コラム

知っておきたい！私立の中学校に進学させるメリット・デメリット

更新日：2017.10.28

高校や大学に比べるとイレギュラーとも思われる中学受験ですが、最近ではそう珍しいものでもなくなってきました。
私立の中学校となると、授業料や課外活動費の積み立てなど、かかるお金が公立に比べて高額になるのが痛いところ。その反面、中高一貫で高校受験をしなくていい、レベルの高い教育を受けられるといったメリットもたくさんあります。

子どもを私立の中学校に進学させると、どんなメリット・デメリットがあるのでしょうか？

お金がかかることはデメリット？

文部科学省の「平成24年度子どもの学習費調査」によると、公立中学校に3年間通わせた場合の学費は135万1,020円、私立だと388万5,468円となっています。

私立は学費だけでも公立の倍以上です。それに加え、入学金が10〜30万円、施設維持費や課外活動費、修学旅行積み立て金など公立よりも金銭面の負担が大きくなるでしょう。学校によっては寄付金や学校債を募るところもあります。

こうして見ると、私立はやっぱりお金がかかるのが事実。しかし、お金がかかることはデメリットなのでしょうか？

子どもにレベルの高い教育や様々な経験をさせるためにはお金がかかります。それは、私立中学校に通わせようが通わせまいが変わりません。塾に通わせても、習い事をしてもお金はかかります。
また、私立の学校で募る寄付金や学校債は、対外的に学校の財務状況の健全性をアピールでき、教育機関の肝とも言える「評判」を高めてくれる役割を担っています。
そもそも保護者などからの寄付金は、社会奉仕の一環として個人の判断で行われるものです。それによって子どもが差別されることはありません。学校債に関しては、無利子で卒業時に元本は返還されます。

何のために使うお金なのかをよく考え、生きたお金の使い方をすることが大切です。その結果、子どもたちが学校でより快適に過ごすことができ、良い先生に巡り会うチャンスを与えるきっかけになるかもしれません。

指導する教師の熱意は私立の方が上かも？

高校受験における公立中学校の対応は基本的に、塾に頼ってそれぞれの学力にあった高校に進学してもらうというものです。
中には生徒のために、と熱心に指導してくれる先生もいるでしょうが、逆もまたしかり。先生たちは義務教育の公務員であるため、指導力が低いからといって立場が悪くなることはありません。

しかし、生徒や保護者の声が通りやすい私立では、先生の指導力は常に評価されています。「優秀な先生がいる」「有名大学への進学率が高い」という評判は、親にとって学校選びの重要な判断材料になります。指導力のない先生や評判のよくない先生は、声が挙がった瞬間に対策がとられます。

そのため、教育面だけでなく、いじめ問題など生徒たちの生活面もしっかり指導してくれる環境があるのは私立の大きなメリットと言えるでしょう。

大学進学を見据えた授業内容と多彩な課外活動

私立中学に進学すると、まず3年間の授業内容やスピードを紹介されます。高校受験がないため、公立よりも授業スピードは速く、大学進学を見据えた授業内容となっています（合否判断はしないが、高校入試と同じ内容の模試を実施する学校もある）。

中学3年時には高校レベルの授業内容に入り、高校入学後から徐々に自分の目指す大学への受験準備に入る、といった流れが一般的でしょう。

また、課外活動が多く、修学旅行以外に宿泊を伴った研修旅行があるのも私立の特徴です。その他に音楽鑑賞会やマナー教室、企業訪問など学校によって様々な課外活動が行われています。こうした経験が、子どもたちの未来像や選択肢を広げるきっかけとなるかもしれません。

中だるみに注意！のびのびできる環境だからこその落とし穴？

たいていの私立中学校は中高一貫であり、大学進学を目指し、レベルの高い授業内容と充実した施設環境にあります。授業スピードも速いため、子どもたちは自ずと勉強しなくてはならない状況になるでしょう。しかし、高校受験がないという安心感からか、なかなか成績を上げられない子もいます。

進学に重点を置いているのが私立の特徴ですが、個性を尊重する空気感もあります。
横並びじゃないと異質に取られる公立に比べて、好きなことを堂々とできる環境かもしれません。子どもが割とのびのびできる環境にあるからこそ中だるみしがちな点はデメリットと言えます。

私立で中高6年間どう過ごすか、しっかり子どもとコミュニケーションを取りながら見ていく必要があります。

子どもが様々な影響を受けやすい中高の6年間。どういう環境を与えられるかは親次第です。義務教育だから行かせる、という漠然な理由ではなく、親子で一緒に将来の過ごし方について考えてみてくださいね。

写真© milatas - Fotolia.com

Profileアヤナ

ライター。企業受付を経て現在子育て真っ最中。5歳長女と2歳長男の母として、走り回りながら恋愛系コラムを中心に執筆しています。特技は、自分の子どもたちと真剣に遊んでいると、知らない子たちが集まってしまうこと。

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