「狭い部屋だから散らかる」は単なる言い訳！収納上手になる基本とは？

広い場所ほど片づけの難易度は高くなる

「よく、『家が狭いから散らかる』と嘆く人がいます。しかし、これは単なる言い訳。人間にはキャパシティというものがあり、管理できるスペースが狭いほど片づけの成功率は高くなるのです。かくいう私も、一人暮らしのときは物の管理が簡単だったのに、夫と茨城の広いマンションに引っ越した途端に物を増やしてしまい、片づけに悩まされた経験アリ。人間は、空いている空間があるとそこに何かを置きたくなる習性があるようです。

さて、物の住所が決まったら、次は家（容器）をどうするか考えなければなりません。そのときに気をつけたいのが、収納する容器の大きさ。例えばスーパーで買ってきたカレールーを台所収納のどこかに入れておくというだけでは×。『ストッカーの一番上の段の右のカゴに食料のストックはまとめる』など、場所を具体的に限定して初めて“物の住所”の効果が発揮されるのです。

これは、できるだけ探す負担を減らすため。
収納場所がぼんやりしていると、それだけ探す時間も手間も増えてしまいます。

子どものおもちゃ収納も同じです。おもちゃをノンジャンルで大きいケースに入れておくと、使いたい物が見つからずイライラ。しかし、あらかじめある程度のジャンルに分かれて小さめ＆浅めのケースに入れてあれば、子ども自身がひと目で物の場所を把握でき、すぐに見つけ出すことができます」

分け方はジャンル別、ざっくりでＯＫ

「ただし、細かく分けすぎたり、入れる容器が小さすぎると、逆に戻すハードルを上げてしまいます。

わが家では、ざっくりとジャンル分けして、それぞれをひとまとめにしています。掃除するとなったときに必要な洗剤やブラシなど、同じときに使いそうな物は一緒にして同じ箱へ。梱包用のガムテープやひもなどもひとくくり。使うときは箱ごと出してくると便利です。

子どものおもちゃも、電車、車、おままごと、お絵描きセットなど、ざっくりと分けて入れておき、遊ぶときは使う物が入った箱だけ出して来れば、混ざり合う心配もありません。箱ごとひっくり返しても、少量なので部屋中が散らからず、何といってもその箱にすべてを戻せばいいだけなので、子どもでもラクにお片づけが可能。

ただし、車を種類で分けるなど、分類収納に細かくこだわりすぎないように。神経質に分けたところで、そのうちグチャグチャに混ざり合うようになるため、やるだけムダになってしまいます。キッチンツールなども小さいケースに一本ずつ収納していこうとするのはナンセンス。あくまでも家は生活の場。あまり意識せずにパッと戻せて、使うときも苦なく取り出せる、それが理想です。

要は探すときに『これはおそらくこの箱に入っている』という目星がつけばいいのです。
自分が心地よく感じるざっくり加減で収納するのが、長続きするコツですよ」

※『あなたもつかめる！　もう探さない人生』（1200円＋税・主婦の友社刊）より

＜著者プロフィール＞
吉川永里子（よしかわ・えりこ）●収納スタイリスト®／Room&me代表／整理収納アドバイザー1級認定講師
「片づけはストレスフリーに暮らす近道」をモットーに、女性目線・ワーキングマザー目線で整理収納やライフスタイル提案を行う。メディアでのアドバイス以外に、個人のお客様のお宅へも積極的に伺っている。講演・セミナー・ワークショップなどでは、テンポのいい分かりやすい言葉で片づけについてレクチャー。『Como特別編集 吉川永里子のクローゼット収納―衣替え必要なし！』『元 「片づけられない女」の幸せの引き寄せ方 片付け道』（ともに主婦の友社）など著書多数。プライベートでは夫と2人の息子と52平米の賃貸マンションで暮らす。
http://www.roomandme.net

取材・文／栗田瑞穂

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