扉を開けたら室温60℃「天のハウス」に広がるキラキラの塩結晶
おいしいランチと体験を満喫したあとは、いよいよ今回のメインイベントである「採塩」へ。
向かったのは、赤穂化成本社の敷地内にある室内型製塩場「天(あま)のハウス」です。2023年に新設された天のハウスは、美しい坂越湾の海水を濃縮した「かん水」を用い、太陽熱と風力という自然エネルギーだけで塩を結晶化させる特別な施設。塩によるサビを防ぐため、木材を基にしているのも特徴です。
そんなハウスの扉を開けた瞬間、まず驚いたのがその暑さ。なんと内部は約60℃にも達しているそう。真夏ということもあり、中はまさに天然のサウナ状態です。
汗が噴き出すほどの暑さのハウス内には、大きな木箱がずらり。中を覗き込むと、太陽の光を受けてキラキラと輝く塩の結晶が一面に育っていました。
普段は袋からさらさらと出して使っている塩が、こうして時間をかけて少しずつ形になっていく様子を目の当たりにすると、暑さを忘れてつい見入ってしまいます。
天日塩づくりは、天候や気温、湿度といった自然条件に大きく左右される、とても繊細なもの。職人さんたちは日々の変化を細かく見極めながら、注文に合わせて結晶の育ち具合や採るタイミングを丁寧に見守っているそうです。
自然の恵みを生かしながら、人の手でじっくりと育てていく。暮らしニスタのオリジナル塩が、こんなにも大切に、手間ひまをかけて作られていたことを知ると、ますます完成が楽しみになります。
自分好みに仕立てる、赤穂化成「オーダー天日塩」
赤穂化成のオーダーメイド天日塩は、好みに合わせて「味わい」と「粒の大きさ」を自由に組み合わせられます。
味わいは、すっきりとキレのある「浅採り」、バランスよくしっかりとした塩味の「本採り」、にがりを多く含み、コクとほろ苦さのある「後採り」の3種類。採るタイミングによって、味わいにもそれぞれ違いが生まれます。
粒の大きさは、小粒・中粒・大粒に加え、大小の粒が自然に混ざり合う「なりゆき」から選ぶことができます。好みに合わせて理想のオリジナル塩に仕上げられることから、飲食店や食品販売店などでリピートで注文される方も多いのだそう。
今回、暮らしニスタ編集部が選んだのは、素材の味を引き立ててくれる「浅採り」と、自然な結晶の表情を楽しめる「なりゆき」の組み合わせです。
いよいよ、育ったお塩をすくい上げて採塩の瞬間。木箱の底にスコップを入れ、ざっくりとすくい上げてみると……現れたのは、光を受けて輝く大粒の結晶。
大きなものは1cm近くまで育っており、普段見慣れているお塩との違いに、思わず目を見張ります。太陽熱と風の力でじっくり育った、見たこともない大きな塩の結晶に感動もひとしおです。
「採れたお塩は、このあと遠心分離機にかけて余分な水分を飛ばします。その工程で大きな結晶がほどよく崩れ、お料理にも使いやすいサイズに仕上がっていきますよ」(野中さん)
暮らしニスタの「オリジナル塩」はもうすぐ完成!
完成したオリジナル塩は、小さな袋に詰め、暮らしニスタ特製の記念ラベルを貼ってお届けする予定。受賞者や読者の皆さんの喜ぶ顔を思い浮かべながら、塩づくりが着々と形になっていく実感が湧いてきました。
2月の仕込みから約半年間、楽しみに待っていたお塩を自分たちの手で収穫することができた特別な一日。できあがるまでの丁寧なストーリーを知ると、毎日の料理に使うひとふりも、これまでよりもずっと特別に感じられます。
続く【後編】では、赤穂化成の広大な工場見学へ潜入!スーパーでおなじみ「赤穂の天塩」が主婦の声から生まれた感動の歴史や、食卓が激変する塩と水の食べ比べ・飲み比べ、そして赤穂が誇る幻の伝統工芸「赤穂緞通」の工房見学まで、まだまだ続く発見の旅をお届けします。
取材・文/岸拓見(暮らしニスタ編集部)
取材協力/赤穂化成株式会社、株式会社アコール
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