ミントやライムを、甘みのあるラム酒と合わせる爽やかなカクテル、モヒート。フレッシュのミントなどを使って、ひと手間かけて作るカクテルだから、ホテルのバーなどで飲むイメージがあるかもしれませんね。
でも実は、家庭でも案外手軽に作ることができるんです!
ここではそんなモヒートの基本的な作り方をご紹介。モヒートをアレンジして楽しむ8つの方法もお伝えします♪
モヒートとはどんなカクテルなの?
モヒートとは、ラム酒にソーダ、ライム、ミント、砂糖を合わせて作るカクテルのこと。もともとはキューバで誕生したカクテルですが、近年は日本でもモヒートイベントが開催されるなど、注目度が上昇していますよね。今では世界各地のバーで愛飲されています。
モヒートのベースになっているラム酒は、サトウキビの搾り汁を煮詰めたときに残る「糖蜜」を原料とする蒸留酒。ラム酒はコクとほのかな甘みがあるのが特徴のひとつです。
そんなラム酒と、爽やかなライムやミントを合わせるからこそ、モヒートは甘みと清涼感が絶妙なバランスで味わえるカクテルなんです。
◎モヒートはどうやって生まれた?
写真はキューバ市街。
16世紀頃から、キューバではモヒートの前身となる「ドラケ」(Doraque)というカクテルが飲まれていました。ドラケのベースはラム酒ではないのですが、同じくサトウキビを原料にした蒸留酒。いわば荒削りなラム酒といったお酒で、そこにミントやライム、砂糖を合わせたものがドラケでした。
19世紀後半になると、バカルディ社がホワイトラムを開発。このホワイトラムをドラケのベースに置き換えたことで、モヒートが誕生したと言われています。キューバを愛した文豪、アーネスト・ヘミングウェイが好んでモヒートを飲んだことなどから、その名が広く知られるようになりました。
ちなみに、「モヒート」の名前はスペイン語で「濡らす」という意味の「mojar」(モハール)に由来するなど諸説あり。ただ、残念ながら真相はわかっていません。
モヒートの基本的な作り方は?
モヒートは作るのにちょっと手間がかかるカクテル。でも、シェーカーでシャカシャカするカクテルではありませんし、材料さえそろえば自宅でもおいしく作ることができるんです。
基本的な作り方をご紹介しますので、よかったら試してみてくださいね♪
【モヒートの材料(1杯分)】
・ラム酒(ホワイトラム)…30~50ml
・ライム…1/4~1/2個
・ミントの葉(できればスペアミント)…適量
・砂糖(ブラウンシュガー、三温糖など。ガムシロップでも可)…適量
・ソーダ(または炭酸水)…適量
・氷…適量
【作り方】
(1) ライムはナイフで4つ割りにします。
(2) グラスにライムとミントの葉、砂糖を入れます。ミントは仕上げの飾り用に少し残しておきましょう。
(3) すりこぎ棒やスプーンなどを使って、グラスのなかでライムをやさしくつぶし、果汁で砂糖を溶かします。
(4) グラスに氷をたっぷり入れます。ラム酒を注ぎ、マドラーで全体をよく混ぜます。
(5) ソーダを適量注ぎ入れて 軽く混ぜます。ミントを飾って完成。
◎モヒートを作るときのポイント
・氷が溶けてくると水っぽくなるので、ゆっくり味わうには氷を溶けにくくする工夫が大切。そのためにラム酒、ソーダ、グラスはあらかじめ冷蔵庫で冷やしておくとよいでしょう。
・ライムを潰すときには、バーでは「ペストル」という棒状の道具を使うのが一般的。もしなければ、小さめのすりこぎで棒やスプーンでも代用できます。
・ライムやミントは潰し過ぎると苦味が強くなります。グラスに入れたら、やさしく潰す程度に留めておきましょう。
・ミントの量は好みですが、清涼感を出すためにはたっぷり入れるのがおすすめです。モヒート1杯につき、ミントの葉は少なくても5枚、香りをしっかり楽しみたい人は20枚くらいを目安に。
