急に脚がつって困ったことはありませんか?
こむらとは、ふくらはぎのこと。脚がつる「こむら返り」は、突然不随意な筋肉の痙攣が起こるもので、痛くてひたすら治まるのを待つのがつらいものです。
だいたい数分程度で治まりますが、いつ起こるかわからない恐怖もありますよね。こむら返りは、寝ているときや夜に起こりやすいですが、水分不足や栄養、寒暖差なども関係しています。
今回は、こむら返りについて、原因や対策をご紹介します。
突然、脚がつる「こむら返り」とは?
こむら返りは、ふくらはぎの筋肉の異常な収縮が原因です。筋肉の痙攣や強い痛みを伴い、前触れなく突然起こります。
筋肉には、伸びすぎを防ぐ筋紡錘(きんぼうすい)と、縮みすぎを防ぐ腱紡錘(けんぼうすい)がありますが、腱紡錘の働きが低下すると筋肉の異常な収縮が起こり、こむら返りになるといわれています。
また、ミネラルバランスの乱れや、脱水、冷え、血行不良、加齢、薬剤などが原因となる場合もあるのです。
夏に「こむら返り」が起こりやすい理由
こむら返りは、筋肉の疲労時や脱水時にもよく起こります。原因はまだ不明な点もありますが、大きな要因として電解質のバランスが崩れることが挙げられます。
電解質とは、マグネシウムやカルシウム、カリウムなどのことですが、とくにマグネシウムは不足すると腱紡錘の機能に影響するため注意が必要です。
夏場は、汗を多くかくため電解質のバランスが乱れがちです。さらにアルコールを飲む機会も増えると、アルコールの利尿作用によって脱水になりやすくなります。
また、冷房の冷えなどで血行が悪くなったり、体温が低下することでこむら返りが起こりやすくなってしまうのです。
こむら返りが起こったときの正しい対処法は?
こむら返りが起こってしまったら、無理やり伸ばさず、ゆっくりと慎重に患部を伸ばしてください。一気に伸ばそうとすると、筋肉を損傷させたり、肉離れを起こすこともあります。
こむら返りを予防するには?
こむら返りを予防するためには、水分摂取や栄養補給、塩分補給、ストレッチや定期的なマッサージなどが効果的です。
1.水分補給
水分が不足すると、こむら返りが起こりやすくなるため、適度な水分摂取が大切です。
スポーツドリンクなどでもよいですが、麦茶にひとつまみの塩を入れるなどしても効果的です。
2.入浴
血行が悪くなると、ふくらはぎや足先に酸素や栄養素が行き届かなくなります。血行不良や脚の冷えは、入浴で改善しましょう。
ふくらはぎには、全身の血行を巡らせる役割もあるため、湯船でゆっくりと温めるのが理想です。入浴をシャワーで済ませてしまう人は、足元だけお湯をためたり、足湯のように足元をしっかり温めるようにしてください。
3.ミネラルの摂取
こむら返りの予防には、十分なミネラルの摂取が不可欠です。マグネシウムは、ヒジキやワカメなどの海藻類やナッツ類に多く含まれています。
また、乳製品や大豆製品に多く含まれるカルシウムや、キウイやバナナなどに豊富なカリウムなどをバランスよく取り入れましょう。
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脚がつりやすい人には漢方薬もおすすめ
こむら返りは、血行不良や冷え、電解質なども影響しますが、血(けつ)の流れが滞ることも一因となります。
繰り返すこむら返りには、漢方薬を使用し、血を増やして血流を良くすることがおすすめです。こむら返りには、筋肉の緊張をゆるめたり、こむら返りの痛みを抑える作用のある漢方薬が選ばれます。
また、漢方薬は、血流の改善によって筋肉に血流を流し、こむら返りになりにくいからだをつくります。血流がよくなると、イライラや疲労も軽減されるので一石二鳥ですね。
<脚がつりやすい人におすすめの漢方薬>
・芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう):こむら返りに効果的な漢方薬の代表が芍薬甘草湯です。
鎮痛効果のある芍薬と、抗炎症効果のある甘草のみでできており、急な痛みにも効果があります。頓服としても使用でき、筋痙攣の予防としても有効です。
・疎経活血湯(そけいかっけつとう):芍薬甘草湯以外にも、こむら返りに有効な漢方薬として疎経活血湯があります。
疎経活血湯は、芍薬と甘草を含めた17種類の生薬でできています。水分や血液の流れをよくし、とくに下半身の痛みに効果があるとされています。
芍薬甘草湯は、こむら返りや痛みによく使用される漢方薬です。しかし、心臓病をお持ちの人は使用できないなど、いくつかの注意点もあります。
漢方薬を選ぶときに重要なのは、その人の状態や体質に合っているか、ということです。うまく合っていないと、効果を感じられないだけでなく、場合によっては副作用が生じることもあります。
どの漢方薬が自分に合うのかを見極めるためには、プロの力を借りるのがおすすめです。「あんしん漢方」などのオンライン漢方サービスに、一度相談してみるのもいいでしょう。
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水分補給や栄養補給でこむら返りを予防しよう
こむら返りは、急にからだを動かしたときや、寝ているときによく起こります。原因として、水分やミネラル、血行、冷え、寒暖差なども関係しているため、普段の生活習慣を改善することで予防できるでしょう。
脱水にならないよう、寝る前に水分を摂取することや、利尿作用のあるコーヒーやアルコールを飲み過ぎないこともポイントです。加えて、積極的に海藻なども摂り、ミネラル不足を解消しましょう。
<この記事を書いた人>
薬剤師 相田 彩
薬剤師。昭和薬科大学薬学科卒業。
総合リハビリテーション病院、精神科専門病院、調剤薬局に勤務するなかで、漢方薬が使用される症例の多さと、体質や症状に適した漢方を使用することの重要性を実感する。漢方薬の力をより多くの方に広めるために、漢方のプロがAIを活用して自分に適した漢方薬を選び、お手頃価格で自宅に郵送してくれる「あんしん漢方」で情報発信をしている。
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イラスト/momobuta
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