引っ込み思案だった長女が、工作を通じてぐんと成長
手軽に手に入るアイテムで、お金をかけずにぱぱっとおしゃれな雑貨を作ってしまうながみちさんは、暮らしニスタでいつも注目の的。
「実は先日、暮らしニスタを見たというTV局から連絡があり、情報番組の“主婦の間で100均リメイクが流行っている!”というコーナーで作品を紹介していただいたんです。自宅にTVクルーがきての撮影もあり、緊張しました~」と照れながら教えてくれたながみちさん。
もともと雑貨が大好きだったそうですが、3人の母となり、子どもといっしょに作る工作のおもしろさに目覚めます。
「工作を始めたきっかけは、引っ込み思案だった長女に友達を作ってあげたくて。自宅に友達を呼んでいっしょに工作を楽しむことで、自然と仲良くなれるかなあと思ったんです。リースを作ったり、粘土で動物を作ったり、人形の洋服を縫ったり……。人前で話すことが苦手だった長女ですが、お友達とアイデアを話し合ったり、自分の意見を言ったりできるようになったので、これは成功だったかなと思っています。手先が器用になり、料理も得意になったので、周りの方から褒めてもらえる機会も多いみたいです。自分に自信がつくと、子どもって変わりますよね」と嬉しそうに振り返ります。
リメイクアイデアが豊富なながみちさんですが、そのルーツは幼少時代にさかのぼります。
「愛知県の田舎町で、5人きょうだいの長女として育ちました。私以外の4人が男の子だったので、一緒になって外を駆け回る日々。父は日曜大工が得意な人で、自分で小屋を作ったり、端材で箱を作ったりしていました。私は父のそばをちょろちょろしながら、拾ってきた木や葉っぱを使って“なにができるかな?”と考えるのが習慣になりました。そんな幼いころの体験が、いまの私のリメイク好きにつながっていると思います。それと、男きょうだいのなかで育って、遊びといえばセミとりや木のぼりなど男の子っぽいことばかりだったので、その反動で手作りや雑貨など女の子っぽいことが好きになっていったのかも(笑)」。
幼少期に自由にリメイクするおもしろさを覚えたながみちさんは、子どもの工作中は極力、口を出さないようにしていると言います。
「子どもには危ないかなと思う工程だけしっかり見守りますが、あとは基本的に口を出しません。子どもの発想っておもしろいから、私が口を出さないほうがいい作品ができることが多いんですよ」。
そんなながみちさんの育児のポリシーは、子どもの“自主性を育てること”。
「子どもに過干渉にならずに、子どもの興味ややる気を大切にして、見守ることが大切だと思っています。きょうだいげんかをしていても、ほとんど口を出すことはありません。勉強でも習い事でも“こうしなさい”と言うこともありませんし、なるべく子ども自身が自分で考えて行動できるように、自主性を育ててあげたいなと思っています」。
自分だけの楽しみは“家のプチリフォーム”
親子での手作りを楽しむ一方、自分だけの楽しみとしてながみちさんがハマっているのが、家のプチリフォーム。
「ちょうど2年前、古くなってきた洗面台を買い換えようと調べたら、洗面台ひとつで10万円もすることがわかり、それなら、“10万円で自分が好きなようにリフォームしたほうがいい!”と思ったんです。そのときの洗面台リフォームは雑誌『Como』の誌面でもご紹介いただいたんですが、作り付けの洗面台の鏡と棚をはずして、お気に入りのライトや鏡を設置し、自分好みのオリジナル洗面台を作りました。壁もタイルを張ったり、パリっぽく水色にペイントしたりして、大好きなソフトアンティークな空間を作り上げることができました。このことがきっかけで家のリフォームにハマり、暇を見つけては家じゅうをちょこちょこいじっていて、今は1階の和室の改造中です。結婚してすぐに購入した建売住宅で、ちょうど10年経ちますから、家のあちこちがリフォームどきなんです」。
子どもとの工作は子どもが頑張った証、それに対して、リフォームは自分だけの達成感が得られるところが嬉しいのだそう。
「幼稚園にあがる前の3才のわんぱく男子がいますから、そんなに時間がとれるわけではないなか、コツコツと時間を作って作業を進めて、ようやく完成したときの達成感はやみつきになります。主婦をしていると自分のためだけになにかをすることはなかなかありませんが、リフォームは完全に自分のための楽しみ。もちろん、家族と住んでいますので、テイストが自分好みに偏り過ぎないように気をつけてはいます。理想は部屋ごとにラヴリーだったり、ジャンクだったり、テイストを変えてみたいのですが、旦那さんや子どもたちのことも考えて、さすがに自粛しているんです。ただ、来年4月から長男が幼稚園に通い始めるので、時間ができてリフォームに拍車がかかっちゃうかもしれませんね(笑)」。
“子どもと過ごす時間は宝物”と話すながみちさんですが、ご自身の将来の夢も育ち始めています。
「幼稚園くらいの子どもと一緒にできる工作を紹介する本を出版する機会があるといいなと思っています。作家さん用や、工程が複雑な工作本はたくさんあるのですが、小さな子どもと一緒にできるという目線の本があまりないように思えて。今は、実現にはほど遠いですが、夢を持ち続けることは、ブログや暮らしニスタに投稿を続けるモチベーションになっています」。
取材・文/金澤友絵
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