コラム

個人番号カードはもう申請した？マイナンバー制度の3つの落とし穴

更新日：2017.10.28

2016年1月からいよいよスタートしたマイナンバー（個人番号）ですが、みなさんはどのくらいマイナンバーについてご存知ですか？
政府は「社会保険・税・災害対策の分野で個人の特定がすぐ可能になり、国民の利便性の向上、行政の効率化、公正な課税や社会保障の給付が実現できる」と説明しています。
けれど、マイナンバー制度には気をつけなくてはいけない落とし穴がいくつかあるのです。

落とし穴その1：「個人番号カード」取得には申請が必要

マイナンバーのメリットとして、「本人確認のときの身分証明書として使える」「市区町村が提供するいろいろなサービスが使える」と宣伝されています。
しかし、身分証明書として使うことや公共サービスを利用するためには、顔写真付きの「個人番号カード」という別のカードを自分で申請しなくてはなりません（申請は郵送やインターネットなどで行います）。

個人番号カードの受け取りは、原則として市区町村窓口に出向くことになります。受け取りの際、「署名用の電子証明書」（英数字6文字～16文字）と「利用者証明用の電子証明書」（数字4ケタ）を個人番号カードに登録するので、前もって考えておきましょう。
これらの電子証明書は、確定申告の電子申告「e-Tax」や、住民票のコンビニ交付サービスなどを利用するときに必要な暗証番号です。

もちろん個人番号カードがない場合でも、今までどおり運転免許証や健康保険証などを本人確認の身分証明書として使い続けることもできます。
マイナンバーが必要なときは、運転免許証や健康保険証などと一緒にマイナンバーの「通知カード」を提示すればOKです。
なので、住民票などのコンビニ交付を利用したい人や確定申告にe-Taxを利用する人以外は、あわてて個人番号カードを申請しなくても大丈夫です。

落とし穴その2：「個人番号カード」の裏面の管理に注意！！

個人番号カードには、表面に顔写真・氏名・住所・生年月日などの情報が、裏面に12ケタのマイナンバーとICチップが載っています。
個人番号カードを身分証明書として使う場合、必要なのは表面の情報です。裏面には個人のトップシークレットであるマイナンバーがあるため、必要なとき以外は個人番号カードの裏面のコピーを取られるようなことがあってはなりません。

例えば、レンタル店などへの入会で、個人番号カードを身分証明書として利用する場合。入会手続きにはマイナンバーは必要ないので、店側はカード裏面のマイナンバーを書き写したり、コピーを取ったりしてはいけないことになっています。
しかし、世の中には「他人のマイナンバーを集めて売り飛ばそう」という悪い人がいるかもしれません。レンタル店に限らず、個人番号カードを提示する際には、裏面のコピーを取られないように注意してください。

また、個人番号カードの取得・未取得にかかわらず、法令上の必要がないのに他人にマイナンバーを知らせた場合は、マイナンバー法（正式名：『行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律』）第19条違反となります。

落とし穴その3：「個人番号カード」と「電子証明書」では有効期間が違う

個人番号カードの有効期間と、カードに登録される電子証明書の有効期間は以下のように違うため、更新時期に注意が必要です。
また、15歳未満の子どもの（利用者証明用）電子証明書については、親権者が登録することになるので、親が覚える電子証明書の数も増えます。

大人の場合は、個人番号カードの有効期間の途中で電子証明書の更新が必要となります。
以前の住民基本台帳カードのときは、電子証明書の期限が途中で切れ、e-Taxで確定申告をするために電子証明書の更新者が2～3月に殺到するということがありました。なので、電子証明書の更新は時間に余裕を持って行っておきましょう。

20歳未満の場合は、個人番号カードと同時に電子証明書も期限が切れるのでわかりやすいですが、そもそも幼い子どもに個人番号カードが必要なのかという問題があります。
子どもの個人番号カードについては、本人が自分で管理できるようになるまで作らない方がいいかもしれません。

以上のように、マイナンバーを管理する行政機関と同様、私たち個人も手元にあるマイナンバーの管理に注意しなければなりません。
とくに、個人番号カードを取得した場合は、カード本体の管理に加えて、電子証明書の暗証番号の管理も必要になります。
マイナンバー導入初期の混乱が落ち着くまで、あるいはどうしても個人番号カードが必要なケースが出てくるまで、当面は個人番号カードを申請せずに様子を見る、というのも一案です。

＜プロフィール＞
おおいみほ
ファイナンシャルプランナー（AFP）／二級ファイナンシャル・プランニング技能士
銀行にて、預金商品やローン商品、クレジットカード商品のマネジメント業務を経て、現在はウェブサイトなどのマネー関連記事の執筆、個人投資家として活動中。

写真© milatas - Fotolia.com

Profileおおいみほ

ファイナンシャルプランナー（AFP）／二級ファイナンシャル・プランニング技能士。銀行にて、預金商品やローン商品、クレジットカード商品のマネジメント業務を経て、現在はウェブサイトなどのマネー関連記事の執筆、個人投資家として活動中。

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