収納が苦手と嘆くあなたへ…今あるモノを手放さず、どんどん買い続けていませんか？

物が増えるのは、出て行く物より入ってくる物のほうが多いから

あなたが結婚したばかりのころ、もしくはその部屋に一人暮らしをし始めたころ、家の中にある物は今より少なかったはず。洋服はクローゼットやタンスの中に収まり、テーブルの上もすっきり何もない状態だったはず。一体いつからそんなにも物が増えてしまったのでしょうか？

「きっと子どもが生まれておもちゃが増えたせい」などと、だいたいの理由や時期を把握しているのならまだいいでしょう。「何となく増えて行き、気づいたらこんな状態だった」という人が一番危険。こういうタイプの人々は、無意識のうちに新しい物を家に持ち込んでしまっているため、「同じ分量だけ外に出す」ということができないのです。

当然のことですが、家に10個の新しい物を入れたら、それを収納するスペースが必要になってきます。単純に考えると、同じく10個の物を家の外に出し、場所を確保しなければいけません。ＩＮとＯＵＴをイコールにしないと、物は溜まっていく一方。家が肥満状態になってしまうからです。

でも、この「同じだけＯＵＴする」ということをできない人がとても多い。タンスやクローゼットに押し込めば入れられないこともない、リビングの棚の上にも物が置けないわけじゃないし……と、空いているスペースに新しい物をどんどん入れて行ってしまい、結果家が散らかることに。
　
まだ10個だったらいい方。これが50個、100個と増えて行ったら……？　考えるだけで恐ろしいですよね。

そうならないためには、「入れた分だけ出す」という基本を守ればいいのです。要するに、ＩＮとＯＵＴのバランスを取るということが、現状維持の鉄則！

ＯＵＴのスピードがつかめたら買い物上手になれる

洋服や靴などは、まずはＩＮありき。「新しくブラウスを買ったから、その代わりにあまり着ていないあのシャツを捨てよう」と、ＩＮと同量のＯＵＴを意識的に行います。そこで初めて、いつも家の中の物の均衡が保たれるのです。

では、日用品はどうでしょう？　例えば、洗剤やトイレットペーパーなどのストックは、ＯＵＴが先と言えます。買い置きがなくなったから、補充する。「ＯＵＴ→同じだけＩＮ」という流れになります。

ストックが溜まりすぎるのは、「安売りしているから」とか「なくなってしまったらと不安だから」などの理由で、ＯＵＴしていないのにＩＮをしてしまうから。ＯＵＴのペースに合わせてＩＮしなければ、ストックはたちまち増えていきます。心当たりがある人は、一度ストックをゼロにするまで買い物は我慢。スペースが空いてからＩＮして、バランスを是正するようにしましょう。

ＩＮとＯＵＴ、どちらが先になるとしても、そのふたつのバランスを取って、「今以上に家の中に物を増やさない」ということを心がけて。

※吉川永里子著『あなたもつかめる！　もう探さない人生』（1200円＋税・主婦の友社刊）より

＜著者プロフィール＞
吉川永里子（よしかわ・えりこ）●収納スタイリスト®／Room&me代表／整理収納アドバイザー1級認定講師
「片づけはストレスフリーに暮らす近道」をモットーに、女性目線・ワーキングマザー目線で整理収納やライフスタイル提案を行う。メディアでのアドバイス以外に、個人のお客様のお宅へも積極的に伺っている。講演・セミナー・ワークショップなどでは、テンポのいい分かりやすい言葉で片づけについてレクチャー。『Como特別編集 吉川永里子のクローゼット収納―衣替え必要なし！』『元 「片づけられない女」の幸せの引き寄せ方 片付け道』（ともに主婦の友社）など著書多数。プライベートでは夫と2人の息子と52平米の賃貸マンションで暮らす。
http://www.roomandme.net

取材・文／栗田瑞穂

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