「天気が悪い日は頭が痛くて気分も暗くなる」「どんよりとした日は、くらくらして家事をするのもつらい」。気圧が低くなると、このような症状に悩まされる人が増えるといわれています。今回は低気圧と不調の関係性と、気候に左右されない体質になるセルフケア方法を薬剤師が解説します。
もっと見る⇒⇒危険です。「最近、ペットボトルのフタが開けにくい」と感じている人に起きていること
気圧の変化が体調に変化を及ぼす原因
気圧の変化による体調不良は、からだの中の水分バランスや自律神経の乱れが主な原因といわれています。
耳のなかの、鼓膜のさらに奥に「内耳(ないじ)」という器官があり、その内耳は耳で受けた情報を脳や神経に伝える役割を担っています。
ただし、その内耳が気圧の変化を感知し、バランスをつかさどる「前庭神経(ぜんていしんけい)」が過剰に興奮することで、体調を崩してしまうのです。
これにより交感神経が優位になるとめまいや片頭痛が起き、副交感神経が優位になると、眠気やだるさを感じるといわれています。
気圧の変化によって起きる体調不良は?
気圧の変化によって起こる主な体調不良を4つ紹介していきます。
1.頭痛
気圧の変化によって体内の余分な水分が増えることで、血管が拡張し頭痛が起きます。
とくに脳内の血管が拡張すると周りの神経を圧迫してしまい、それにより炎症が引き起こされて頭痛を感じてしまうのです。
2.めまい
気圧の変化によって自律神経のバランスが崩れて交感神経が優位になると、めまいを感じる人もいます。
交感神経が優位になることで血管が収縮した状態が長く続くと、耳や脳に酸素や栄養が行きわたらなくなり、ふわふわとしためまいを感じてしまうのです。
3.眠気
気圧の変化によって自律神経のバランスが崩れて副交感神経が優位になると、眠気を感じやすくなります。
からだをリラックスさせる効果のある副交感神経ですが、気圧によって強制的に優位になると、起きていないといけない場面でも眠くなってしまいます。
また、低気圧になると上昇気流が起きているため空気が薄くなり、脳が酸欠状態になりやすくなるため、それにより眠気を感じる方もいます。
4.気分の落ち込み
自律神経のバランスが崩れると、交感神経と副交感神経の切り替えがうまくできなくなることで夜に眠れなかったり、リラックスすべきときにリラックスできなくなったりします。
これによりからだに負担がかかり、また、寝不足になりイライラしがちになることで落ち込んでしまう人もいます。