手先や指先がきれいな人は、とても素敵。しかし、年齢を重ねると、指先の印象を決める爪にトラブルが出てくる方もいるのではないでしょうか。
ネイルなどで気になる症状を隠すのではなく、しっかりケアすることで爪の老化は予防できます。今回は、よくある爪のトラブルとその解決法をご紹介します。
その爪の症状は年齢のせいかも?
女性の年齢は手に出やすいといわれますが、実は爪にもあらわれます。
爪の不調が起こる原因として、加齢による女性ホルモンの減少により保湿力が低下していることが挙げられます。爪はおもに「ケラチン」というタンパク質でできていますが、からだの末端まで栄養が届かなくなると、爪にも影響がでてきます。
まずは、年齢とともに起こりやすい爪トラブルについてご紹介します。
1.爪が割れる
爪が乾燥する、割れるのにはさまざまな原因があります。更年期によるホルモンバランスの乱れもありますが、他にもビタミン不足、紫外線、日焼け、除光液などが原因となる場合もあります。
2.爪に縦線が入る
爪に縦線が入るのは、乾燥や圧力などの外的な要因が多いといわれています。爪も皮膚と同じ成分からできているため、とくに乾燥する季節は爪が割れやすくなります。
また、ネイルアートや除光液などを繰り返すことで、さらに爪が乾燥した状態になります。
3.爪が凸凹している
爪が凸凹するのは、鉄分不足が原因かもしれません。
鉄欠乏性貧血によって、鉄分が爪に行きわたらなくなった場合、爪の中央が凹み、先が反り返ってスプーンのようになることがあります。匙状爪ともよばれ、親指、人差し指、中指に多くみられます。
また、爪の凸凹は、ストレスや体調不良が原因なこともあります。過度なストレスがかかると、爪のもとになる爪母という部分に血が行きわたらなくなり、爪が凹むことがあるのです。
このほか、常に爪が凸凹している、爪の周りが赤い、爪が白くなったなどの症状がある場合は、爪白癬(つめはくせん)や乾癬(かんせん)、扁平苔癬(へんぺいたいせん)などの病気が隠れている可能性があるため医療機関を受診してください。
健康な爪を育てる栄養素は?
爪に大切な栄養素としては、ケラチンの素となるタンパク質や、強い爪にするビタミンA、新陳代謝を活発にするビタミンB、爪の細胞を活発にするビタミンHやビタミンB7などのビオチン、鉄分などが挙げられます。
タンパク質は、肉類、魚類、卵などに多く含まれます。また、ビタミンAは、鶏や豚レバー、鰻などに豊富です。ビタミンB2は、緑黄色野菜、果実などの食材に多く含まれています。
どの栄養素も、毎日の食事からしっかりと摂取するように心がけましょう。
更年期の爪ケアのポイント
更年期の爪ケアのポイントは、血流の改善と保湿です。更年期により女性ホルモンが減少することで、水分を保持し、調節する機能も低下してきます。そのため、爪も乾燥しやすくなるのです。
また、年齢とともに代謝機能が低下すると、血流やリンパの流れが悪くなります。健康な爪を維持するには、食事や睡眠に加えて、乾燥対策と血流対策が重要です。
1.爪マッサージ
爪は、からだの先端にあるため、血液やリンパの流れが悪いとそのダメージを受けてしまいます。血液の流れが滞ることで栄養素も十分に運ばれなくなり、爪に栄養が行き届かなくなります。
血流が改善されるように、入浴時やリラックスタイムにゆっくりと爪をマッサージをするのがおすすめです。
2.保湿ケア
爪は乾燥に弱く、年齢とともに水分を保持する力が弱まるともろくなります。そのため、乾燥を防いでしっかり保湿ケアをしましょう。
爪の甘皮の部分が乾燥していると、新しく生えてくる爪ももろくなってしまうため、生え際までしっかり保湿クリームや軟膏などを塗りこみましょう。
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指先美人を目指すには漢方で内側から改善するのもおすすめ
漢方の世界では、爪は「肝の華」といわれるほど、肝の状態をあらわすものとされています。「肝」は「血(けつ)」を貯める役割をしており、血が不足すると爪にもその影響がでてしまいます。
漢方では、血管を広げる作用や血液の量を増やす作用によって、皮膚や爪も含む全身に栄養を行きわたらせ、爪のお悩みを改善していきます。
指先美人を目指すために、からだの内側から体質改善を目指せる漢方薬をご紹介します。
<爪トラブルでお悩みの方におすすめの漢方薬>
・四物湯(しもつとう)
「血」を養う代表的な漢方薬です。4つの生薬で構成されており、血液の巡りをよくして、ホルモンバランスを整える働きがあるため、更年期や肌のトラブルなどに用いられます。
・当帰飲子(とうきいんし)
当帰飲子は、四物湯を含んだ漢方薬です。10種類の生薬から成り、皮膚に潤いを与え、乾燥した肌のかゆみを改善させる働きがあります。体力のない方に向いている漢方薬で、高齢の方でも使用できます。
このように、漢方を使って爪の不調を内側から改善することもできます。漢方薬はシンプルな生薬で構成されているものもありますが、反面、一つひとつの生薬の効果が強くでる場合もあります。
そのため、使用する際には、その人の体調や体質を考慮しなければならず、体質に合っていないと、副作用が生じることもあります。
どの漢方薬が自分に合うのかを見極めるためには、プロの力を借りるのがおすすめ。「あんしん漢方」などのオンライン漢方サービスに、一度相談してみるのもいいでしょう。
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自分にあった方法で指先美人になろう
老化は誰にとっても避けられないものです。とくに女性は更年期に伴い、女性ホルモンが減少してさまざまな症状が出がちです。
しかし、それらの対策を知り、日頃からケアすることで爪の悩みは解決できます。栄養バランスと簡単なケアに加えて、漢方という選択肢があることも覚えておきましょう。
<この記事を書いた人>
薬剤師 相田 彩
薬剤師。昭和薬科大学薬学科卒業。
総合リハビリテーション病院、精神科専門病院、調剤薬局に勤務するなかで、漢方薬が使用される症例の多さと、体質や症状に適した漢方を使用することの重要性を実感する。漢方薬の力をより多くの方に広めるために、漢方のプロがAIを活用して自分に適した漢方薬を選び、お手頃価格で自宅に郵送してくれる「あんしん漢方」で情報発信をしている。
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