「子どもが伸び伸び成長できるような子ども部屋をつくりたい! 」と考えるママは多いはず。でも、家の面積には限りがあり、子ども全員に広い子ども部屋を与えるのは難しいのが現状ですよね。
そこで今回は、広さの限られた家でも子どもが伸び伸び使えて、自立心が育つような子ども部屋の作り方を考えてみましょう。「いつ、どんな子ども部屋をつくればいいの? 」「子どもの性別が男女の場合はどう分ければいいの? 」などの素朴な疑問も取り上げます。
いつごろ子ども部屋をつくったらいいの?
子ども部屋はいつ与えるのがいいのか、親としては迷うところですよね。ここではいくつかの考え方をご紹介。それぞれに違ったメリットがあります。
子どもがほしがったら与える
子どもは小さいうちはママやパパのそばで遊びたいもの。幼児のうちは寝るのも一緒という家が多いはずです。つまり、あまり小さいときに子ども部屋を与えても、“ おもちゃ置き場" になってしまうケースがほとんど。そこで提案したいのが「本人が自分の部屋を欲しがったら与える」という考え方です。
その場合、当面の子どもの遊び場はリビングになる場合がほとんどだと思います。親としては「おもちゃが散らかって片づけるのが大変! 」という悩みが生まれるかもしれません。そんなときは、リビングの一角に子ども専用のプレイスペースを設けてみてはいかがでしょうか。
プレイスペースをつくるときのポイントは……
・床で遊ぶことを前提に床材を選ぶ。あとから撤去できる置き畳などもおすすめ
・自分でおもちゃなどをお片づけできるように、収納スペースを用意する
・接客スペースから見通せない場所につくると、急な来客時にあわてて片づけなくてすむ
・デスクやカウンターを置けるようにしておくと、大きくなってからも宿題などに使える
リビングにプレイスペースがあると、家事をしながら自然に子どもを見守れるため、ママにとっても安心。親子ともにメリットのあるプランと言えそうです。子ども部屋として用意した個室は、しばらくの間、夫婦の趣味室などに活用してみてはいかがでしょう。
子どもの希望を生かせる時期につくる
「子どもがなるべく小さいうちにマイホームがほしい」と考えるかたが多いようですが、家を建てる時期に子どもがある程度の年齢( 小中学生 )になっていれば、本人の希望をとり入れた子ども部屋をつくることができます。
広さや収納スペースの作り方、内装などを自分で考えることで、与えられた部屋をそのまま使うよりも創意工夫が育つはず。「家づくりに参加した!」という充実感も、子どもの成長にプラスになるようです。
人数・性別構成別の子ども部屋の広さの決め方
子ども部屋の広さを決めるには、どんなポイントがあるのでしょうか。一般的な子ども部屋の広さは、6 畳や4.5 畳。性別が違うと1 人につき1 部屋を用意するケースが多いようです。ただし、子ども部屋の広さや性別ごとの部屋の分け方は、その家族の考え方しだい。ここではいくつかのパターンを見てみましょう。
家族で一緒に過ごす時間を重視。子ども部屋は最低限の広さでいい
「子ども部屋では寝るだけ。勉強や遊びは家族のいるリビングダイニングで」という考え方です。この場合、子ども部屋の中にデスクを置かなくてすむので、最低限必要な面積は3 ~4 畳ほどになります。「狭小住宅だけれど、性別が違うので1 人に1 部屋与えたい」というケースにも向いています。
子ども部屋はそれぞれに与えて、自立心を伸ばしたい
「性別に関わらず、子どもには1 人1 部屋与えて、自分で工夫しながら使いこなしてほしい」という考え方です。この場合は各部屋に4.5 ~6 畳の面積をとり、ベッドやデスクを自分でレイアウトできるようにするとベストです。
子どもたち自身で部屋の広さを決めさせたい
「子どもたちに1 つの広い部屋を与えて、成長してプライベート空間が必要となったらその時に分割するという考え方です。子どもの人数によって必要な面積が異なりますが、大切なのは複数の出入り口と照明を用意しておくこと。分けたあとの窓の位置・大きさも、なるべく平等になるのが理想的です。分割する際は、後から壁を加えてもいいですが、ロールスクリーンで分けたり、収納家具を仕切りの代わりに使ってもいいでしょう。
人数・性別構成別の子ども部屋のレイアウトの考え方とコツ
子どもの人数や性別に合わせて子ども部屋をレイアウトするには、どんな考え方やコツがあるのでしょうか。ここでもいくつかのパターンを挙げてみます。
各部屋にベッドとデスクを用意するときのレイアウト例
子どもが異性の場合など、1 人に1 部屋ずつ与えて、それぞれにベッドとデスクを用意するパターンです。この場合は1 部屋につき4.5 ~6 畳の面積が必要になります。
4.5畳の子供部屋
4.5 畳の子ども部屋。ベッドとデスクを置く場合の最低限の広さです。収納が足りない場合は、下が収納になったロフトベッドを使う手もあります。
6畳の子ども部屋
