【Mさん・Aさん宅(東京都)】
光と風が気持ちいい対面式のDKに集合してふれあいを楽しんで
子世帯のMさん夫妻とその奥様のご両親のAさん夫妻。スタイル抜群のMさんは元CA。「竣工後にわかったのですが、設計をお願いした大塚泰子さんのお姉さんは同僚でした。うれしいご縁です!」とMさん。
「時代がどんなに便利になっても顔が見られる安心感に勝るものはありません」
新宿のビル群も眺められる、都心にあるMさん、Aさんのお宅。Mさんが生まれ育った築30年ほどの日本家屋の建てかえを機に、二世帯住宅の話がもち上がりました。「以前はマンション住まいだったのですが、この土地に親しみがあって……。せっかく建てかえるなら、一緒に暮らせるほうがお互いのためだよね、という話になりました」とMさん。Kさんも「地に足のついた暮らしのほうがいい」と賛成でした。
建築面積は8.5坪と、かなりの狭小地。「新築するなら建築家に」と決めていて、いろいろな建築家の説明会に行ったそうですが、「この面積で二世帯住宅にしたい」と伝えると誰もが「難しい」と首を横に振ったそう。
「そんなとき、テレビで『ノアノア空間工房』の大塚泰子さんを知りました。連絡をしてみたら、ニつ返事でOK。こちらの希望は伝えましたが、プランはプロにまかせたほうがいいと思ったので、大塚さんのアイディアに委ねました」とKさん。
結果、大塚さんが得意とする光と風がふんだんに入る、小さくても居心地のいい住まいが実現しました。
“完全分離タイプの2世帯住宅”
[子世帯の希望] 2世帯それぞれのプライベートの確保
[親世帯の希望 ] こもり感のあるコンパクトな住まい
2F &子世帯 DK
キッチンとダイニングテーブルの 天板を、同じ素材でオーダー
白いオーダーキッチンは、「料理教室を開く日を夢見て、調理中も会話が楽しめるⅡ型に」とMさん。
ダイニングテーブルも一緒に造作して、キッチンの延長で使えるように。
2F &子世帯 キッチン
造りつけの大型収納でいつでも“すっきり”をキープ
「小さな家だと家具がおさまりにくいことが多いので、収納は造りつけにするのがおすすめ、というのを大塚さんから聞いたときは、なるほど!と思いました」とMさん夫妻。
2F &子世帯 階段
降り注ぐ太陽の光に誘われて思わず上階に行きたくなる♪
省スペースですむらせん階段は、スペースを有効に使うプラン。さらに、蹴込み板のないスケルトンタイプにすると、トップライトから自然光が入り、開放感が高まります。
2F &子世帯 トイレ
表情のある大理石を敷いて白い壁との対比を楽しんで
トイレは「TOTO」の「ネオレスト」。床材はLDKと同じ大理石にしました。「白くて明るい大理石は、
空間に広がりを感じさせるいい素材と知り、自分から希望しました」とKさん
3F &子世帯 寝室
朝日で目覚め、月明かりで 眠りにつける、とっておきの寝室
トップライトから光がたっぷり入る3階。壁一面の本棚は、ディスプレイスペースとしても活躍しています。
くつろぎ感を高めるために、床はフローリングに。壁には、採光しつつ目隠しもできるガラスブロックを。
3F &子世帯 サニタリー
開閉スペースをとらない 引き戸を採用
寝室から見えても美しい部分のみ開口部で切りとれば、扉をあけたままでも違和感はなし。
「ホテルのようで気に入っています」とKさん。洗面ボウルは「サンワカンパニー」。
3F &子世帯 サニタリー&浴室
水回りはワンルームにまとめてスペースを最小限に抑えて
サニタリーと浴室の間をアクリル製の扉にすることで、限られた空間でもゆとりを感じられるように。
浴室内に、階段室のトップライトからの光をとり入れているのもポイント。
1F 親世帯 LD
使い勝手のよさとお手入れのしやすさを考えたらこの広さが理想的
木の床×コンクリート壁の コントラストがおしゃれ
オレンジのソファは「カンディハウス」で新調。ダイニングチェアとしても使える、ほどよい高さがお気に入り。
「ここでお酒を飲みながら、テレビを見るのが至福」とお父さま。
1F 親世帯 リビング
「2階から物音がすると なぜか、ほっとします。 ひとつ屋根の下で暮らすことのありがたさを 改めて感じています」
和の要素をとり入れて落ち着きも感じられるように
押入れの下に布団を収納。寝るときだけ広げて、昼間は居室として使えるようにしています。
押入れだけでは収納不足のため、床下収納を設けているのも狭小住宅ならではの工夫
1F 親世帯 キッチン
作業&管理がしやすい広さで以前より家事がラクに
「一見コンパクトですが、ワンステップでモノの出し入れができるので使い勝手には納得。外食の機会が多いので、キッチンはこれくらいで十分です」とお母さま。
1F 親世帯 サニタリー&浴室
間接照明が配されたホテルライクなバスルーム
「小さいながらもリッチな気分を味わえるように」という大塚さんの思いから、間接照明を低い位置に設置。ご両親も、お風呂に入るたびに「ホテルのよう」とうれしくなるそう。
外観
お互いを思う気持ちと豊かな発想のプランでみんなが笑顔になれる家に
親世帯が求めたことは、「私たちはこぢんまり、その分、子世代がのびのび暮らせたら」ということだけ。お二人とも外出が好きなため、「不便なところに住むよりは、都心で、慣れ親しんだこの街がいちばん。家が広すぎても掃除が面倒で、荷物がふえて管理も大変になるので、ちょうどいい広さです」とAさん。
二世帯住宅というと、共用のリビングを設けたり、玄関を一緒にしてスペースやコストを削減するケースが多いなか、Mさんは完全分離型を選択。子どものいない大人だけのつきあいのため、ほどよい距離感があったほうがいいと判断したそう。「気軽に一緒に食事を楽しめて、いろいろと助け合うこともできる。二世帯住宅にしてよかったと思います」
設計のPOINT
「土地のハードルは高くても 設計の工夫で快適な二世帯住宅に」
設計士プロフィール
ノアノア空間工房 大塚 泰子さん
完全分離タイプですが、小さな家なのでお互いの気配が自然と感じられるのがいいところ。各フロアほぼワンルームの構成で、横のつながりも大切にしています。家の中心で良質な光が入る2階にLDKを設けたのもポイント。
1971年生まれ。日本大学大学院生産工学部建築工学修士課程修了。㈱アーツ&クラフツ建築研究所入社。
「ちっちゃな家シリーズ」の設計に参加。2003年現事務所を設立。
ご家庭プロフィール
家族構成 |
夫婦+妻の両親 |
敷地面積 |
49.58㎡(14.99坪) |
建築面積 |
28.17㎡(8.52坪) |
延べ床面積 |
70.46㎡(21.31坪) 1F 22.66㎡ + 2F 23.60㎡ + 3F 24.20㎡ |
構造・工法 |
RC造3階建て |
工期 |
2010年2月~8月 |
本体工事費 |
約3000万円 |
3.3㎡単価 |
約141万円 |
設計 |
ノアノア空間工房 TEL:03-5969-8800 |
施工 |
吉野建設 TEL: 042-485-1514 |
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