大好きな雑貨を眺めているだけでアイデアがひらめく！

『暮らしニスタ』が初めて開催したコンテスト「100均グッズをリメイク！おしゃれな雑貨コンテスト」ではアンティーク風フォトフレームで金賞を受賞。以来、様々なコンテストで受賞を重ねている奥野敦子さん。コンテストに応募したきっかけは­？

「2011年くらいからブログを始めて、インテリアや自分が作った作品の写真を掲載していました。お友達から声をかけられて参加した、雑誌『Ｃｏｍｏ』のコンテスト『100均・300均で手作り選手権 』で金賞をいただて大喜び。その嬉しい余韻に浸っていたところ、「暮らしニスタ」サイトがオープンして、初めてのコンテストがあると知り、私の100均リメイクのファースト作品を応募したんです。まさかまた賞をいただけるなんて思ってもみなかったので、ビックリしました」

制作のアイデアになるのは、家の中にある雑貨たち。眺めているうちに「これを自分で作れないかな­」とビビッとひらめくのだとか。

「『暮らしニスタ』のコンテストでは毎回、応募テーマが決まっているので、自分では作らないようなものに挑戦できて面白いですね。今年の6月に金賞を受賞した『紙コップでかわいい! ラッピングコンテスト』では、ルクルーゼのお鍋風のラッピングを作りました。紙コップ”という素材が決まっていたので、家の中にあるものを眺めているうちにルクルーゼのカラフルなお鍋が目に入って。『これ、紙コップで作れるかも♪』とひらめいたんです。

100均でカラフルな紙コップを売っていたことを覚えていたので、100均に買い出しに出かけて。材料が揃ったら、勝手に手が動いてくれるので、制作時間は10分です。ちなみに『暮らしニスタ』にアップしている『昭和レトロなホーロー風お鍋のラッピング』もお気に入り。それも家に飾っている昭和のホーロー鍋を見て生まれたアイデアなんですよ」

現在は休止中ですが、ハンドメイドイベントに手作り作家として参加。年に3～4回、ママ友と手作りユニットを結成して活動していたことも。

「ママ友のパートが忙しくなったこともあって、今年に入って活動はお休みしていますが、ユニット名は、７floorでした。同じマンションの7階に住むママ友3人と結成したから７floorなんです(笑)。メンバーは木工系の雑貨が得意な私と、編み物雑貨が得意な友人、布系雑貨が得意な友人の3人。それぞれに作ったものをイベントで売ったり、展示したりしていました。モノ作りを通していろいろな方とふれあえる素敵な時間だったので、また機会があれば、やってみたいですね」

お気に入りの空間でおうちカフェを楽しんでます♪

様々な手作り雑貨がお部屋の中に飾ってあり、友人を招いておうちカフェを楽しんでいるという奥野さん。家の中のディスプレイは、そのときどきで雰囲気を変えるのがお決まり。

「以前は、白を基調としたナチュラルアンティークが好きだったのですが、飽きたら気分に合わせて変えています。今はアンティーク、ビンテージ、レトロ、そしてちょっぴり男前なテイストが入り混じったミックススタイルです。古いものと古く見せたハンドメイド品などをバランスよく織り交ぜながら、自分好みの温かい部屋作りをしています。ワンプレートのお料理やお菓子を作って友人を招き、おうちカフェごっこをすることもありますよ。それぞれに作ったお料理を持ち寄ってパーティーするのが楽しいです」

今でこそ、理想を実現させていますが、過去には転勤がちでなかなか思うような部屋作りができなかったこともあると言います。

「我が家は転勤族で名古屋、福岡、大阪と移ってきて、現在は千葉。もう9年千葉にいるので、おそらく転勤による引っ越しはないかと思いますが…。以前はすべて社宅扱いの賃貸マンションだったので、何年かしたら引っ越すかもしれないと思うと大幅な模様替えはできませんでした。でも、これからは“原状復帰が出来るDIY”をモットーにどんどん自分好みのものを作っていこうと思います。マスキングテープを使って、和室を洋室にアレンジするなど、簡単に元に戻せるリフォームがメイン。賃貸でも出来るDIYがあるということを私なりにブログや『暮らしニスタ』でも発信出来たらなと思います」

