定説です。私が家の中の問題点を指摘しても、「でも……」と今の状況をつくりだしている外的な理由を挙げ、「だから、できないんです」と主張をしてきます。
仕事ができる人というのは、常に「できる方法」を考えるもの。しかし、こういうタイプの人たちは「できない理由」ばかりを挙げ、具体的な解決に向かって走り出そうとしないんです。それではいつまで経っても“片づけられる人”になれる日は訪れません。
例えば、こんなお客様がいました。専業主婦の方だったのですが、毎日いろいろなことに追われて忙しく、片づけができないと言います。家に伺ってみると、部屋の中は物であふれ、ぐちゃぐちゃ。「洗濯物をたたむ暇もない！」というので、「ホントに？ たたむのにそれほどたくさんの時間がかかるはずはないから、とりあえず計ってみて」と提案しました。しかし、「でも、あれもこれもしなくちゃいけないから、本当にたたむ暇がないんです！ だから計る時間もありません！」と頑なに拒みます。
そこで、私は「いいから今日中にたたんで計ってみてくださいね」と再度強く行って帰りました。するとその夜、彼女からメールが届き「10分でできました！」と。今まで時間がないからできないと言い張っていた洗濯物のあと始末は、１日1440分あるうちのたった10分しかかからなかったんです。それだけの時間が、作れないわけがないんです！
彼女には、そのほかにも片づけの障害になっていると主張する子育てや家事に、だいたいどれくらいの時間を費やしているかをすべて計って書き出してもらいました。すると、睡眠や食事、通常の家事以外に、実に1日４時間も余ったのです！ 恐らく、テレビを観たり、ボーっと考えごとをしている間に過ぎ去っていってしまっていたのでしょう。本人も「本当ですね、この４時間どこいっちゃったんでしょうね……」と。でも、この作業をきっかけに気持ちが切り替わったようで、彼女は少しずつ時間を有効に使える人に変わっていきました。
このように、自分の毎日の時間の使い方を書き出して把握することは、今の暮らしを改善したいという人にとても有効。特に、「家が散らかるのは忙しいせい」と考えている人は、まずこの作業をやってみましょう。すると、自分の1日もしくは一週間の中に、“すき間時間”を見出すことができると思います。逆に言えば、時間が余っているという事実を知ることになり、忙しいという言い訳は通用しなくなる。腹をくくってしまえばこちらのもの！ その時間をうまく使って、家を少しずつ片づけてみましょう。
口を動かすより手を動かすのが先！
私から“言い訳が多い人”に伝えたいのは、これだけです。「とにかく、やれ！」
「でもでも」言っているうちに、だまされたと思ってやってみてほしい。このタイプは、意外と心の奥底では「このままでいいわけないよな」と思っている人が多いんです。だから、手を動かしたり、「世の中には自分と同じ状況でも片づけられる人もいるんだからやらなくちゃ」などという気持ちが起きたら、案外スムーズにスイッチが入ります。
はじめは、「この服捨てちゃえば？」と私が言っても、「でもこれは高かったから捨てられないんです」などと処分できない理由を挙げて、物の取捨選択が進まなかった“言い訳の多いお客さま”が、一回捨てるモードに入ったらどんどん要らない物を減らすことができたという例もあります。
実は私のところに来るお客様は、お金を出してまで家を本気で片づけようという人々なので、すでに「でもでも」期を乗り越えている人が多いんです。そういう人は言い訳せずに素直に“片づけられる人”に変わっていく場合がほとんど。だから、このコラムを読んでいるあなたも、すでにその時期を抜けて前向きに片づけに向かっていこうとしているのだと思います。大丈夫、きっとあなたも変われますよ！
吉川さんのアドバイスをもっとご覧になりたい方は、こちらの最新著『あなたもつかめる！ もう探さない人生』（1200円＋税・主婦の友社刊）をご覧ください。整理整頓や収納が苦手な人必見！ 無理なく部屋がきれいになって、“一生リバウンドしない”片づけルールが満載です。
http://www.amazon.co.jp/dp/4074163500
＜著者プロフィール＞
吉川永里子（よしかわ・えりこ）
収納スタイリスト®／Room&me代表／整理収納アドバイザー1級認定講師
「片づけはストレスフリーに暮らす近道」をモットーに、女性目線・ワーキングマザー目線で整理収納やライフスタイル提案を行う。メディアでのアドバイス以外に、個人のお客様のお宅へも積極的に伺っている。講演・セミナー・ワークショップなどでは、テンポのいい分かりやすい言葉で片づけについてレクチャー。『Como特別編集 吉川永里子のクローゼット収納―衣替え必要なし！』『元 「片づけられない女」の幸せの引き寄せ方 片付け道』（ともに主婦の友社）など著書多数。プライベートでは夫と2人の息子と52平米の賃貸マンションで暮らす。
http://www.roomandme.net
取材・文／栗田瑞穂
Profile吉川永里子
収納スタイリスト／整理収納アドバイザー１級認定講師／整理収納コーチ２級／スタイリングカウンセラー
「片づけはストレスフリーに暮らす近道」をモットーに、女性目線・ワーキングマザー目線で整理収納やライフスタイル提案を行う。メディアでのアドバイス以外に、個人宅へも積極的に伺い、レッスンやセミナーなど2000人以上に片づけをレクチャー。『吉川永里子のクローゼット収納』『子どもがいてもキレイがつづく！ラクするための片づけルール』など著書多数。プライベートでは夫と2人の息子と52平米の賃貸マンションで暮らす。
「片づけはストレスフリーに暮らす近道」をモットーに、女性目線・ワーキングマザー目線で整理収納やライフスタイル提案を行う。メディアでのアドバイス以外に、個人宅へも積極的に伺い、レッスンやセミナーなど2000人以上に片づけをレクチャー。『吉川永里子のクローゼット収納』『子どもがいてもキレイがつづく！ラクするための片づけルール』など著書多数。プライベートでは夫と2人の息子と52平米の賃貸マンションで暮らす。
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