コラム

子供の話、聞いていますか？幼児期の暴力・暴言にはワケがある

更新日：2017.10.28

最近急に子どもが暴力的になってきていたり、親戚や知人の子どもの乱暴が目に付いたりすることはありませんか？
攻撃的な性格は遺伝や個性ではなく、ある“サイン”の可能性が大きいそうです。
どんな環境でも引き起こしかねない、幼児期の暴力や暴言について、原因や対策を考えてみましょう。

言葉の代わりの暴力

1歳から3歳ころまでの言葉がたどたどしい時期の子どもは、自分の気持ちや欲求をスムーズに表現できずにもどかしい気持ちを抱えている様子を度々見かけますよね。
このとき、周囲の大人が根気強く付き合ってあげたり、主張を汲み取ろうとフォローしてあげたりすることができれば、たとえ時間はかかっても子どもの心には“分かってもらえた”という小さな満足感が生まれます。
しかし、時間がないからと子どもの話に向き合わなかったり、忙しさなどから大人目線の回答へ誘導してしまったりすると、“分かってもらえない”とフラストレーションが溜まることになり、短絡的に伝わる暴力を用いるようになってしまいます。
さらに、言葉で主張したときは受け入れてもらえなかったのに、暴力で訴えたら自分と向き合ってもらえた、という経験をしてしまうと、どんどん言葉を使わず暴力を頼るようになっていく傾向に。
さっきまでおとなしく一人遊びをしていたのに、急におもちゃを投げたり乱暴したりする、という場合も本心はちょっぴり寂しかったのかもしれませんよ。
少し乱暴かな、と感じたら、子どもなりの“かまってサイン”かもしれないと気を配ってみてくださいね。

兄弟・姉妹間のやりとりから

上にお兄ちゃんやお姉ちゃんがいる場合、大人だけでなく兄弟・姉妹間から学び吸収することもたくさんあります。
自分よりも言葉が達者で力も強いお兄ちゃん・お姉ちゃんは、下の子にとって良くも悪くも“ライバル”となることでしょう。
子供同士で仲良く遊べているからとつい目を離す時間が増えてきてしまうと、ちょっとしたケンカやトラブルの際に介入するタイミングを逃してしまう場合もあります。
このようなとき、上手く言葉を操れない下の子が暴力を奮ったり、聞き分けの十分でない相手に困った上の子が暴言を吐いたりする前に、できれば仲裁役として大人が間に立ち、状況を把握できるよう見守り役になりたいところです。
ケンカのときに暴力や暴言によって優位に立てた経験を何度も繰り返してしまうと、子どもはその後も暴力や暴言に頼り要求を通そうとするようになります。
そうなってしまう前に、ケンカになってしまった原因と双方の主張をヒアリングし暴力や暴言を使わない解決の仕方を教えていきましょう。

さらに、ある程度歳の離れたお兄ちゃんやお姉ちゃんがいる子の場合、家庭内では問題のなさそうな子に見えても、家の外では暴力や暴言を使ってしまっているケースもあります。
そのような兆候を目にした、耳にした場合は、本人に対してアプローチすることも必要ですが、同時にお兄ちゃん・お姉ちゃんにも話をして“悪いお手本”になることを防いでもらう必要もあります。
下の子ばかりに注意する環境が続いてしまうと外での跳ね返りがひどくなり、解決が遠ざかることもあるようです。

発達障害が疑われるケースも

暴力や暴言が一過性のものでなく、半年や1年以上続く場合は発達障害などの特性を抱えているサインかもしれません。
発達障害を持つ子どもの暴力や暴言は、同年代の子どもより知力の発達がゆっくりしていることが要因になるときや、その子ならではのこだわりがあるのに上手く伝えられない・理解されないことが要因になっているときなど、様々です。
専門のカウンセリングや治療を受けることで親も子どもも暮らしやすくなり、気になっていた暴力や暴言が改善されることも少なくないですよ。

大人が忙しい、兄弟間のやりとりが上手くいっていない、障害を抱えている、など、子どもの話や欲求をないがしろにしてしまう環境は身近に、目には見えにくい形で潜んでいるものです。
不満や文句が見られないからといって子どもに甘え続けていると、いつしかフラストレーションが爆発し暴力や暴言に発展してしまうかもしれませんよ。
寝る前のちょっとした時間や、休日のリラックスタイムなどに、ゆっくり顔を見ながら子どもと会話できる機会をぜひ設けてみてくださいね！

りうな
ライター
2男1女の育児をしながら、ママも子どもも明るく楽に過ごすためのメソッドやテクニックをWEB媒体に発信中。また、育児テーマのみならず、美容やライフハックなど、日々の暮らしに生かせる身近なネタも得意分野。

写真© igor rotari - Fotolia.com

Profileりうな

ライター
2男1女の育児をしながら、ママも子どもも明るく楽に過ごすためのメソッドやテクニックをWEB媒体に発信中。また、育児テーマのみならず、美容やライフハックなど、日々の暮らしに生かせる身近なネタも得意分野。

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