日本の四季を彩る旧暦と二十四節気ゆかりの行事には、開運・良縁などを呼び、邪気や病を祓うヒントがいっぱい。今日は、人形に災厄を託し、厄を祓う年中行事「雛祭り」の日です。災厄を祓い、良縁を招く行事だからこそ、女の子限定の行事にするのはもったいない!
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今日は、邪気を祓う「桃」がキーワード
雛祭りに桃の花は欠かせません。旧暦3月ごろに開花時期を迎えるということもありますが、古くから、桃の聖なる力が頼みにされてきたからです。
中国には、一人の漁師が桃林の先にある理想郷に迷い込む、という昔話があります。この地の桃の花を浮かべた水を飲めば気力が充実し、300歳の長寿が叶うとされました。ここから生まれたならわしが、「桃花酒」。
日本では、桃の花びらを浮かべた日本酒や白酒をこの名で呼び、無病息災を願って雛祭りに飲むようになりました。
桃が登場する神話や民話は、日本にもあります。例えば、黄泉みの国の住人を退散させたのは、神様が投げた桃の果実だったと『古事記』に記されています。また、災厄の象徴でもある鬼を倒すスーパーヒーローといえば、「桃」太郎ですよね。
美しさだけでなく、魔を祓う力を備えた桃の花。雛祭りの大切なしつらいとして、わが家にお迎えしましょう。
「流す」から「飾る」行事へ?
雛祭りは女の子の幸せと健やかな成長を願う年中行事ですが、もともとは老若男女が行った厄祓いの行事でした。邪気が
入り込みやすいとされる旧暦3月上旬の巳の日に行っていたことから、別名「上巳の節句」とも呼びます。
かつての人々は川や海で心身を清めたあと、紙や藁で作った「人形(形代)」を自分の身代わりとして流しました。これから降りかかる災厄を人形に引き受けてもらい、遠ざけることでわが身の無事を願ったのです。
この人形と、貴族の女の子の「ひいな(雛)遊び」が結びついたのが室町時代ごろ。次第に豪華で美しい飾り雛が作られるようになり、「流す」から「飾る」行事へ、そして華やかな女の子の節句へと変わっていきました。
ルーツを考えると、誰しもが厄を祓う一日として楽しむ雛祭りも素敵です。紙雛を折り、雛あられや菱餅などをお供えすれば、おのずと心が弾みます。
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