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コラム

タンポンの使い方に気をつけて!間違うとトキシックショック症候群で死亡することも?!

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タンポンの使い方に気をつけて!間違うとトキシックショック症候群で死亡することも?!
黄色ブドウ球菌という比較的に聞きなれた細菌が原因で起こるトキシックショック症候群(TSS)。誰にでもかかることは考えられますが、特にタンポンを利用する若い女性に多いと言われています。今回はトキシックショック症候群について紹介します。

トキシックショック症候群とは?

トキシックショック症候群(TSS)という病名を、あまり聞いたことがないという人がほとんどだと思います。それもそのはず、医師でさえもTSSの患者に会うことが珍しいほどマレな病気です。
しかし、イギリスでは年間に40人程度の人がTSSと診断され、うち2~3人が死亡するに至っています。

病気はマレですが、黄色ブドウ球菌という比較的に身近な菌で発症します。皮膚やわきの下、陰毛、頭髪、膣などに存在する菌で、通常、健康上の問題は何も起こしません。増殖すると毒素を産生する黄色ブドウ球菌があり、産生された毒素が体にまわることで、急性の症状が現れます。

突然の高熱から始まることが多く、倦怠感、嘔吐、嘔気などインフルエンザの症状に最初はよく似ています。そして、発疹が全身に、または部分的に現れて、急激な下痢に見舞われることがあります。適切な治療が施されなければ、血圧低下などショック症状に至ることがあり、ときには死亡することもあります。

TSSは決して身近な病気ではないのですが、男女や年齢にかかわらず起こりうる病気と言われており、対応が遅れると命さえも危うくなるとされています。

タンポンとトキシック症候群の関係

TSSは1970年代から1980年代初めにタンポンを使用している女性に目立って発症し、訴訟問題にまで発展したのが始まりとされています。アメリカカリフォルニア州北部において、この時期に入院した患者を調べた文献によると、男性4人に対し、女性50人がTSSの疑いがあることが分かっています。(※1)

1980年代の終わりには、タンポンに使用されていた吸水性の高い合成繊維がTSSの原因菌である黄色ブドウ球菌を繁殖させる温床となっていたことが明らかにされました。(※2)現在では、その素材のほとんどは使用禁止になっていますが、今なおタンポン使用で発症するTSSは完全には無くなっていません。
2015年には、アメリカのモデルがTSSの合併症によって右足を膝下から切断することになったと、タンポンの製造会社相手に訴訟を起こしています。

欧米のタンポンのパッケージにはTSSについて、次のような注意書きが記載されています。下記写真では、左側ピンクのマークの下に記載されています。



<日本語訳>
重要:タンポンの使用はトキシックショック症候群(TSS)との関連が指摘されています。マレな病気ではありますが、死に至ることもある危険な病気です。使用上の注意をよく読んでから使用してください。

どれくらいの割合でトキシックショック症候群は発症するの?

イギリスの調べによると、人が黄色ブドウ球菌を保菌している可能性は10~40%だそうです。鼻腔、腋窩、膣などに存在し、月経中の女性の膣での保菌率に限定すると5~20%といいます(保菌率とタンポンとの関連性はないとされています)。

黄色ブドウ球菌の中でも毒素を産生する菌は25%ぐらい存在するといい、毒素生産性の黄色ブドウ球菌の保持率はおよそ4~10%ということになります。(※3)

毒素生産菌が毒素を作り出すのは増殖時だけだとされていますが、何をきっかけで増殖をするかなど詳しいメカニズムは解明されていません。菌に対する抗体は年齢と共に増加するので、抗体を持っている可能性の少ない思春期の女性は、特に注意が必要です。

TSSの発症はタンポンを使用していた女性に多い事実がある一方、患者全体の約15%は火傷や手術後などの人が占めており、タンポンや月経とは関係のない理由で発症しています。
TSSのメカニズムは完全には解明されておらず、誰にでも起こりうる病気でもあります。

タンポンは使用上の注意をよく読んでから使おう

タンポンの使用自体は、黄色ブドウ球菌の増殖をまねくということはないとされています。しかし、実際にTSSの発症がマレとはいえ、今なお続いている事実があります。
タンポン愛用者は使用上の注意を守ることが大切です。特に以下のような点に注意をしてください。

・タンポンの装着は手をきれいに洗ってから行う
・タンポンは適宜取り換え、長時間使用しない
・1つ以上のタンポンを同時に使用しない
・就寝前にはタンポンを入れ替え、起床時にも入れ替える
・生理終了時には忘れないようにタンポンを取り除く

他にも、必要以上に吸収量の高いものを使用するのではなく、経血量に合ったものを使用して、マメに取り換えるのが望ましいとされています。常にタンポンにするのではなく、ときに生理用ナプキンを利用するのも対策として良いとされています。できれば1日に1回はタンポンでなく、ナプキンを利用するようにしてはいかがでしょうか。

※1一般社団法人 日本衛生材料工業連合会
※2U.S. National Library of Medicine 
※3トキシックショック症候群 医療従事者向けガイド

写真 © aijiro - Fotolia.com
Profile松下 歩
日本ではナースとしてバリバリ働いていましたが、長年の夢であったオーストラリアへの移住を果たしました!今は子育ての真っ最中、フリーランサーとして働きながら、家族5人ブリスベンで、のんびり生活しています。ナースの経験を活かした健康記事をお届けしたいと思っています。
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