コラム

すわ地震！とっさの時にやってはいけない３つのNG行動

更新日：2017.10.28

近年起こった大震災の数々によって、これまで防災時に想定していた常識がいくつも覆されています。
今、地震がきたら、あなたはどのように行動しますか？
もしかしたら、頭の中で想定しているその行動は古い情報に基づいた間違った行動かもしれません。
小さな子どもを持つお母さん方がやってしまいがちな3つの行動を例に、危機管理アドバイザーの国崎信江先生に新常識を聞いてみました。

【行動１】
地震がきたら、子どもを呼んで抱いて守る

【答え】
動揺して子どもの名前を連呼するとかえって危険な場合も

「これは、小さなお子さんがいるお母さんがしてしまいがちな間違った行動です。子どもは呼ばれると親のもとへ行こうとするもの。ママが台所など危険な場所にいて、子どもは比較的安全なリビングにいた場合、子どもの名前を連呼したがために子どもが呼ばれていると勘違いして台所にきたら危険度がアップしてしまいます。そういうときは、名前だけを呼ばずに具体的に『クッションで体を守って！』『廊下に逃げて！』など、指示を出すことがとても重要です。的確な指示ができるよう、ふだんからイメージトレーニングをしておきましょう」（国崎先生）

【行動２】
地震がきたら、まずテーブルの下へもぐる

【答え】
マンションと戸建、耐震強度でとるべき行動はことなります

「マンションの中層階と高層階では、テーブルの下にもぐるのはNG！テーブル自体が大きく動いて凶器化し、もぐり込めないはずです。それよりも『丈夫なものにつかまる』と覚えておきましょう。ですが、なにも家具がない廊下に逃げるのがベストです。手すりがあればそれにつかまりましょう。『地震がきたらテーブルの下にもぐる』は、戸建とマンション低層階の場合です（ですが、テーブル自体が壊れることもあり過信は禁物です）」（国崎先生）

【行動3】
四辺を柱で囲まれたトイレがいちばん安全？

【答え】
よく言うトイレやバスが安全…はウソ

「2階から上の部分と屋根で数十トンの重さになっています。家の作り方が多様になっているいま、トイレを過信するのは危険です。被災地で耐震性の低い家が倒壊していて、トイレだけが残っているという事例を見たことがありません」（国崎先生）

家や道路、公共の建物などは、時代の流れとともにその構造は変化していくもの。だからこそ、昔言われていたことが今も通用するとは限りません。そして、なによりも震災というのは、自然によって引き起こされるもの。私たち人間の想像が及ばないことが起こってしまう可能性が多くあります。いざというときに家族の安全を守れるよう、情報に踊らされず、正しい情報を収集し、準備しておくことが大切です。

＜プロフィール＞
危機管理教育研究所　代表
国崎信江先生
危機管理アドバイザー。阪神淡路大震災をきっかけに自然災害や犯罪から子どもを守る研究と活動をスタート。講演や執筆活動のほか、各メディアでもおなじみ。私生活では3人のママ。

写真© mykeyruna - Fotolia.com
※出典：雑誌『Como』（主婦の友社）／「家族の命を守る防災マニュアル」より

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