6 畳の子ども部屋。デスクとベッドを置いてもゆとりがあり、デスクの横に本棚などを置くこともできます。
ワンルームを共有→大きくなったら分割するときのレイアウト例
最初は広いワンルームを一緒に使い、大きくなったらスペースを分けるパターンです。子どもが異性の場合は間仕切り壁などでしっかり仕切り、同性の場合は家具などでやんわり仕切る、といったバリエーションが生まれます。
12畳の子供部屋
出入り口を2 つ用意した12畳の子ども部屋。2 段ベッドを壁際にレイアウトすれば、中央の広いスペースが遊び場になります。
子どもが同性の場合などの分け方バリエーション。2 段ベッドを分けて使い、収納家具などでエリアをあいまいに区切っています。
子どもが異性の場合などの分け方バリエーション。2 段ベッドを分けたうえで、中央に壁を立てて2 つの個室をつくっています。
子ども部屋の収納の作り方・考え方
子ども部屋ではどんな収納スペースが使いやすく、きちんと片づいた部屋づくりに役立つのでしょうか。ここではいくつかの考え方と、重要なキーワードを挙げてみましょう。
「可変性」のある収納がベスト
「可変性」とは、将来の使い方に合わせて自由に変えられること。子どもは幼児~幼稚園児~小学生~中学生~高校生と、成長するごとに持ち物の種類や量が変わっていきます。それに見合う収納スペースの形や収納量も、どんどん変わっていくはず。そこで、収納スペースは最初から完成させず、あとから増やしたり、棚板の位置を変えたりと、必要に応じて自由にアレンジできるのが理想的。同じシリーズのユニット家具などを追加していくと、インテリアの印象もバラバラになりません。
狭い子ども部屋では「高さ」を生かす
面積の限られた子ども部屋では、ベッド・デスク・収納家具をすべて置くのが難しいケースも。もし天井高にゆとりがあり、ロフトを設けることができれば、収納やベッドとして活用できます。ただし、ロフトには熱気がこもりやすいため、ベッドとして使う場合は暑さ対策が必須。できれば収納スペースにするのが無難です。
ロフトを設けるのが難しい場合は、ベッドの下にデスクや収納を組み込んだ「ロフトベッド」もおすすめ。こちらも高さを無駄なく生かしながら、子ども部屋に必要な「勉強する場所・寝る場所・収納する場所」を確保できます。ロフトと違って撤去しやすいのもメリット。子どもが巣立ったあと、子ども部屋をほかの用途に使いやすくなります。
クローゼットは各自に? 家族まとめて?
衣類をしまうクローゼットは、子ども部屋にそれぞれ設ける手もありますが、子どもが“
お年頃" になると足りなくなることも。そこで便利なのが、家族全員の衣類をすべてしまえる「ファミリークローゼット」です。これは1 つの大きなウォークインクローゼットを家族で共有するスタイル。衣類の収納が一か所にまとまるので、洗濯後の衣類を収納するのがラクなうえ、子ども部屋のクローゼット不足も防げます。
子ども部屋のレイアウトで気をつけるポイント
子ども部屋の家具のレイアウトを考えるとき、もっとも注意したいのは「安全性」です。たとえば、腰窓の前にボックス家具などを置いてしまうと、子どもがボックス家具によじ登って窓からの転落事故の原因になることも。ある程度大きくなるまで、窓の前には足がかりになるような家具は置かないのが鉄則です。
地震で倒れやすい大きな家具を、ベッドのそばに置かないことも大切。もし背の高い本棚などを使うなら、ベッドの上に倒れない角度にレイアウトしたうえで、壁面に固定するなどの対策を施しましょう。
家具のレイアウトではありませんが、安全性という点では、内装材の選び方にも配慮を。特にアレルギー体質の子どものいる家では、クロスの接着剤などがアレルギーの原因になることもあるので、どんな内装材を避けたほうがいいのかを調べ、子ども部屋だけでなく家全体の内装プランに役立ててください。
子ども部屋のレイアウトの実例集
「子ども部屋の実例を見て、レイアウトやアイディアの参考にしたい! 」という方も多いと思うので、子育てを重視して家づくりをした好実例をご紹介しましょう。子ども部屋からバルコニーに出で体を動かして遊べたり、子ども部屋のほかに家族みんなで勉強できるスタディルームがあるので自然と集まって勉強する習慣がつくなど、参考になるポイントが盛りだくさんです。
詳しくはこちらの記事をご参考ください。
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まとめ
一口に子ども部屋と言っても、兄弟・姉妹の人数や子育ての考え方によって、プランのしかたはさまざま。もちろん、子どもがある程度の年齢になったら、本人の意見もとり入れてあげたいですよね。家族でしっかり話し合って、「わが家の子ども部屋はこれがベスト! 」というプランを見つけてください。
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