長い夏休み。学校がない分、ふだんは行けない場所へ遊びに行くこともありますよね。今回はママ友宅や義父母宅へ出かけた時、思いがけず高級食器を出されて困ってしまったというKさんのお悩み。マナー専門家の齊木由香さんに教えてもらいました。
Q.おじゃましたお宅で出される高級食器…。子どもが割ってしまわないかヒヤヒヤする(K・Aさん)
ママ友宅や義父母宅など、招かれた家で出される食器が高級なものばかりだと、わが子が落としたり割ったりしないかとヒヤヒヤして、おいしいものも食べた気がしないです…。こういう時、どう対応したらいいのでしょうか。
高級な食器は「楽しんで使うこと」が出してくれた方への配慮
招かれた家で高級な食器が出されてヒヤヒヤしたことがあるとのこと、子どもは咄嗟の行動に出ることもあり、割ってしまったあとの対応や、どのようにお詫びをすればよいかと考えると気が気ではありませんよね。しかし、過度に気にしなくても大丈夫です。
通常は、もてなす側が使ってほしいと思って出していますので、ふだんご自宅で使っているコップや器を想定して、その食器を楽しむ気持ちで使いましょう。
「素敵な食器ね」と言えるくらいの気持ちでいることが招かれた側の配慮といえます。
万が一、トラブルになりそうだと感じたら
万が一、高級な食器を出されてトラブルになりそうだと感じた場合は、「素敵なお皿をお出しくださり、ありがとうございます。うちの子はつい手が当たってしまう事があるので、どうか気軽なお皿を使わせてください」と一言伝えると、お互いに気兼ねなく時間を過ごせるでしょう。
しかし、多様な価値観が認められる現代においては、出された食器を受け入れて、思い切って楽しんでみるのも新たな学びがあるかもしれません。
生活スタイルや文化が違う方たちの集まりは貴重な学びの場
あるインターナショナルスクール通っている方のホームパーティーに招かれたことがあります。世界中から実に多国籍な方々が集まるそのスクールでは、ふだんから学校のあとも互いの家を行き来し、交流をしているそうです。
大きな豪邸に住んでいて運転手付きの車で送迎される方もいれば、ベビーシッターの方が送迎される方、親子さんが公共交通機関を使ってこられる方、実にさまざまだそうです。
文化はもちろん、生活スタイルや家庭環境もさまざまですが、決して他人とを比較することなく、誰もがお互いを受け入れているそうです。
足並みを揃えることが美徳とされる日本の風潮も、時には便利ではありますが、このように子どもの頃から多様な文化交流を経験し、視野を広げスキルを高めていくのも素敵ですよね。
コロナ禍もあり、なかなか違う国の方々との交流は難しいかもしれませんが、せっかくの夏休み。お子さんと一緒に、いろいろな経験をして価値観を高めてみるのも、いいかもしれませんね。
齊木由香●和文化研究家。日本近代礼法 主催。旧酒蔵家出身で幼少期より和服に親しむ。日本の伝統文化や年中行事に関する執筆を行うほか、CMやドラマなどで所作指導・監修にも従事。著書に『トップの意思決定』。
取材・文/佐藤真紀
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