“ペットボトル電車”で手作りおもちゃに開眼!
レインボールームの公式インストラクターとして活躍中の三木芽久美さん。昨年は2人の男の子を育てながら、『レインボールーム×SHIPS KIDS親子で楽しむアクセサリーキット』など2冊の書籍を執筆。自宅でのワークショップの講師としても活動するなど、アグレッシブ。彼女のモノ作り人生は、幼少時代が原点だったと言います。
「小さなときから、ハンドメイドが大好き。お誕生日のプレゼントは、子供用のミシンに機織り機。時間さえあれば、何か作っているという少女時代でした。モノ作り熱が再燃したのは、次男誕生後。出産のために滞在先のアメリカから長男と二人で帰国してからです。主人は単身赴任で、夫婦離ればなれの環境だったので、次男が生まれてからは、なかなか長男をお外に連れて行ってあげられなかったのがストレスで…。長男の笑っている顔が少しでも見たくて、ミルク調整用水のペットボトルで電車を作ったんです。乗り物好きな長男が喜んでくれるのが嬉しくて、手作りおもちゃにすっかりハマりました」
そのペットボトル電車は、2013年に『Como』で行った「暮らしニスタコンテスト2013」で準グランプリを獲得。それからますますハンドメイドにハマって、今では家族で夢中なのだとか。
「子供たちが小さい頃から、一緒にいろんなものを作ってきたので、今ではすっかり子供たちが自ら欲しいものを作るようになりました。現在、我が家は戦国ブーム。真田幸村と伊達政宗の甲冑、刀、旗、巻物…すべてみんなで手作り。暇さえあれば、子供たちは紙や段ボールで何か作っています。その姿は、いつぞやの私のよう(笑)。あれこれ手を出したくなるのですが、お手伝い要請の声がかかるまでは、見守り役に徹するようにしています」
ご主人も手先が器用で家族みんなでインテリアや子供部屋のDIYに挑んでいるという三木さん。最近は、デコレーションクッキーを極めるなど、自分自身の趣味の時間も少しずつ増えてきたそう。
「子供達のためのおもちゃ作りが落ち着いた今、『レインボールーム』『ラピットルーム』などで仕上げるアクセサリーや小物を作っています。私以外は全員男子ですから、デコレーションクッキーなど、ママの趣味に関しては、『可愛いね!』と言ってくれるくらい(笑)。もし我が家に女の子が1人でもいたのなら、手作り熱はとんでもないことになっていたかもしれませんね。
最近の楽しみは、アクセサリーやデコレーションクッキーを作ったり、ガーデニングをしたり、お教室でスキルアップをはかること。お菓子、フラワーアレンジメント、お料理、パン教室など時間をみつけては、いろいろなお教室に通いました。今は地元で採れる世田谷野菜の美味しさに惚れ込み、新鮮野菜を求めて農家へ通う日々。やりたいことはつきません」
宇宙飛行士の被服開発でもアイデアを発揮!
学生時代は大好きなモノ作りを極めるべく、家政学部で被服学を専攻。大好きなモノ作りをしながら、腱鞘炎になるほどテニスに打ち込んでいたのだとか。
「大学のテニスサークルのクリスマスパーティーでは、ファッションショーが恒例だったので、毎年本気で衣装作りに挑んでいました。お隣の研究室の教授に頼み込み、ドレス作りをご指南いただくなど、懐かしい思い出ですね。ドキュメンタリー番組『アポロ13号奇跡の生還』がきっかけで子供の頃から宇宙が大好きだったので、自ら開発したお洋服を着て、国際宇宙ステーションに行くのが夢でした」
大学院卒業後は、宇宙飛行士の被服の開発に携っていたというユニークな経歴の持ち主。直属の上司は宇宙飛行士の向井千秋さんだったと言うのだから驚きです。
「大学院卒業後は某宇宙機関にて、大学、企業と連携して宇宙飛行士さんが宇宙ステーション内で着用するお洋服を研究開発していました。スペースシャトル時代の宇宙滞在は2週間程度でしたが、昨今の宇宙滞在は6ヶ月程度。現在、宇宙には洗濯機がないので、Tシャツを毎日着替えるには、6ヶ月分一人当たり180枚必要になるんです。
実際、宇宙では毎日着替えることは出来ないので、Tシャツ類で1ヶ月、下着類でも1週間近く連続して着用しなければならない。そのため、宇宙生活をより快適にする技術の1つとして、抗菌素材の開発などを行っていました。そんな素材から生まれた宇宙船内被服は、現在宇宙飛行士さんのみならず、床ずれ防止、消臭効果が期待できることから、介護の現場でも注目されているんですよ」
夜遅くまで研究に勤しみ、論議を戦わせていた日々だったそう。「いろんなことに興味を持って、取り組むガッツはあの時代に培ったものかもしれません」とニッコリ。
「今は小学1年生、幼稚園の年少の2人を抱え、正直いっぱいいっぱいな毎日ですが、お城や史跡、博物館巡りが大好き。 時間さえあれば、休日は家族でお出かけを楽しみます。 長男が歴史好きがきっかけで、漢字が大好きになったり、地理に強くなったり。プラスも多いです。子供たちの興味関心を引き出すことを優先していますが、もともと私も主人も歴史が大好きなので、家族で楽しんでいますね。あと、家族全員で参加している、週1回の空手も良い息抜きになっています」
現在はワークショップを定期的に開催中。地域のママを支援したいと語ります。
「『子供がいるから…』『他人に迷惑かけるから…』という理由で色々なことを諦めていた時期がありました。でも、思い切って一歩踏み出したら世界が変わった。子供と一緒でも何でもできると自信がついた瞬間でした。子育て中のママ達のはじめの一歩をお手伝いしたいという気持ちからワークショップを始めました。子供と一緒に気軽に参加できて、ママが楽しめる場所は貴重です。高いスキルを持ちながら、お蔵入りしているお友達が近所にはたくさん。地域のママ会を結成して、お互いを高められる環境作りをしていきたいですね」
子供たちに家庭科を教える先生になるのが夢!
男の子二人の育児は壮絶。子育てがひと段落したら、実現させたいことがあるそうで…。
「中学高等学校教員免許を持っているので、自分の子供達がもう少し大きくなったら、家庭科の先生になるのが夢です。今やっている手作りは子供達とのコミュニケーションツールとして使えるものばかり。デコレーションクッキーが作れて、お料理が上手で、フラワーアレンジメントやお洋服、おもちゃ作り…。何でもできちゃうオシャレな家庭科の先生を目指したいです。宇宙服のファッションショーもやってみたいですね」
ジュニア野菜ソムリエの資格を習得するなど、夢に向かって、家庭科に関する様々な専門知識を高めている真っ最中。そんな向上心あふれる三木さんの目標とする人はお母様なのだそう。
「ハーピストの母は、私や弟が幼稚園や学校にいる時間だけ、自宅や学校でハープを教えていました。 私たち兄弟が家に帰った時には、自宅で手作りおやつを作って待っていてくれたので、寂しい思いはしたことありませんでした。主婦業をしながら、短い時間を利用してきっちりお仕事をする姿が誇らしかった。今でも講師として活躍していて、とても尊敬していますし、自分自身もそんな生き方に憧れます」
取材・文/福田恵子
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