コラム

子どもを本嫌いにしないために、気をつけたい5つのこと

更新日：2017.10.28

小さい子どもは絵本を読んでもらうと喜び、もっと読んでほしいとせがみますが、大きくなるにつれ「本が嫌い」という子どもが増えてくるのはなぜなのでしょうか。
実は子どもの本嫌いは、まわりの大人たちの言動が原因になっている可能性があります。
今回は、子どもを本嫌いにしないために気をつけたい5つのことについてご紹介します。

0歳から8歳くらいまでに絵本やおはなしをしてあげること

絵本を読んでもらったり、おはなしをしてもらったりしたことがない子どもの場合、本を読むことを楽しむ習慣がないため、成長してからいきなり本を読むように言われても読むことはありません。
親が幼児期にしっかりと絵本やおはなしを聞かせることは、子どもにとって必要な教育なのです。

早くからひとりで本を読ませないこと

文字が読めるようになったからといって一人で本を読ませると、文字は読めても文章を理解する力がまだ足りないため、本を面白く感じなくなってしまう可能性があります。
一人で本を読んで楽しめるようになるのは、小学校3年生くらいから。それまではできるだけ読み聞かせてあげましょう。

読んだあと、質問攻めにしたりしないこと

本や絵本を読んでもらい、子どもが物語の余韻に浸っているときに、すぐに質問攻めにすると本を嫌いになってしまう可能性があります。
例えば、読み終わったと同時に「おもしろかった？　どういったことがおもしろかった？」「なんであのとき主人公はそうしたかわかる？」などの質問をし、その質問に子どもが答えられなかった場合に「なんで答えられないの？」と詰め寄ることは、言葉ではなく感覚で余韻に浸っている子どもには本を嫌いになる原因となるのです。
「本を読んでもらうと質問攻めにされるから面倒くさい。だったら本を読んでもらわなくてもいい」と思うようになってしまう可能性もあるため、小さいうちは、絵本や本を読んだらそのままでOK。
子どもから質問をされたときに、一緒に考えて話し合うようにしましょう。

ためになる読み方を過度に期待しないこと

「よいことをするとよいことが返ってくる」「悪いことをすると悪いことが起こる」など、絵本や本から教訓として教えられることは多いもの。
だからこそ、大人の目線で本を見ていると「この本からはこういった教訓を得られるからこれを子どもに読ませよう」という目的で本を選んでしまうことが多くあります。
もちろん、ある程度内容を確認してから絵本や本を与える必要はありますが、ときには子どもの好きなものを選ばせてあげることも大切です。

また、教訓の多い本を読ませたとき、大人は感想や読んでみて自分はどうしたいかを聞いてみたくなったり解説をしたくなったりしますが、なにも聞かなくても子どもは何度も読むうちに主題に気づくことができるので、子どもの感じるまま読ませっぱなしにしておきましょう。

感想文が待ち構えている状態を必要以上に作らないこと

子どもの夏休みの宿題の中で、最も取り組むまでに時間がかかるのが読書感想文ですよね。
ご自身の子どもの頃を思い返してみてください。読書感想文が苦手だったという人は多いのではないでしょうか？

感想文を書くために読むというのは、子どもにとって苦痛です。感想文を書くために読むと、書くべきことばかりを拾いながら読まなくてはならず、自由に物語を感じ取れません。
感想文を書くことによって本の理解や読む習慣をつけたいと思っても、本への苦手意識が高まるばかりで逆効果となることもあるのです。
宿題などは仕方がないですが、それ以外で感想文を書かせるといった作業はさせないようにしましょう。

子どもは、絵本や本を読んでもらって楽しかったという記憶が続くと、読書好きになるものです。
だからこそ、子どもが本好きになるためには、幼児期に大人が楽しい雰囲気で繰り返し絵本や本を読んであげることが大切なのです。
まだ記憶に残らないかもしれない年齢でも、絵本を読んであげることは親子のコミュニケーションにもなりますし、感性を育てる教育にもつながります。
ぜひ、子どもにはたくさんの絵本や本を読んであげましょう！

＜プロフィール＞
たいらまお
フリーライター
大学時代に教育学部で言語学・教育学・心理学などを学ぶ。大学卒業後、教育関連企業に就職。退職後カナダに渡り、留学カウンセラーとして働く。現在は帰国し、子育ての傍らフリーライターとして、子育て・恋愛・旅行関連の記事など幅広く執筆活動を行っている。

写真© S.Kobold - Fotolia.com

Profileたいらまお

フリーライター
大学時代に教育学部で言語学・教育学・心理学などを学び、教育関連企業に就職。退職後カナダに渡り、留学カウンセラーとして働く。帰国後、子育ての傍らフリーライターとして、子育て・恋愛・旅行関連の記事など幅広く執筆活動を行っている。

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