ほっくりとした食感や優しい甘さに心が和む、かぼちゃの煮物。家庭料理の定番メニューですよね。
もっとおいしく、もっと簡単に作るために、かぼちゃの煮物について作り方をおさらいしてみましょう。基本の作り方はもちろん、めんつゆを使った簡単レシピや、電子レンジで時短で作る方法などもご紹介します。
かぼちゃの煮物のメリットが知りたい
野菜のなかでもβカロテンの含有量がトップクラスのかぼちゃ。β-カロテンは体内でビタミンAに変わる栄養素で、お肌をヘルシーに保ったり、免疫力を高めるなど効果が期待できます。
食物繊維も豊富。お通じをよくして体のなかからスッキリすることができたり、腹持ちをよくして摂取カロリーを抑えたりできるのも、女性にはうれしいですよね。
そんな栄養たっぷりなかぼちゃ。「たくさん食べたいな~」というときは、やはり煮物がおすすめです。
かぼちゃは煮物にすることで本来持っている甘みをより引き立てることができ、調味料を工夫することで自分好みにアレンジすることができるからです。
β-カロテンは熱に強い栄養素なので、煮込んでもしっかり果肉に残ります。β-カロテンは油脂と一緒に摂取すると吸収率がアップするので、オイルを使った炒め物や和え物メニューなどとかぼちゃの煮物を組み合わせた献立にすると、さらによいですね。
では、かぼちゃの煮物の作り方について詳しく見ていきましょう。
かぼちゃの煮物に必要な材料
必要な材料は次のとおり。ここでは基本的な材料をピックアップしてみました。
「かぼちゃの煮物」の材料
<材料>
・かぼちゃ
・彩りを添える野菜(絹さやなど。なくてもよい)
<煮汁の材料>
・しょうゆ
・砂糖
・酒
・水または出汁
・みりん(好みで)
和食の煮物ではだしを使うことが多いのですが、かぼちゃや芋の煮物は別物。かぼちゃの煮物では砂糖を使うことが肝心で、だしは入れても入れなくてもOK。
砂糖を入れるとかぼちゃの甘みが引き立つうえ、砂糖がかぼちゃを柔らかくしたり、しっとり保湿したりする効果があるそうなんです。だしを入れなくても、素材やほかの調味料次第でおいしく作ることができますよ。
でも、なんと言っても、かぼちゃの煮物は家庭料理ですから、「だしの風味が感じられるほうが好き」というときはだしを加えて。「もっと甘めにしたい」という日にはみりんを加えて……と、それぞれの家庭でいろいろアレンジが楽しめるのも魅力。レシピをあれこれ試しながら、材料を選別してみてくださいね。
かぼちゃの下ごしらえ
かぼちゃの煮物をおいしく仕上げるためには、丁寧に下ごしらえをすることが大切。ここでは材料を切るところから順に下ごしらえのポイントをご紹介します。
慣れてきたら、「この工程は必要ないかな……」と省いてみたり、自分流にアレンジしてももちろんOKですよ。
かぼちゃを大きく切り分ける
生のかぼちゃは皮が硬いので、切るのに苦労しますよね。丸ごとのかぼちゃの場合は、包丁でそのまま切ってもよいのですが、電子レンジを使うとスムーズに切れますよ♪
【包丁でそのまま切る場合】
1. ヘタあたりに包丁を刺し、縦に入っているかぼちゃの筋に沿わせるイメージで包丁を下までおろします。
2.反対側も同様にして切り、かぼちゃを2つに分けます。
3.必要な分量に合わせて、かぼちゃを1/2、1/4などに切っておきます。
【電子レンジを使う場合】
1.電子レンジにかぼちゃ丸ごと1個を入れます。
2.レンジで3分ほど温めて、包丁を刺して硬さを確かめます。
3.まだ硬いときは追加で1分温め、再び硬さをみます。切りやすい硬さになるまで少しずつ追加で温めてください。
4.必要な分量に大きく切り分けます。
かぼちゃの種と皮を取り去る
大きく切ったら、かぼちゃの中心部分に付いている種とワタを取り除きましょう。スプーンでこそぐようにすると手早くできます。種とワタを取ったら、かぼちゃをサッと水で洗い、水気を切っておきます。
皮をところどころ削ぐ
皮は、仕上がりの食感や味染みをよくするためにところどころ削いでおきましょう。皮にも栄養があるので、すべてを削ぐ必要はありません。煮崩れを防ぐためにも皮はたくさん残しておき、硬そうな部分だけ削ぐようにするととよいでしょう。
皮を削ぐときは、平らな切断面をまな板に当て、かぼちゃを安定させてから行いましょう。1/4サイズくらいにカットしておくとやりやすいですよ。
ひと口大に切る
レシピなどで「ひと口大」と書かれていたら、大きさの目安は3cm角。和食の煮物が作りやすい大きさと言われています。ただし、電子レンジでかぼちゃの煮物を作るときなどは、もっと小さくカットすることもあります。また、お弁当のおかずにするときは、やや小さめに切ると入れやすいでしょう。
