コラム

ママ友がDV被害…そのときに友人としてできること・考えたいこと

更新日：2017.10.28

女性の5人に1人がDVを受けたことがある、というデータがあることはご存じですか？　そして、10人に1人が継続的に暴力を受けているそう。まさに、私たちの周囲では日常的にDVが起きているというわけです。
もし、ママ友の顔に不自然なアザを見つけたとしたら、アナタはどうしますか？　「力になりたいけれど、家庭内の問題だし、専門家でもないから…。それに、どこまで踏み込んでいいのか分からない…」などと、正直戸惑ってしまいますよね。
今回は、DVを受けたママ友に友人として何ができるのかを探っていきたいと思います。

DVのサインを見つけたら

DVの被害者は、暴力が表に出ないように過度の束縛や脅迫などにより孤立させられているそうです。なので、DVのサインを見つけたら「どうしたの？　何かあった？」と声をかけるようにしましょう。
「周囲は無関心ではない」ということを伝えることが、DV被害者を孤独から救うのです。

首を絞められた痕や、顔などの見えるところにアザがあれば、DVは日常化している証拠。その段階までくると、子どもにも影響を及ぼしている可能性があります。そんなときは、気づいていないふりをしないで、「どうしたの？」と声をかけてみましょう。

相談されたときに“してはいけない”行動

DVの加害者と聞くと、普段からトラブルメーカーで野蛮な人というイメージを持ってしまいますが、一概にそうとはいえません。
もちろん、そのようなイメージ通りの人もいますが、温厚そうに見える人が加害者の場合も少なくありません。さらに、高学歴で社会的地位がある人でも加害者になることがあるようです。

そのため、DVを打ち明けられても、最初は信じられないということもあるかもしれません。でも、その気持ちは心の中にしまい、ママ友の話を“否定しない”で聞くようにしましょう。
また、「殴られてもしょうがない」「これはマシなほう」など、“自分の尺度でジャッジしない”ことも大切です。

もし自分自身がDV被害者だったら…と想像してみてください。誰にでも相談できることではありませんよね？
DV被害を打ち明けられたということは、「この人なら分かってくれるかも」とママ友が信頼してくれたということ。もちろん、無理して関わる必要もありませんが、「できるだけ力になりたいと思っている」と伝えてみるのもいいかもしれませんよ。

二次被害？NGワード？？

DV被害者が相談した相手から傷つけられる「二次被害」。無知からくる悪意のない言動が、ママ友をさらに傷つけてしまうこともあるので、注意すべき言ってはいけない「NGワード」をご紹介します。

✕「まさかあの旦那さんが」
✕「暴力を振るうような人には見えないわ」
驚きのあまり、つい言ってしまいそうな言葉ですが、「信じてもらえないのかな…」という絶望感を相手に与えてしまうこともあります。

✕「何か怒らせるようなことしたんじゃないの？」
この言葉は「あなた（DV被害者）に落ち度があるのでは？　それならば暴力を受けても仕方がない」と暴力を肯定することになり、DV被害者を深く傷つける言葉のひとつです。

✕「もっと頑張ればいいんじゃない」
「頑張っていない」「できていない」とDV被害者を責めることになるこの言葉。DVは被害者に原因があるわけではなく、加害者の虫の居所が悪いときに起こることを理解しましょう。

✕「子どもにはパパが必要だよ」
✕「子どものために我慢すべき」
子どもにはパパが必要ですが、暴力を振るうようなパパならばいない方がマシ。DVを目の当たりにすることで、子どもの心身に悪影響を及ぼすと言われています。

✕「なんで逃げないの？」
DV夫から逃げるということは、これまでの生活を捨てて「絶対に見つからないところに逃げる」ということ。それは簡単にできることではありません。もし見つかれば暴力は倍増し、さらに酷い状況になってしまうかもしれません。

友人としてできること

ママ友を助けたいからと、暴力の詳細をしつこく聞くのはよくありません。家庭の事情には入り込み過ぎず、友人関係の距離を保つように努めましょう。
また、被害者だと思われるのを苦痛に感じる人もいるので、さり気なく寄り添うことをおすすめします。

DV被害で必要なのは、専門家の支援です。ママ友のために自分ができる最大の支援は、専門家の支援へ繋げること。相談に行くことを勧めたり、相談窓口まで一緒に行ったり、相談している間に子どもを預かったり…と、できることは色々あるのではないでしょうか。
まずは、最初の1歩を踏み出す手助けをしてあげましょう！

DVは被害者になってみないと分からないことが多くあるもの。DVのことをきちんと理解し、ママ友をさらに傷つけることなく手助けしたいものですね。

＜プロフィール＞
ナツキレイ
フリーライター/日本語家庭教師
タイ在住を経てオーストラリアへ。現在はオーストラリアの田舎で日本語を教える傍ら、ライターとしても活動。政治・経済・教育などの分野から、子育て・旅行・セレブ情報など生活や趣味の分野まで幅広いジャンルで執筆中。定期的に英語のニュース・雑誌サイトの記事を翻訳してリライトも行う。日本生まれ海外育ちの2児の母。

写真© VadimGuzhva - Fotolia.com

Profileナツキレイ

フリーライター/日本語家庭教師。タイ在住を経て、オーストラリアで日本語を教える傍ら、ライターとしても活動。政治・経済・教育などの分野から、子育て・旅行・セレブ情報など生活や趣味の分野まで幅広いジャンルで執筆中。定期的に英語のニュース・雑誌サイトの記事を翻訳してリライトも行う。日本生まれ海外育ちの2児の母。

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