コラム

気をつけて！働くママたちを悩ます「マミートラック」現象とは？

更新日：2017.10.28

結婚を機に退職する「寿退社」は、一昔前まで女性の憧れでしたが、現代では「女性が働くこと」への考え方も大きく変化し、結婚後や出産後も働き続けることが珍しくなくなりましたよね。
その反面、働くママは出産や育児で職場に迷惑をかけてしまうこともしばしば…。キャリアを積んで昇進したくても、家庭とキャリアの両立は厳しいのが現実です。

そんななか、「マミートラック」という現象が社会問題化しているのをご存じですか？

「マミートラック」とは？

マミートラックとは子どもを持つ女性の働き方のひとつで、仕事と育児を両立するかわりに、昇進とは縁遠いキャリア・コースのこと。

働くママは「残業ができない」うえ「いつ子どものことで休むかわからない」ため、補助的な仕事しか割り当てられなくなり、キャリア形成を諦めざるを得ないというのが多くの実態。
さらに、「子どもを保育園に預けてまで、この補助的な仕事を続けるべきか」という疑問をいだき、退職してしまうケースも少なくありません。

望んで「マミートラック」にのったわけでない女性にとって、このまま仕事を続けるのかということは大きな問題と言えるでしょう。
現代においても、結局女性は「キャリア」か「子どもを産むか」を選択しなければならないということです。
これでは、働く女性のモチベーションを下げるばかりか、少子化の流れを食い止めるのもさらに難しくなってしまうことでしょう。

それでも仕事は続けるべき？

企業側は、働くママに配慮して負担の少ない仕事を割り当てているのでしょうが、結果的には仕事へのモチベーションを下げ、ひいては人材を失うことにも繋がるマミートラック。
働くママにとっては、家族との時間を多く持つことがメリットである反面、キャリアは諦めなければならないというデメリットもあります。

しかし、補助的な仕事でも正社員には変わりありません。
一度仕事を辞めてしまえば、再就職はかなり困難になりますし、特殊な専門技能などがあれば再就職も可能でしょうが、そうでなければ退職前と同等の業務内容や待遇を得るのは不可能に近いのではないでしょうか。
精神的には納得できないことや辛いとこともあるかもしれませんが、仕事はとりあえず続けることをオススメします。
業務内容に不満があるなら、仕事を続けながらスキルアップを図り、転職するのもひとつの方法です。
また、仕事を辞めれば保育園も退園させなければならなくなり、再就職をしたくても預け先がなくなってしまうかもしれません。
まずは仕事に留まり、そこから、先々のことを考えてみることもいいのではないでしょうか。

変わりつつある日本社会

マミートラックの現状を変えるのは、そう簡単なことではありません。
企業も、そこで働く人々の意識も変えなければいけませんし、時間がかかることでもあります。
しかし、2015年8月には「女性活躍推進法」が成立。国をあげて女性の活躍を推進する法律ができました。
また、企業の中には「マミートラック」に安住する女性社員を戦力に戻す動きも出始めています。

さらに、女性の就業率の高い北欧諸国などでは出生率が高いことから、仕事と育児を両立する支援策さえ整えば、日本でも働くママが増えるとの見方も強まっています。
まだまだ緩やかではありますが、日本社会もさまざまな面から女性が働きやすい環境を整えるために、模索し始めたということではないでしょうか。

女性が社会進出し、男女雇用機会均等法が施行されて約30年。
歴史的には決して長くはありませんが、その中でも育児休業制度をはじめ、仕事と子育ての両立支援策や保育所待機児童ゼロ作戦など、多くの法整備や支援策が構築されています。
どんなことでも変化には時間が必要です。
現代の働く女性全員が、その変化の役割を担っているのかもしれませんね。

「マミートラック」にのってしまっても、仕事を辞めずにポジティブ思考で働き続ければ、そのトラックから脱する方法が見つかるかもしれません。
諦めればそこで終わり。終わらせたくなければ、続けることです！　頑張りましょう！！

＜プロフィール＞
ナツキレイ
フリーライター/日本語家庭教師
タイ在住を経てオーストラリアへ。現在はオーストラリアの田舎で日本語を教える傍ら、ライターとしても活動。政治・経済・教育などの分野から、子育て・旅行・セレブ情報など生活や趣味の分野まで幅広いジャンルで執筆中。定期的に英語のニュース・雑誌サイトの記事を翻訳してリライトも行う。日本生まれ海外育ちの2児の母。

写真© Photographee.eu - Fotolia.com

Profileナツキレイ

フリーライター/日本語家庭教師。タイ在住を経て、オーストラリアで日本語を教える傍ら、ライターとしても活動。政治・経済・教育などの分野から、子育て・旅行・セレブ情報など生活や趣味の分野まで幅広いジャンルで執筆中。定期的に英語のニュース・雑誌サイトの記事を翻訳してリライトも行う。日本生まれ海外育ちの2児の母。

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