「経費精算、学校の書類などの提出がよく遅れる」「書類が見つからず、私はダメ人間と自己嫌悪に陥る」など、生活の上で生きづらさを感じるのは、もしかしたら「発達障害」が原因かも!?
事務的なことが苦手で、締め切りに間に合わない【ADHD傾向】
ああ、もう間に合わない…
漫画の中の女性は、経費精算でのミスが多いのが悩みのタネです。
提出期日によく遅れたり、やっと出しても記入漏れや印鑑の押し忘れなど、毎回のようにミスが発生します。
月末の締め切りが近づくと「やらなくちゃ」と思うものの、そこからレシート探しが始まり、結局は間に合わない…そんなことのくり返しです。
大人になるとさまざまな事務処理が求められますが、ADHDの人はこれが苦手なことが少なくありません。
なぜかというと、単純作業やくり返し作業に飽きやすく、集中力が長く続かないからです。
難しい作業ではなくても、「ちょっとめんどう」「今忙しいからあとで」「まだいいか」と、つい後回しにしてしまいがち。するとそのまま忘れてしまうことも多いのです。
さらに、いざ取りかかろうとしたときに、片づいていない机から必要な書類を探すのにまた時間がかかり、慌てて作業するのでミスが増える…。
その結果、何度も同じ失敗をくり返すのを見て、周囲から「反省していない」「やる気がない」と誤解されてしまうことさえあります。
簡単なことでいいので、ひとつずつ「完了グセ」をつけよう
興味が持てないとなかなか手をつけられないうえに、やり始めてもすぐに気が散ってほかのことに興味が移ってしまう――。
そんな性質を乗り越えるには、まず「TO DO(やること)リスト」を作り、とにかく最後までやり切るクセをつけることが大切です。
コツは、わざわざ書かなくてもできそうな簡単なことも、あえてリストに入れること。そして、1つ終わるたびに「よし、完了!」と声に出して、達成感をしっかり味わいましょう。
すると、モチベーションを保ちやすくなり、次のタスクにもスムーズに取りかかれるようになります。
こうして続けていくと、やるべきことは「すぐやる」のがいちばんラクな方法だと実感できるはずです。
あと回しにするほど難しくなってしまう――これはよくあることなのです。
▶次の話 ワンナイトのつもりが…。定型発達の人にはわからない〈恋愛トラブルが起きやすい人〉の理由とは【もしかして…発達障害!?】
キャリア約30年の精神科医が
発達障害による「生きづらさ」
の対策を徹底レクチャー!
部屋が片づけられない、約束の日時を間違える、集団から孤立しがち…など、あるあるな発達障害傾向と「ラクに生活するための考え方や生活のヒント」を伝授。「もしかして発達障害!?」の夫や子ども、仕事関係の人の理解にもつながる1冊です!
『もしかして発達障害?「うまくいかない」がラクになる』1,760円/主婦の友社 司馬理英子著
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