「物作りに夢中な私の最大のサポーターは主人です!」
まるでカフェごはんのようなお料理やテーブルコーディネート、さらには生活空間が楽しくなる手作り雑貨…など、さまざまなアイデアを暮らしニスタで披露してくださっているひこまるさん。100均グッズをはじめ、手軽に手に入るもので作った雑貨はマネして作ってみたくなるものばかり。そのセンスは、年明けに発売になるインテリアBOOKに紹介される予定もあるほどおしゃれです。
「暮らしニスタがきっかけで自分の作品をインテリア本で紹介していただくことになるなんてビックリ。夢のようなお話でワクワクしていますし、まだ信じられません。私にはセンスがあるなんて思えませんが、これまでコツコツと10年間ブログに綴って温めてきた雑貨や料理レシピなどを、たくさんの人たちに見ていただけるのは私にとって何よりのご褒美。真剣に取り組んできたことが形になるなんて本当に嬉しいですね」
ひこまるさんは、いろんなものをインスピレーションで手作りするのが大好き。日々の生活の中で、アンテナを張り巡らせる達人です。「ウインドーショッピングをしていてもお洋服屋さんの壁や天井を見て、作品作りのヒントを探してしまいます。自然のある場所に出かけたり、キレイな写真を眺めたり、おいしいものを食べたり、いいものに触れることが私の次の発想につながるんです」。
何事も真剣勝負。よく働き、よく寝て、よく遊ぶ。全力で楽しむのがモットー。平日は毎日仕事をしながらも、帰り道にアイデアを思いつくと、ごはんを食べるのも忘れて夢中で小物作りに没頭することもしばしばなんだとか。
「最近は段ボールやトイレットペーパーの芯、ペットボトルで作る廃材アートがお気に入り。インスピレーションがわいたら、設計図も作らず、失敗を恐れずにラフにどんどん作っています。基本、私の作品はほとんど時間がかかっていません。とにかく作っている行程が楽しくて、あまり実用的に使うことが目的で作っていないのですが、リビングに飾っているくらい満足な出来になったのがトイレットペーパーの芯で作ったラダー。芯を集めていたときは、いつのまにかすごい量になり、主人は『絶対、こんなに使わないだろう』という感じだったんです(笑)。それが完成したラダーを見て、呆れながらも笑ってくれたのが嬉しかったですね。主人は私のモノ作りの最大のサポーターなんですよ」
「おせち作りが料理の楽しさに目覚めるきっかけでした」
ひこまるさんが小物作りや料理を好きになったきっかけは、お菓子からパジャマまで何でも手作りしてくれたお母様の影響だったそう。
「幼少の頃、ひな祭りにはひな人形のデコレーションをした寿司ケーキとか、イベントや季節に合わせた手料理をよく作ってもらいました。そんな愛情いっぱい育ててくれた母が49才という若さでこの世を去ってから、残された4人家族の中で女は私ひとり。当然のことながら家事は私の仕事になりました。
料理を始めたばかりの頃は、家族からクレームがくるような創作料理ばかり作っていた、と笑うひこまるさん。生前、お母様に何も教わらなかったことを後悔しながら、料理学校にも通わず、独学で料理を覚えていったと言います。
「当初は料理に対して、“やらされている感”が否めなかったのですが、それを変えてくれたのがおせち料理でした。母が毎年作ってくれたおせちのレシピは残っていないけれど、舌の記憶だけを頼りに”おふくろの味”を作ってみようと思ったんです。料理を通して母とつながりを感じられる気がして…。作ってみたら思いのほか好評!また、そもそも自分が作るものが、1年のはじめに口にするお祝いの料理になるなんて素敵だなと思えたことが、料理に目覚めるきっかけになりましたね。今では主人の実家のおせち料理まで担当しているので作り甲斐がありますよ」
料理が好きになって、その楽しさを実感したひこまるさんは、結婚後、自分の料理を多くの人に見てもらおうとブログを始めます。
「我が家にはあいにく子供がいないので、味を継承することができません。でも、ネットから発信したレシピを誰かが作ってくれることで、私の味を残していけるとしたら素晴らしいことだなって。そんな思いで始めたのがブログへの投稿でした。誰かのご家庭が私のアイデアや味で笑顔になれる、そうした幸せのテーブルバトンが私の最高の喜びだと感じています」
「闘病生活中の父が、暮らしニスタでの投稿を応援してくれてます」
10年間、個人ブログで情報を発信し続けてきたひこまるさんが、暮らしニスタに投稿し、さまざまなコンテストにチャレンジするようになったのは、今年の春のこと。その原動力はお父様の存在だったと言います。
「個人ブログ以外の媒体に初めて投稿して、しかも生まれて初めて挑戦したコンテストで賞もいただきました。何にも自信がなかった私にもできることがあるんだと思えたし、賞をもらったことを父に報告したら、ものすごく喜んでくれて…。それが何より嬉しかったんです。実は父は重い病に倒れ、現在入院しています。自分が頑張ることで父を喜ばせたい、少しでも父の励みになりたい、という思いが今の私の一番の力になっていますね」
今回、暮らしニスタ編集部からオファーがあり、この”姫ニスタインタビュー”への登場を決めたのも、お父様が背中を押してくれたからこそ。
「私はすごく怖がりな性格なので、取材を受けて、自分が表に出ることに正直ためらいがあったんです。せっかく声をかけてくださったのだから、お受けしたい気持ちはありつつも、迷って迷って…。その時、相談した父がかけてくれたのが、『表現することを恐れないで。表現することは愛。何でも経験しないとわからないよ。自分を愛してあげてね』という言葉。明日どうなるかもわからない父からのメッセージは心に刺さりましたね」
家族を励まし、励まされながら、料理やモノ作りを続けているひこまるさん。情報を発信することで、さらに誰かの心を動かし、「私だって何かできる!何かやろう!」と思うきっかけになれたら嬉しい、と言います。 「人生は何もしないでも、あっという間に過ぎていきます。私も長い間、何もチャレンジせずに生きてきたひとり。でも、いくつになっても、何かを始めるのに遅いということはないんだと今あらためて思います。お裁縫は大のニガテで学生時代の家庭科の成績は最悪(笑)。男子技術の授業をうらやましく思っていた私が、今はこうして何かを作るのが大好きになったわけですからね。
年を重ねていくことからは逃げられないけど、10年後の私はもっとキラキラしていたい。そうなれるように、これからもいろんなことにチャレンジして、発信することを続けていきたいなと思います」。
取材・文/福田恵子
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