子供の頃からインテリアにはこだわりが！

モノ作りが大好きな奥野さんは、もちろん子供の頃から手作りが大好き。マスコット人形やペンケース、ポーチなどを作ってお友達にプレゼントして喜ばれるのが喜びだったのだとか。インテリアに興味が出てきたのも、小学生の頃だったそうで…。

「小学校4年の時に家を建て替えたんです。3人兄弟なんですが、1人1つ部屋をもらえることになって、それぞれ自分で家具を決めたのですが、父が『敦子が一番センスええなぁ』と褒めてくれたことを覚えています。照明もこだわって、私だけちょっとお高めのものに(笑)。両親に『ホンマにうるさいな～!』と言われながらも、部屋が自分の好きなテイストに染められることが幸せでしたね。カントリー雑誌を眺めるのも趣味でした」

インドアで楽しむ一方、体を動かすことも大好きな、活発なお嬢さんでもあったようで…学生時代とOLだった独身時代の趣味は旅行。なかでも印象に残っているのは、「原付でチャレンジした淡路島一周旅行と宿坊に泊まった高野山山越え旅行ですね」と笑います。

「当時の仲良しのお友達はたまたまみんな原付に乗っていたんです。女子4人で『思い出作りで何か楽しいことしよう！』ということになって地元・大阪から原付旅によく出かけていました。高野山の山道を原付で登って宿坊に泊まったんですが、さすがにクタクタに疲れてしまって。翌朝の座禅修行の時間には誰も起きられず、参加できなかった……なんていう思い出もあります(笑)。淡路島へは原付をフェリーに乗せて運んで、島を一周したんです。今考えたら、原付で行くなんてよく危なっかしいことをしていたなって。自分の子供がやりたがったら、全力で止めます(笑)」

充実した手作り生活は家族の応援があってこそ

現在は、高校2年生の長女と小学6年生の次女のママ。家族で手作りを楽しむ時間もたくさん。

「木工を始めたばかりの頃は、主人にマルノコの使い方や電動ドリルの扱い方を教わりました。これまでもテーブルなど何か大きなものを作るときには主人に手伝ってもらっています。次女は雑貨作りや料理が大好きなので、私が何か作っていると一緒にやりたがりますね。一人でカレーや餃子は作れるので、私が忙しい時には料理を作ってもらうこともありますし、助かりっぱなし。長女はあまりモノ作りに関心がないのですが、カフェ風の文字を書くのが上手いので、雑貨を作ったときにカフェ風文字を書いてもらったり、黒板にメニューを書いてもらったりします」

最近では2人の娘さんとカフェや雑貨店めぐりをすることもあるそうですが、長女の思春期の頃は、子育てで悩むこともしばしばだったと苦笑い。

「長女が小学5年生から中学2年生くらいまでの約4年間、反抗期でちょっと大変だったんです(笑)。コミュニケーションが上手くいかず、モヤモヤしていたので、ハンドメイドや料理、居心地の良い部屋作りをすることが何よりのストレス発散でした。そんなとき、部屋の模様替えをしたことに気づいて、『あれ？　ママ、ここ色塗ったの？』って声をかけてくれたときは本当に嬉しかったですね。子供が話しかけてきたときはしっかり耳を傾けてコミュニケーションをとって、心を開く瞬間のひとつひとつを見逃さないことが大切だなと思いました。今ではすっかり思春期も過ぎ去り、平和な毎日です」

「これからも家族のために居心地の良い部屋作りと美味しい料理を作り続けられたら」と家族の幸せを願う奥野さん。今思い描くプランを尋ねると、「いつか叶えられたらいいんですけどね」と大切な夢を教えてくれました。

「カフェや雑貨屋さんめぐりが大好きな趣味。小さくてもいいのでちょっとお茶が飲めるスペースがあるあったかい雰囲気の雑貨屋さんがいつか自分で出来たらいいなぁと思います。自分が作った手作り商品を置きつつ、ほっこりするような空間を作れたら幸せですね」

取材・文／福田恵子