こんにちは!
暮らしニスタ「家事コツ研究室」研究員Oです。
コロナ禍では、出かけるときにはマスクが必需品。
今や、色とりどりの布製マスクやウレタンなど様々な種類が出回っていますが、国立研究開発法人「理化学研究所」がスーパーコンピューター「富岳」を使って行ったシミュレーション結果によれば、飛沫が拡散するのを最も抑えられるのは不織布とのこと。
このニュースを耳にし、あらためて不織布マスクを見直した人も少なくないのではないでしょうか?
ただ、一度使っただけで捨てるのは、なんだかもったいない。
とはいえ、何日も使いまわすのは不衛生だし、洗うとマスクとしての効果が落ちてしまいそう…などと思っていたら、なんと使い捨ての「不織布マスクは洗って使える」との情報が!
性能は落ちても洗濯→再利用は可能!
この情報の発信者は、製紙会社で不織布の研究を続け、繊維部門の国家資格「技術士」を持つ奥恭行氏。
不織布マスクは素材が3層になっているものが多く、層の中央の繊維が帯電(電気を帯びること)されていて、そこでウィルスをキャッチする仕組みですが、この帯電効果は水や洗剤によって効果が減少。
90%以上のフィルタ捕集効果をうたうマスクを洗った場合、70%程度に効果は落ちるものの、奥氏の経験上、「それ以上は低下しなかった」そうです。
布マスクがもともと40%程度の捕集率しかないことを考えると、「布マスクよりは洗った不織布マスクのほうがベター」。
ガーゼマスクに比べて耐久性はないものの、「不織布を破壊するような強い力でなければ、手洗い可能」なのだと言います。
そこで、奥氏のオススメする方法で不織布マスクを洗ってみました。
使い捨てマスクの正しい洗い方
使う洗剤は、「家庭用洗剤、食器用洗剤、手洗い洗剤なんでも可能」とのことですが、今回は顔につけるマスクを洗うので、肌に優しい洗濯用の中性洗剤を選びました。
家の中にある洗剤が中性洗剤かどうかを確認したいときは、商品パッケージの液性のところを見るとはっきり「中性」と書かれているので確認することができますよ。
我が家にある中性洗剤は、衣類用洗濯剤だったので、こちらを使います。
では洗い方を紹介します。
【準備するもの】
桶…1個
水…1L
中性洗剤…0.3g
乾いたタオル…1枚
1.桶に水をはり、中性洗剤を溶かす
お風呂などで使う桶を準備し、そこに水(もしくはぬるま湯)を入れ、パッケージに書かれている分量の中性洗剤を入れます。
例えば、この商品だと30Lで10g溶かすように書かれているので、1Lの水には0.3gの洗剤を溶かします。0.3gってどれくらいかわかりにくいと思いますが、これで0.3gです。
アイスを食べるときについてくる小さいスプーン軽く1杯分くらいです。これくらいの分量と覚えておけば、毎回計る必要がありませんね。
これを桶の水に入れて、スプーンでかき混ぜながら溶かします。
2.使い捨てマスクを浸し、押し洗いをする
1の桶に使い捨てマスクを浸します。
全部が浸かったらマスクの上から手で優しく押さえ、押し洗いをします。
力を入れてもみ洗いしてしまうと、マスクの繊維が傷ついたり、型くずれしてしまうので、あくまで優しく。
あるいは1時間ほどつけおきしても良いようです。
3.水で十分すすぐ
2で押し洗いしたマスクを取り出し、桶の水をきれいな水に入れ替えたら水ですすぎます。
これを水を入れ替えて3回ほど繰り返しました。
4.乾いたタオルに挟み、水分を取る
十分すすいだマスクを乾いたタオル、またはキッチンペーパーに挟み、余分な水分を取りましょう。
水分が取れたら、少ししわを伸ばしておくと、乾いたあとも型くずれしにくくなりますよ。
5.マスクを干す
あとは洗濯物同様、つるして乾燥させるだけ。マスク自体かなり薄いので、晴れた日なら30分もあれば乾きましたよ。
ちなみに、使い捨てマスクの中には、熱に弱い材料が使われているマスクもあり、また型くずれさせないためにも乾燥機やアイロンは使用不可だそう。
きれいになって見た目は新品同様に!
中性洗剤で洗った使い捨てマスクはこちらです。
もともと洗うことを想定されていないので、しわが残ったりするかなと思ったのですが、見た目はほぼ新品に近い状態になりました。
この洗いあがりなら、問題なく使えそうです。
奥氏によれば、「洗濯の目的はあくまで汚れを落とすこと。
除菌や抗ウイルスが気になる場合は、除菌洗剤での洗浄や、洗濯後のアルコール噴霧などをオススメします」とのことです。
一方、布マスクの洗い方は?
さて、一方で気になるのは、布マスク。
使い捨てマスクが洗って再利用できるくらいですから、布マスクも当然手洗いすることはできます。
大手日用品メーカーの花王が公表している洗い方を見ると、使い捨てマスクの洗い方と同じですね。
https://www.kao.com/jp/hygiene-science/general/clothmask-washing-method/
ちなみに洗濯時の注意点としては、炊事用手袋を使うこと、複数のマスクを一度に洗わないこと、洗濯液の飛沫に触れないようできるだけフタつきの金属以外の容器で処理すること、洗濯後は十分に手を洗うことだそう。
花王以外に国からも布マスクの洗い方が動画で紹介されていたりします。
【参考】厚生労働省・経済産業省 布製マスクの洗い方
コロナ禍の一日も早い終息を願うばかり
日本では現在、かなり感染が抑えられていますが、ここで油断してしまうとさらに状況が悪化する可能性が。日頃からできるだけ3密(密閉、密集、密接)は避け、マスク・手洗いの徹底続けていきたいですね。
取材・文/JUNKO
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