空気が冷たく乾燥している冬は、手荒れがひどくなる季節です。
スーパーで買い物したとき、手がカサカサしてビニール袋がなかなか開けられない!ということ、ありますよね。とくに今年は、新型コロナウイルスの感染対策の影響で、消毒アルコールによる「コロナ手荒れ」を起こしてしまっている方は多いです。
手荒れの悩みを解決して乾燥知らずのつるつるの手になり、ビニール袋もすっと開けられるようになりたいですよね。そこで今回は、手のカサカサの原因と改善策についてご紹介します。
(文/皮膚科医 金城 里美)
今年の冬は手荒れしやすい?!その原因とは?
手荒れは手の皮脂が失われて乾燥したときに起こります。手荒れの原因としては、主に以下の3つが考えられます。
①湿度・気温の低下による乾燥
②手洗い・消毒による乾燥
③水仕事や紙に触れたりする手作業による乾燥
冬になると気候の変化や暖房など、気温と湿度の低下によって起こる乾燥の影響で手荒れがひどくなりやすく、さらに今年は新型コロナウイルスの感染予防のため、手洗い・消毒をする機会が増えて、手洗い・消毒による乾燥の影響で手荒れになる人が増えているといわれています。
スーパーのレジ袋が開けられない!カサカサ手荒れの対処法
手がカサカサだと何かと困ることが多いですよね。買い物のときにスーパーのビニール袋がなかなか開けられないことも難点。手のカサカサがひどくなると、あかぎれができて痛くなることもあります。
ビニール袋が開けにくいのは、手肌の乾燥の初期サインです。あかぎれができるまで悪化してしまうと、傷口が閉じるまでは待つしかありません。手荒れがひどくなる前の対処が大事。さまざまな場面での手荒れの対処法についてご紹介します。
カサカサ手荒れの対処法!
●消毒液で手荒れが悪化する場合は、低刺激の消毒液を使いましょう。アルコール濃度の低いタイプものもなどが販売されています。
●手を洗った後は塗れたままにしないで、ハンカチやペーパータオルで手指の水気をしっかりふき取りましょう。コロナ禍で現在は使用中止になっているハンドドライヤーは、実は乾燥の原因になります。
●水仕事はぬるま湯でしましょう。冷たすぎると手の血流が悪化しますし、熱すぎると手の皮脂が取れてしまいます。
●水仕事の時はゴム手袋を使いましょう。手荒れがひどい場合はゴム手袋の中に綿の手袋をつけるのもいいです。
●食器は洗剤に浸けおきしてから洗うと、洗剤による手荒れを減らせます。食洗器を使うのも有効です。
●手洗い、水仕事の後はこまめにハンドクリームを使いましょう。外出の際は携帯したり、自宅では水場のそばに置いておいたりすると、こまめに使いやすくなります。
お悩み別!ハンドクリームの選び方
ハンドクリームはさまざまな種類が販売されています。ご自身の手荒れの状態に合わせてハンドクリームの成分を選ぶようにしましょう。
1.手のガサガサ、ゴワゴワ(角質が分厚くなった感じ)がある場合
尿素の入ったハンドクリーム:尿素には角質を柔らかくする効果があります。ただし、あかぎれなどの傷がある場合はしみることがあります。
2.手の乾燥が強い場合
ヘパリン類似物質の入ったハンドクリーム:ヘパリン類似物質は皮膚科で処方される保湿剤にも含まれており、高い保湿力があります。
3.手にあかぎれがある場合
ビタミンの入ったハンドクリーム:とくにビタミンEは保湿効果と共に血行促進効果があり、しもやけにも効果的です。
漢方薬による手荒れ対策
「手荒れになりにくい体質を目指したい」「乾燥肌にもう悩まされたくない」。そんな方には漢方薬がおすすめです。
漢方薬は、医薬品として効果が認められています。自然の生薬からできており、一般的には、西洋薬よりも副作用が少ないといわれています。
また、漢方薬は根本的な体質の改善を目指すものですので、「薬でやり過ごしても、またぶり返す」などとお悩みの方にも、ぜひ試していただきたいお薬です。
さらに、漢方薬は思ったよりもお手頃価格で購入できますし、食事に気をつけたり、運動が苦手という方でも、毎日飲むだけですので、気軽に継続できます。
効果と安全性が認められている漢方薬を日常生活に取り入れることで、健康で快適な生活をめざしてはいかがでしょうか?
<手荒れの方におすすめの漢方薬>
●四物湯:皮膚が乾燥して色つやの悪い方の手荒れやしもやけに用いられます。
●当帰四逆加呉茱萸生姜湯:手足の冷えが強い方の手荒れやしもやけに用います。
●当帰飲子:冷え症の方の手のカサカサ、湿疹に用います。
ただし、漢方薬を選ぶ際の重要なポイントは、その人の状態や体質に合っているか、という点です。うまく合っていないと、効果を感じられないだけでなく、場合によっては副作用が生じることもあります。
どの漢方薬が自分に向いているのかを見極めるためには、プロの力を借りるのがおすすめです。「あんしん漢方」などのオンライン漢方サービスに、一度相談してみるのもいいでしょう。
AI(人工知能)を活用した漢方のプロが、お手頃価格で、個人に効く漢方を見極めて自宅に郵送してくれる「オンライン個別相談」が話題です。相談もスマホで完結ですので、対面では相談しにくい悩みも気軽に相談できます。
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手荒れ対策でしっとりすべすべ肌に♪
手荒れの原因と対策、ハンドクリームの選び方を中心に解説しました。新型コロナウイルス感染対策で手荒れが増えているこの時期、手荒れを悪化させないためには日々のこまめなケアがとても大切です。日常生活の中で手をいたわる習慣を身につけていきましょう。
<この記事を書いた人>
皮膚科医 金城 里美
医師/薬剤師
東京大学薬学部卒業後、医師を目指して、東京医科歯科大学医学部に入学。
体、精神とも関わって多様に現れる皮膚の病態に興味を持ち、皮膚科医の道を選ぶ。卒業後、大学病院、総合病院、クリニックでの皮膚科勤務を経て、一般皮膚科から美容皮膚科まで皮膚科領域の診療を幅広く行う。
現在、総合病院の皮膚科常勤医として勤務。3児の母。
皮膚がより良くなることで、その人の毎日がより明るくなることを目指して日々診療を行う。
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