手順としては、まず縦に3cm幅でカットし、縦長になったかぼちゃを横向きにして切断面をまな板に当て、3cm角になるように切っていきます。
面取りをする
ひと口大に切ったかぼちゃは、そのままでは角ばっていますよね。この角ばった部分を包丁やピーラーで薄く削ることを「面取り」と呼びます。
かぼちゃを煮るときにお互いがぶつかって崩れてしまいますが、面取りをしておくと崩れにくくなります。ちょっと手間はかかりますが、見た目よく仕上げるためにはぜひ面取りを。味染みもぐっとよくなります。
かぼちゃの煮物の作り方
家庭料理の定番メニューだけあって、かぼちゃの煮物にはいろいろな作り方があります。ここでは基本の作り方をはじめ、市販のめんつゆを利用するもの、電子レンジを使うもの、炊飯器でほったらかしにして作るものなど、ラクしておいしく作るレシピをご紹介します。
基本の作り方
しょうゆや砂糖などで煮汁を作り、お鍋でコトコト煮て味を含ませます。
1.かぼちゃは食べやすい大きさに切り、鍋に重ならないように並べます。
2.煮汁の材料をすべて1の鍋に流し入れます。
3.落としぶたをしてかぼちゃが柔らかくなるまで煮ます。
めんつゆを活用した作り方
麺料理や丼もの、煮物作りにも使えて、市販のめんつゆは1本あると何かと便利ですよね。かぼちゃの煮物も砂糖やしょうゆなどの配合を気にせずササッと煮汁が作れてラクちん♪
1.かぼちゃは食べやすい大きさに切り、鍋に重ならないように並べます。
2.市販のめんつゆと水を1の鍋に流し入れます。めんつゆと水の割合は3:2が目安。
3.落としぶたをしてかぼちゃが柔らかくなるまで煮ます。
電子レンジを使った作り方
ほかの料理でコンロを使いたいときなどには、電子レンジを活用したいところ。味の染み込みをよくするためには、3の工程でラップやクッキングペーパーをもう1枚、落としブタのようにかぼちゃの表面にのせておくと◎。電子レンジで加熱する途中、かぼちゃの上下を一度返すのも効果的です。
1.深さのある耐熱容器を用意し、煮汁の材料を入れて混ぜます。
2.かぼちゃはひと口大よりやや小さめ、2~3cm角に切り、1の容器に並べます。
3.ラップを1枚、容器上部にふんわりとかぶせます。
4.電子レンジ600Wで8分ほど加熱します。
5.そのまま放置して蒸らし、粗熱がとれたらできあがり。
炊飯器を活用した作り方
今どきは炊飯器を使ってかぼちゃの煮物を作ることも珍しくないようです。材料を入れてスイッチオンで作れるので、一番カンタンなレシピと言えるかもしれませんね。材料をすべてポリ袋に入れて、ご飯を炊くときに一緒に炊飯器に入れて「早炊きスイッチ」をおけば、ご飯もおかずも一気に作れて時短に。
1.かぼちゃは食べやすい大きさに切ります。炊飯器の底に重ならないように並べられる量が目安。
2.炊飯器に1のかぼちゃと煮汁の材料を入れます。
3.「早炊きコース」のスイッチをオン。または、保温機能で1時間ほどおけばできあがり。
かぼちゃの煮物の保存方法
たくさん作ったかぼちゃの煮物。一度に食べ切れないときは、冷蔵庫で保存して次の日もおいしくいただきましょう。冷蔵では2~3日の保存ができます。
さらに長く保存したいときは、冷凍保存がおすすめ。ただし、煮物に痛みがないかどうか、まず確認をするようにします。とくに冷蔵庫で3日ほど保存したあとのかぼちゃの煮物は、冷凍する前に再度加熱しておくと安心。加熱後は粗熱がとれたら、冷凍保存の準備をしましょう。冷凍庫なら2週間ほど保存ができます。
かぼちゃの煮物を冷凍保存するときのポイント
なるべく煮崩れしていないものを選んで汁気を切っておき、フリーザーバッグなどに入れます。使いやすい分量に分けておくと便利です。お弁当用に冷凍しておきたいときは、小分けのカップに入れて冷凍するのがおすすめ。朝、お弁当箱に凍ったまま入れて、お昼に食べるころにはちょうど解凍されています。
まとめ
かぼちゃは煮物にすると甘みが引き立ち、β-カロテンなどの栄養もしっかりいただけます。おいしく作るためには、かぼちゃの煮物は砂糖を使い、面取りなどの下ごしらえをていねいにするのがポイント。電子レンジや炊飯器も便利に使いながら、おいしいかぼちゃの煮物を作ってくださいね。
文/北浦芙三子
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