外出自粛やテレワークが増えたことで、精神面での不調を訴える方が増えてきています。ストレスや精神面の目に見えない不調の改善には「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンを増やす方法がおすすめです。
そこで今回は、セロトニンについて説明します。ストレスや精神面の不調を克服して、毎日笑顔で過ごすための参考にしてください。
(文/薬剤師 伊川ナナ)
幸せホルモン「セロトニン」とは?
「セロトニン」をご存じでしょうか? セロトニンは脳内で分泌される神経伝達物質で、精神を安定させる働きをもちます。分泌によって幸福感が高まるため、「幸せホルモン」とも呼ばれています。
一方で、セロトニンの分泌量が低下すると、他の神経伝達物質であるドーパミンやノルアドレナリンのコントロールが不安定になり、ストレスを感じやすくなるといわれています。
セロトニンの分泌を活性化するとされるのが、女性ホルモンのエストロゲンです。そのため、女性ホルモンが減少するとセロトニンの分泌量も減少し、精神が不安定になりやすくなります。
女性ホルモンが大きく減少する更年期の女性は、とくに注意が必要です。
セロトニンを増やすことで得られるメリット
次に、セロトニンによって得られるメリットをご紹介します。
1.ストレスが軽減される
セロトニンの分泌量が増えると、神経伝達物質のコントロールが安定し、ストレスが軽減します。セロトニンを増やすことは、精神の健康状態を整えることにつながるのです。
2.体調が安定する
セロトニンには、交感神経・副交感神経を調節することで自律神経を整えるはたらきがあります。セロトニンが十分に分泌されると、自律神経のバランスが整い体調が安定します。
3.更年期の諸症状を緩和する
更年期の女性は、女性ホルモンが減ることにより自律神経の乱れが起きやすく、さまざまな症状があらわれます。意識的にセロトニンの分泌を増やすことができれば、自律神経のバランスが整い更年期症状の緩和も期待できます。
セロトニンの分泌を促す方法とは?
セロトニンの分泌を促す方法についてご紹介します。
1.日光をあびる
セロトニンは、日光を浴びることで分泌が促されます。テレワークや巣ごもりなどで、日光を浴びる時間が少なくなっている方もいるのではないでしょうか?
日光を浴びる時間の目安は、1日15分~30分。毎朝、時間を決めて散歩に出るなど、日光に当たる習慣をつけるようにしましょう。
2.トリプトファンの多い食材を摂取する
セロトニンは脳内で作られますが、セロトニンを生成する際の材料として、必須アミノ酸のトリプトファンが必要となります。トリプトファンは体内で作ることができないため、トリプトファンを多く含む食材を意識して摂取することが大切です。
<トリプトファンが多く含まれている食材>
・豆腐、納豆などの大豆製品
・チーズ、牛乳、ヨーグルトなどの乳製品
これらを食事で摂ることを習慣にするといいでしょう。
ストレスや心の悩みには漢方薬もおすすめ
漢方医学では、イライラや落込みといったトラブルは、月経、妊娠、出産、更年期、生活習慣などを原因とする女性ホルモンのバランスの乱れによって起こりやすくなると考えられています。そのため、婦人科でも「気分が沈む」「イライラがひどい」などの症状に漢方薬が使われることは多くあります。
ストレスによるイライラや落込み、不眠などに陥りやすい不調を根本から改善し、原因となる精神的・肉体的な不調を整え、心の状態を調節することが可能です。
漢方薬は多くの症例により効果が認められている医薬品ですが、自然の素材がからだにやさしくはたらくため、一般的には西洋薬よりも副作用が少ないといわれています。からだ全体に作用し、ホルモンバランスや自律神経の乱れを根本から整えていきます。
<精神が不安定になりがちな方におすすめの漢方薬>
・桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)
やせて顔色が悪く、体質虚弱な方の精神過敏や精神不安などに用います。
・柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)
比較的体力がある方の精神不安やイライラなどの精神神経症状に用います。
・抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)
比較的体力が低下した方の精神過敏やイライラなどの症状に用います。
ただし、漢方薬を選ぶときに重要なのは、その人の状態や体質に合っているか、ということです。うまく合っていないと、効果を感じられないだけでなく、場合によっては副作用が生じる可能性もあります。
どの漢方薬が自分に合うのかを見極めるためには、プロの力を借りるのがおすすめです。「あんしん漢方」などのオンライン漢方サービスに、一度相談してみるのもいいでしょう。
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セロトニンを増やして毎日笑顔で過ごそう
外出自粛やテレワークの影響で、ストレスや心の悩みが増えています。セロトニンの分泌を意識的に増やしていくことで、症状の改善を目指しましょう。
セルフケアだけでは十分に効果が得られなかった方は、漢方薬がおすすめです。漢方薬は自分の体質に合ったものを選ぶことが大切ですので、専門家に相談しながら、自分に合う漢方薬を見つけてみてくださいね。
<この記事を書いた人>
薬剤師 伊川ナナ
プロフィール:国立大学薬学部卒業後、大学病院前、医療モール内などさまざまな薬局に従事。現在は薬や医療に関する記事を執筆するライターとして活動中。
自身も漢方薬に助けられた経験があり、より多くの人に漢方薬を知ってもらいたいと考え、漢方薬に関する記事も手がけている。
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