「最近、なんとなくおなかの調子がよくない」「夏の終わりになると食欲がなくなる……」
せっかくこれから食欲の秋なのに、このような症状があるとつらいですよね。
このような症状は、もしかしたら、夏の胃腸疲れから「消化不良」が起こっているのかもしれません。更年期との関係も気になりますよね。
この記事では、消化不良の原因やおすすめの対処法についてご紹介します。消化不良の対処法を身につけて、食欲の秋を楽しみましょう。
(文/薬剤師 西里美咲)
胃腸弱ってない?「消化不良」セルフチェック
胃腸の弱りや疲れを感じている方は、消化不良のセルフチェックをしてみましょう。
<消化不良にみられる症状>
・舌の色が白い
・食べ過ぎていないのに胃もたれがする
・食事中や食後などに、胸やけやげっぷ、吐き気などの症状がある
・口臭が気になる
・以前よりも食欲が減り、食べる量が減った
・おなかにガスがたまっている気がする
このような症状がある方は、消化不良が起きている可能性があります。
消化不良の原因は?
身体的な疾患がないにもかかわらず、胃腸のはたらきが低下して、食欲不振やおなかの張り、胸やけ、吐き気などの症状があらわれるのが、消化不良です。
胃腸はデリケートな器官なので、「ストレス」や、「飲食物による胃腸への負担(食べ過ぎ・飲み過ぎ・脂っこいものの摂り過ぎ)」などから消化不良が起こりやすいくなります。
とくに、夏は暑さや室内外の温度差などのストレスで、自律神経のバランスが乱れやすくなります。そのため、自律神経によって調節されている胃腸のはたらきが低下しやすくなるのです。
さらに、更年期は急激な女性ホルモンの減少によって自律神経が乱れやすい状態であるため、より胃腸の不調が起こりやすいといわれています。
疲れた胃腸を回復させる方法とは?
疲れた胃腸を回復させる、おすすめの方法をご紹介します。
1.規則正しい生活で自律神経を整えよう
胃腸は、自律神経の影響を強く受ける臓器です。
次のような点を心がけて、自律神経を整えましょう。
・十分な睡眠をとる
・適度な運動をする
・禁煙する
睡眠や運動が不足すると、消化機能が低下しやすくなります。
十分な睡眠や適度な運動は、消化機能をアップさせるだけでなく、ストレス解消にも効果的です。
2.胃腸にやさしい食習慣をはじめよう
次のような胃腸にやさしい食習慣で、弱った胃腸の機能を助けてあげましょう。
・消化のいいものを食べる
・ゆっくりよく噛んで食べる
・食事は腹八分目を心がける
・冷たい飲食物を控える
・脂肪分の多い食事は避ける
・カフェイン、アルコール、辛い物などの刺激物は控える
・食後は休息をとる
消化のいい食べ物には、次のようなものがあります。
<消化のいい食べ物>
おかゆ、うどん、白身魚、鶏のささみ、赤身肉、豆腐、牛乳、ヨーグルト、青菜、にんじん、大根、かぼちゃ、じゃがいも、白菜、かぶ、バナナ、キウイ、リンゴなど
このような食材を、小さく切ったり、柔らかく煮たりすると、より消化されやすくなります。
3.すぐできる!消化不良に効果的な簡単ツボ押し
自宅やオフィスでも自分で簡単にできる、便利なツボをご紹介します。
<消化不良に効果的なおなかのツボ2選>
・中脘(ちゅうかん):みぞおちとおへその間の中間の位置にあるツボ
消化不良やむくみの解消に効果的です。
・天枢(てんすう):おへそから指3本分外側にあるツボ
胃腸のはたらきを整えて、消化をスムーズにしてくれます。
これらのおなかのツボを気持ちいいと感じる程度に、息を吐きながら数回ゆっくりと押してみましょう。
4.漢方で根本から胃腸機能の体質改善を目指すのもおすすめ
繰り返す胃腸の不調に悩む方には、漢方薬がおすすめです。漢方薬は胃腸を根本から強化することを目的として医療現場でも使われています。
漢方では、健康を維持するうえで、胃腸のはたらきを重視しています。そのため、「なんとなく胃腸の調子が悪い」「食欲が落ちて元気が出ない」などの症状に効果があるとされる漢方薬が、いくつもあるのです。
漢方薬は自然の素材がからだにやさしくはたらくため、一般的には西洋薬よりも副作用が少ないといわれています。
さらに、漢方薬は現在生じている不調を抑えるだけではありません。からだ全体に作用し、ホルモンバランスや自律神経の乱れを根本から整えていきます。
胃腸の不調に悩む方は、以下の漢方薬を取り入れてみてはいかがでしょうか。
<消化不良におすすめの漢方薬>
・六君子湯(りっくんしとう):体力があまりなく、胃腸が弱い方
体内に滞った「気(き・生命エネルギー)」を補い、めぐりをよくして、胃腸のはたらきを高めてくれます。
・人参湯(にんじんとう): 体力がなく、冷え性で胃腸が弱い方
胃腸のはたらきを高めて、なんとなく不調な胃腸を元気にしてくれます。
ただし、漢方薬を選ぶときに重要なのは、その人の状態や体質に合っているか、ということです。うまく合っていないと、効果を感じられないだけでなく、場合によっては副作用が生じることもあります。
どの漢方薬が自分に合うのかを見極めるためには、プロの力を借りるのがおすすめです。「あんしん漢方」などのオンライン漢方サービスに、一度相談してみるのもいいでしょう。
漢方に詳しい薬剤師が一人ひとりに効く漢方薬を見極めて、お手頃価格で自宅まで郵送してくれますよ。
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夏の胃腸疲れをリセットして食欲の秋を楽しみましょう!
消化不良は、からだのダルさや疲れにもつながる、つらい症状です。消化不良の改善には、ライフスタイルの見直しや、胃腸にやさしい食習慣を心がけること、消化不良に効果的なツボ押しを行うことなどがおすすめです。
また、体質から改善したい場合は、専門家に相談して漢方薬を取り入れてみるのもいいでしょう。
胃腸をスッキリ整えて、食欲の秋を楽しみましょう。
<この記事を書いた人>
薬剤師 西里美咲
大学時代は生薬学研究室に所属し、美容成分の研究を行う。卒業後は製薬会社勤務、調剤薬局勤務を経て、現在は3人の子供の育児に奮闘しながら執筆活動中。
自身の妊娠中や産後の不調を、漢方の服用と生活習慣の見直しにより改善できた経験から、漢方やセルフケアの効果を実感し、同じように不調に悩む女性をサポートしたいと考えている。パーソナルリンパケアリスト資格所有。
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