ということで正解は…
【四月一日=わたぬき】です。
旧暦の四月一日に着物の綿を抜くことから「四月一日」と書いて「わたぬき」と呼ぶようになったというのは分かりますよね。ですが、それがなぜ苗字として使われるようになったのかまでは突き止められませんでした。
もしかしたら、当時、自分で外せない綿を持っていけば、器用に外してくれる人だった?
自分の苗字を決めようと思った日がたまたま四月一日だった?などと考えてみるのも楽しいもの。
ちなみにこの「日付シリーズ」では、「五月七日」と書いてつゆりさん(梅雨入りの頃なので)、「八月一日」と書いてほづみさん(米の穂を刈り取る時期から)など、絶対読めない系が満載です。
「四月一日」さんも、あまりにも読み方が独特なため、いまでは漢字表記を「綿貫」や「渡貫」などと、読みやすく改名している人も多いのだとか。
それでは二問目です。
「件」という漢字が読めなかった件(けん)。というわけで今回は「けん」ではありませんよ、別の読み方です。
昨今のウイルスの流行で、SNSで話題になった「アマビエ」、ご存知ですか?
1846年に熊本県に現れて未来を予言し「疫病が流行ったら自分の姿を絵に描き、多くの人に見せれば疫病が収まる」と言った、神様のような妖怪のような、人魚のような伝説の生き物です。
ストレスの多いこの頃ですが、とぼけたテイストのイラストが拡散されて、ちょっと癒されましたね。
日本には、そのアマビエと並び称される「予言妖怪四天王」というのがあるそうで、そのひとつに「件」と呼ばれる妖怪が入っています。
「件」は字の通り、牛と人間の混ざったような見た目。顔は人で体が牛なのだそうです。
19世紀、「件」が現れた頃は、アマビエ同様、疫病を退けてくれるおめでたい妖怪だったということですが、次第にこの「件」が登場すると災いが起こるという存在に…
話がそれました。
妖怪の「件」と読み方は同じですが、「件」はこの妖怪以外にもふだん使う言葉です。「前に述べたこと」や「例の」という意味で使います。