モヒートを作るのにおすすめのホワイトラムが知りたい
モヒートに使うラム酒と言えば、基本はホワイトラム。
そもそもラム酒は造られる工程で、蒸留したあとに樽のなかでの熟成を経るのですが、ホワイトラムの場合は、熟成工程をカットするか短期間しか行わない、または内側を焼いていない樽で熟成させたあと活性炭で濾すなどして仕上げます。
だから無色透明に近く、樽熟成をしていないものは樽香がしない、フレッシュな味わい。モヒートにうってつけのラム酒なんです。
では、ホワイトラムなかでもモヒート作りによいのはどんなお酒なのか、おすすめの商品をピックアップしてみましょう。
◎バカルディ スペリオール(ホワイト)
モヒートの生みの親であるバカルディ社。そのバカルディ社のホワイトラム「スペリオール」は、モヒートのベースとして定番中の定番です。
12~18カ月ほどアメリカンオーク樽で熟成させたあと、再度活性炭で濾して仕上げるホワイトラムで、フルーティでココナッツのような味わいや甘みが魅力。モヒートのほかにも、フルーツを使ったカクテルのベースに活躍します。アルコール度数は40%、参考価格は750mlで1,400円程度(オープン価格)。
◎セブンシーズ シルバー
外国産のお酒というイメージがあるホワイトラムですが、実は、国産のものもあるんです! その代表格が高知県の菊水酒造による国産ホワイトラム「セブンシーズ」。原料であるサトウキビの甘みが感じられるホワイトラムとして人気のブランドです。
セブンシーズのシルバーは、高知県の自社農園で獲れるサトウキビを使用。それをもとに造る原酒を、樽熟成させずに仕上げるクリアなテイストとなっています。アルコール度数は40%、参考価格は700mlで2,600円程度。
◎ハバナクラブ 3年
モヒートは本場キューバと日本では味が違う、という話を聞いたことがある人もいるかもしれませんね。
もし、本場に近いモヒートを目指すなら、キューバ生粋のラムブランド「ハバナクラブ」がおすすめ。樽で3年間の熟成期間を経たホワイトラムは、スモーキーさとバニラやチョコレートの風味が共存する一品です。
モヒートはもちろん、いろいろなカクテルを作って楽しめますよ。アルコール度数は40%、参考価格は700mlでメーカー希望小売価格は1,200円。
◎ボルス モヒート
「フレッシュミントなどをそろえるのが面倒」とか、「家庭でササッとモヒートが作りたい」という人には、ボルスシリーズの「ボルスモヒート」はいかがでしょう? 氷を入れたグラスに注いで、炭酸水で割るだけでモヒートが作れる商品です。
「ボルス」は1575年にオランダでルーカス・ボルス氏が生み出したブランドで、果汁をはじめとした厳選素材を使用し、世界各地のバーテンダーから支持を集めているフレーバーリキュール。
ボルスモヒートは西インド諸島産のホワイトラムをベースに、ミントの葉とペパーミントのエキス、ライムオイルが加えて造られたもので、モヒートらしい爽快な風味が楽しめますよ。アルコール度数は30%、参考価格は700mlで1,300~2,100円程度。
モヒートのアレンジ方法8選!
マンゴーにパクチー、ティーフレーバーなど…。実はモヒートはいろいろなアレンジができるって知っていますか?
ミントとライムが香る王道のモヒートに満足したら、ぜひ、いろいろなアレンジモヒートを試してみてくださいね。
ここではモヒートのアレンジパターンを8種類ほどご紹介します。
◎モヒートアレンジ1/マンゴーなど果肉入り
基本のモヒートの材料(ホワイトラム、ライム、ミントの葉、砂糖、ソーダ)に、フルーツを加えて作るのはいかがでしょうか。砂糖はクセの少ないシュガーシロップなら、フルーツの甘みやフレッシュな風味が生かしやすくなりますよ。果肉はマンゴーや桃、イチゴ、グレープフルーツ、パイナップルなどお好みで!
