ウイスキーの賞味期限が知りたい！未開封と開封でどのくらい違うの？

少し前までは、「お酒通が飲む大人のお酒」というイメージが強かったウイスキーも、昨今のハイボールブームもあって身近なお酒として幅広い世代に人気を集めています。

その一方で、以前買ったウイスキーが自宅に置きっぱなしになっていて、「まだ飲めるの？もう飲めないの？」とわからないままの人もいるのでは。そこで今回は、ウイスキーの賞味期限や保管方法を中心にご紹介します！

ウイスキーについて知りたい

みなさんは、ウイスキーについてどのようなイメージを持っていますか。大人のお酒、値段が高め、度数が高い……と、特に若い方の中には、「お酒の上級者」的な存在に感じている方も多いかもしれません。でも、ウイスキーは気軽に飲めるお酒の一つ。ダイエット中の方にも人気のお酒なんです。

そもそもウイスキーって？

ウイスキーとは、大麦やトウモロコシといった穀物を麦芽の酵素で糖化・発酵させて蒸留し、木製の樽で熟成させたお酒のこと。ウイスキー特有の琥珀色は、木の樽で長い年月をかけてじっくり熟成させることで生まれます。この熟成こそが、ウイスキーに香りや深みを与える大切な工程です。

ウイスキーの中でも、「モルトウイスキー」や「グレーンウイスキー」という言葉を耳にしたことはありませんか。これは原料による違い。大麦だけを使用したものが「モルトウイスキー」で、ふくよかな香りを持っています。

もう一つの「グレーンウイスキー」とは、トウモロコシなどの穀物を原料にしたもの。すっきりとした軽やかな味が特徴です。

さらにこの2つを組み合わせたものを「ブレンデッドウイスキー」と呼び、それぞれ個性の異なる原酒をブレンドすることで、奥行きのあるウイスキーに仕上げています。

ウイスキーのカロリーは？

ダイエット中のお酒、気になりますよね。まずはそのカロリーですが、商品によって違うため一概には言えないものの、一般的なものとしてウイスキー100mlに対してのカロリーは約237kcal。ビールは100mlあたり約40kcalです。

この数字だけを見ると、ウイスキーはビールに比べてずいぶんと高カロリーなお酒に思えます。ダイエット中はビールの方がいいのでは……と考えてしまいそうですが、ビールの場合は1缶350mlを一杯として140kcalあります。

一方のウイスキーはというと、アルコール度数が高いため一度に飲む量はシングル一杯で30mlほど。30mlのカロリーは71kcalなので、ビール1杯の約半分。しかも、ゴクゴク飲むビールと違ってウイスキーは味わいながら時間をかけてじっくりとグラスを傾けるので、ダイエットにオススメのお酒と言えます。ただし、量を多く摂取すれば当然カロリーも高くなりますのでご注意を。

ウイスキーの糖質は？

なんと、ウイスキーは糖質ゼロ！同じ穀物を使っている日本酒やビールなどの「醸造酒」には糖質が含まれていますが、ウイスキーなど発酵させたお酒を蒸留してつくる「蒸留酒」には糖質がありません。糖質制限ダイエットをしている方にはぴったりのお酒です。

ただ、ウイスキーを使ったカクテルには、合わせるものによって糖質が含まれるので、その点に注意が必要です。

ウイスキーの賞味期限が知りたい

「ずっと家に置きっぱなしになっていたウイスキー、瓶のラベルを見ても賞味期限が書かれていないけど、美味しく飲めるの？」。そんな疑問を抱いている方も多いかもしれません。基本的にウイスキーに賞味期限はありませんが、正確には開封しているかしていないかによって美味しく飲める期間が異なります。

未開封の場合

ウイスキーはアルコール度数が高い蒸留酒。雑菌が好むたんぱく質などが含まれず、また高いアルコール度数によって雑菌が繁殖することもありません。そのため、長期間の保存が可能で賞味期限を表示しなくてもいいことになっています。

きちんと保存をしていて未開封であれば、ウイスキーの種類に関係なく賞味期限がないお酒です。とはいえ、メーカーでは香りも味も一番いいタイミングでボトリングをしているので、なるべく早めに飲んだ方がいいかもしれませんね。

開封済みの場合

開封してからの保管状態や、飲む頻度、瓶に残っている量にもよっても変わりますが、半年くらいが美味しく飲める目安です。ウイスキーは、ワインや日本酒などの醸造酒に比べて開封後も風味が変わるスピードが遅く、長期間その美味しさを楽しむことができますが、開封した瞬間からアルコール分が飛び、それに伴って香りや味が徐々に落ちていきます。

