「あったらいいな」を形にするのが私の得意技です
黒いスプーンとワイヤーでリアルな昆虫を作ったり、虫とりカゴをラジカセ風のバッグに仕立てたりと、独自のセンスが目を引くRomiさんの作品。そのオリジナリティあふれるアイデアはどうやったら思いつくのでしょう?
「普段の生活の中で、ぱっとひらめくことが多いですね。“これとこれを組み合わせたら、あんなものができそう”って。そして、ごちゃごちゃ考えずに、まずは作ってみるんです。もちろん失敗することもありますけど、そもそもお金がかかった材料は使わないので、家計の痛手にはなりません(笑)」。
名前の通り、4人の子どものママであるRomiさん。子育てに忙しい毎日の中にも、物づくりのヒントがたくさんあると言います。 「これまで作ったものの中で、私がすごく気に入っているのが、スポンジで塗るタイプのムヒの容器をきれいに消毒して、日焼け止めクリームを入れたもの。作品というほどのものではないのですが、手を汚さずにきれいに伸びるので、私の中の大ヒット商品です。子どもがいると、片手でいろいろなことができると助かるので、“こんな日焼け止めがあったらいいな”というところがアイデアの源です。ネットショップを見てみたら、スポンジ付きの空ケースが売っていたので、“これ商品にならないのかしら?”なんて考えてみたりもしてます(笑)」
幼いころから絵を描いたり、工作をしたりすることが大好きだったRomiさんですが、結婚した旦那さんも同じように物づくりが好きな男性。 「唯一の夫婦共通の趣味が物づくりなんです。特に、大物の家具類などの力仕事は、男手がないと大変。先日も、下の娘が“二段ベッドが欲しい”と言い出したので、私が完成図を書いてから夫婦でホームセンターに材料を集めに行って、共同作業で作り上げました。小さい頃に、“こんな二段ベッドで寝てみたいなあ”と想像していた通りのベッドができたので、自分の夢も実現できてうれしかったです。もちろん、子どもたちも大喜びで寝ていますよ」。
4人子どもがいたら、細かいことは気にしていられません!
4児ママのRomiさん、普段どんな生活をしているのかは気になるところです。
「朝は高校生の長男のお弁当づくりからスタート。冷凍食品が嫌いな息子のために、豪華なおかずではないけれどすべて手作りするのがモットー。大変ですが、コミュニケーションの一部と思って、頑張っています。子どもたちを学校に送りだしたら、今度は家事。洗濯機は多いときで6回まわします。その後、母が経営している飲食店の手伝いに行ったり、手伝いがない日は作品づくりの時間に。小学生2人が帰ってくると、またバタバタと塾に送ったり、夕飯の用意をしたりがあって、ほっとひと息つけるのは子どもたちが寝た後ですね」。
そんな忙しい毎日、ストレスがたまることはないのですか?とたずねると……
「もう、4人も子どもがいると、小さいことや細かいことを気にしていると、生活がまわらないので。どうしてもイライラしたり、ストレスがたまったときは、トイレ掃除を徹底的にするんです。それで、イライラをトイレにじゃーっと流しちゃうとすっきり(笑) 部屋の模様替えもストレス発散になりますし、母の店でおしゃべりするのも気分転換になります。生活の中でお金をかけずにうまくストレス発散法を見つけていますよ」。
Romiさん流の子育てのコツは“とにかくなんでもやらせてみる”こと。
「たとえば、子どもが“洗いものがやりたい”と言ったとしますよね。大抵のママは自分でやったほうが早いから積極的にはやらせたくないはず。でも私は、子どもが言い出したことはとりあえずやらせるがモットー。もちろん、失敗もありますし、イライラすることもあるけど、そこは我慢。それを繰り返しているうちに、必ずできるようになります。そうすると家事を手伝ってもらえるようになるので、結果として、自分の負担が減って生活がラクになります。子どもたちは小さなママのように家事が得意に育ってくれました。先行投資の成果です(笑)。それと、気をつけているのが、子どもの話をとにかく聞くこと。4人の子どもがいると、それぞれと接する時間は短くなりますけど、話しかけてくれたときは、しっかり聞こうって決めています。忙しい毎日のなかでも、子どもの話を聞いていれば、学校の様子や子どもの状態などがわかりますし。あとは、4人もきょうだいがいたら、縦社会ができて、お互いに刺激し合って成長してくれるので、そこはありがたいですね」。
好奇心旺盛で向上心のあるRomiさんは、子育ての合間を縫って、様々な資格取得にもチャレンジしています。“ルームスタイリスト2級”“片付け収納マイスター2級”“生前整理アドバイザー2級”など、これまでにたくさんの資格を取得。 「“ルームスタイリスト2級”は、大阪の専門学校に通って資格を取得しました。ハンドメイドやお部屋の模様替えをしていて、新しい学びがほしいときに、資格をとりたくなりますね。直接、仕事に結び付くわけではありませんが、違う視点が手に入りますし、興味を突き詰めるのがおもしろいです。もちろん、プロフィールで資格を見てくださって、それが講師のお仕事につながることもあります」。
そんなRomiさん、将来は商品開発に興味があるそう! 「手を汚さずに塗れる日焼け止めケースのように、人の助けになるような商品を作って、みんなに知ってもらえたらなって。もちろん、簡単なことではないと思いますが、いつか実現できるといいなあと思っています」。
取材・文/金澤友絵
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