◎モヒートアレンジ2/ジュースで味変
フルーツジュースを使えば、モヒートの味わいが簡単に変えられます。例えば、桃ジュースでアレンジする、桃の香り豊かなモヒート。作り方は、桃の果実、ミントの葉、ライム果汁を入れて潰し、氷をグラスいっぱいに入れ、ホワイトラム、桃ジュースと炭酸水を注いで混ぜるだけ。桃ジュースは桃味の炭酸ジュースを使えば、炭酸水なしでも作れます。桃やジュースの甘みがあるので、砂糖を入れずに作れますが、好みで砂糖を加えるのもいいですね。
ほかにも、オレンジジュースなど柑橘系ジュースもよく合います。ブラッドオレンジジュースを選べば、ほんのり苦みのある大人っぽい味わいに。
◎モヒートアレンジ3/ピンクモヒート
インスタ映えするモヒートを目指すなら、パッと目を惹く色合いが大事ですよね。
おすすめはピンクモヒート。さくらんぼ、スイカ、イチゴ、ラズベリー、ピンクグレープフルーツなど、ピンク色のフルーツ果実を使って混ぜ込むか、ピンク系食材の炭酸ジュースで割ると色も味わいも満足できる仕上がりになりますよ。仕上げにミントを飾って、ピンクとグリーンの鮮やかなコントラストを演出しましょう。
◎モヒートアレンジ4/パクチーたっぷり!
ミントをほかのハーブに換えるアレンジもポピュラーな方法。なかでも注目はパクチー。パクチーをミントの代わりに入れたモヒートは、カルディコーヒーファームで市販品が登場するほど、愛飲する人が多いようなんです。作り方は基本のモヒートと同様で、材料のミントをパクチーに置き換えるだけ。独自の香りに、一度ハマるとやみつきになるかも。
◎モヒートアレンジ5/ベースをフレーバー酒に
モヒートのベースとなっているラム酒を、ほかのものに換えてアレンジしてみるのも楽しいもの。例えば、ラム酒の代わりに、紅茶のリキュールを使ってみましょう。紅茶のフレーバーと、ミントとライムの爽やかな香りが相まって、優雅なひとときを過ごせること請け合いです。
モヒートに飲み慣れてきたら、ホワイトラムをしっかり熟成されたダークラムに換えるという、ちょっぴり通な雰囲気のアレンジも、ぜひ試してみてくださいね。
◎モヒートアレンジ6/フローズンタイプ
ひんやり、シャリシャリとした舌触りがたまらないモヒートがこちら。ライムを絞った果汁とホワイトラム、ミントの葉、ガムシロップ、グラス一杯分の氷をミキサーにかけて攪拌し、ソーダを注いで作るフローズンモヒートです。
飾り用のミントの葉を残しておいて、最後にちょこんとのせると見た目も素敵に仕上がります。
◎モヒートアレンジ7/シャンパンでリッチに!
モヒートの材料のうち、ソーダをシャンパンに置き換えるリッチなモヒート。シャンパン自体に甘みがあるものを選べば、砂糖を加えないで作ることができます。
シャンパンの香りを引き立てるため、ミントはあまり潰し過ぎず、上品な味わいに仕上げることができれば大成功。ホームパーティのおもてなしドリンクとしても喜ばれそうですね♪
◎モヒートアレンジ8/ノンアルコール
清涼感のあるモヒートの味わいは大好きだけど、今日はお酒を飲めない!という日もあるもの。そんなときは、ノンアルコールのモヒートを作ってみましょう。
作り方は簡単。基本のモヒートの材料からラム酒を抜き、同様に作ればOKです。これならお酒が飲めない人も一緒に、モヒートパーティが楽しめそうです!
まとめ
モヒートは家庭で作るのはちょっと手間がかかるけど、あの清涼感と甘み、シュワシュワとした喉ごしはなんとも魅力的ですよね。慣れたらいろいろなアレンジが楽しめるのもいいところ。まずは1本、ホワイトラムをゲットして、家呑みのレパートリーにモヒートを加えてみてはいかがでしょうか?
文/北浦芙三子
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