未開封では賞味期限はありませんが、開けてしまったら賞味期限があると考えた方がよさそうです。せっかくの風味やバランスを損なわないうちに飲み切りましょう。

コルク栓を使用している場合

最近はあまり見かけませんが、オールドボトルの中にはコルク栓を使用しているものがあります。コルク栓は柔軟性があって密閉性にも優れていますが、天然素材で作られています。

たとえ未開封であっても、長期間保存しているうちに収縮し、ボトルとコルク栓の間に隙間ができてしまったり、乾燥によってコルク栓自体にひび割れができてしまったりする場合も。その隙間から徐々に蒸発して中身が少なくなることや、酸化が進んで風味が落ちることがあるのです。

隙間ができていない場合でも、経年劣化による弾力性の低下から、コルクがもろくなって栓がうまく開けられなくなる場合もあるので、扱いには十分注意してくださいね。

さらに、ボトルを倒すなどしてコルク栓とウイスキーが触れている状態で長期間保存すると、コルクの臭いがウイスキーに移ってしまい、味を損ねてしまうこともあるんです。コルク栓のウイスキーは立てて保存し、開けたら市販のボトル栓で密閉性を高めれば、美味しいウイスキーが長く楽しめますよ。

ウイスキーはワインのように熟成するのか知りたい

ワインには、ワインセラーなどで適正に管理すると美味しく熟成するものもあります。しかしウイスキーの場合、樽の中では熟成しても、残念ながらボトルに入った状態で寝かせたところで熟成することはありません。一番美味しいタイミングでボトリングされているので、なるべく早く飲みきってしまいましょう。

最近ではミニ樽やオークボトルといった、自宅で手軽にウイスキーの熟成が楽しめるアイテムも販売されています。熟成に興味がある方は、そちらを試してみてもいいですね。

ウイスキーの正しい保管方法が知りたい

ウイスキーは、温度や湿度が高いところや紫外線が当たるところ、臭いがあるところに置くと風味が落ちてしまいます。保存方法は開封前と開封後、飲む頻度によっても変わりますので、自分のスタイルに合わせて正しく行い、できるだけ美味しさをキープしてください。

開封前のウイスキーの保管方法

開封後はもちろん、開封前も直射日光が当たるところや、ガスコンロの近くなど紫外線が当たったり高温になったりする場所の保管はNG。冷暗所で、かつ湿気がなく、芳香剤など香りのあるものが近くにない場所で保管してください。エアコンが当たって温度変化が起きやすいところも避けた方がいいですね。

ウイスキーが入っている箱は光を遮断してくれるように作られていますので、箱のまま保管するのがベスト。箱を捨ててしまったという場合、代わりになる箱があれば、それに入れて光を遮る場所に立てて保管しましょう。

開封後のウイスキーの保管方法

開封後、高温多湿と直射日光を避けた保存をするとなると、思わず冷蔵庫に入れたくなりますよね。でも、冷蔵庫は避けた方が無難です。ウイスキーは冷やすことで香りが立ちにくくなってしまう上、冷蔵庫にある食品の臭いがウイスキーに移ってしまうという問題も。湿気のない冷暗所が最も保存に適しています。

また、注意してほしいのがボトルの置き方。ワインのように横に寝かせてしまうと、ウイスキーが空気に触れる面積が大きくなり、それが劣化につながってしまいます。そのため、必ず立てて保存してください。

さらに、開封後は飲む頻度によっても保存方法が少し異なりますので、自分のスタイルに合わせて対処してくださいね。

頻繁に飲む人

1週間に2～3日、もしくは毎日のように飲む人の場合は、湿気のない冷暗所に保管しておけば大丈夫。少し面倒ですが、飲んだらその都度箱に入れてください。栓をきっちりと締めることもお忘れなく。箱がない場合はアルミホイルでボトルを包むのも手。

週1回程度の割合で飲む人

週に1回程度で楽しむ場合も、冷暗所での保管がオススメです。箱に入れること、栓をしっかり締めて立てて保存することも同じです。ボトルのウイスキーが減るとその分ボトルの中の空気が増えます。そのため、小さく密閉性の高いボトルに移し替え、空気に触れる面を減らせば酸化のスピードを遅らせることができます。

ただし、移し替えるときにはどうしても空気に触れてしまいます。何度も移し替えるとその分、空気に触れる機会も増えて劣化してしまうので注意してください。

しっかり保存したいときの対処法

よりしっかりと保存したい場合は、コルク栓をしっかり締めた上から気密性のあるパラフィルムを巻くという方法もあります。また、空気に触れないようにするため、「プライベート・プリザーブド」という器具を使って、瓶の中に無味無臭のガス層をつくるのもオススメですよ。

まとめ

自宅でウイスキーを飲む場合、開封して一気に飲み切ることはありませんよね。だからこそ、保存の仕方がとても重要。ちょっとした工夫で美味しい状態がキープできるので、ぜひ取り入れてウイスキーを楽しんでくださいね。

文／関東博子