桜鯛と真鯛は同じ魚?旬の時期や白子を使ったレシピまで紹介!

桜鯛と真鯛は同じ魚?旬の時期や白子を使ったレシピまで紹介!

おめでたい日に欠かせない食材といえば、「鯛」ですよね。俳句や落語にも登場する有名な食材ですが、ひと口に鯛といっても真鯛、桜鯛、黒鯛、みかん鯛、花鯛などさまざまな種類があり、味の特徴が異なります。福岡、愛媛、三重などの産地もさまざまで、スーパーで買う際にどれを選べばいいのか迷ってしまうのではないでしょうか。

今回は、鯛の旬の時期から種類、スーパーでの選び方から白子の調理方法まで徹底解説します。ぜひ、鯛を食卓のメニューに取り入れてみてくださいね!

正真正銘の鯛は13種類!

「タイ」と名の付く魚は200種類以上にのぼるといわれていますが、実は正式な鯛にあたる「スズキ目スズキ亜目タイ科」に属する魚はわずかしかいません。日本に生息する正真正銘の鯛は、以下の13種類のみです。

  • 真鯛(マダイ)
  • 花鯛(ハナダイ)/別名:チダイ
  • 黄鯛(キダイ)/別名:連子鯛
  • キビレアカレンコ
  • ホシレンコ
  • タイワンダイ
  • ヒレコダイ
  • 黒鯛(クロダイ)
  • キチヌ
  • 平鯛(ヘダイ)
  • オキナワキチヌ
  • 南黒鯛(ミナミクロダイ)
  • ナンヨウチヌ

しかし、鯛といえば上記のほかにも金目鯛、えぼ鯛、メダイ、甘鯛、石鯛、姫鯛などが思い浮かぶ方も多いのではないでしょうか。実はこれらの魚は「あやかり鯛」と呼ばれており、鯛の縁起の良さにあやかって「タイ」の名が付けられているだけで、厳密には鯛ではありません。

鯛は種類によって、見た目の特徴や味が異なります。今回は、鯛の中でもスーパーで手軽に購入できる種類を4つ紹介します。それぞれの鯛に合ったおすすめの調理方法やレシピも紹介するので、ぜひチャレンジしてみてくださいね。

真鯛(マダイ)

真鯛は体の上半分が桜の花びらのようなピンク色をしており、背中には青い斑点があるのが特徴です。色、形、味に優れていることから、古くからお祝い事に用いられてきました。ちなみに、真鯛の稚魚は「春子鯛(かすごだい)」と呼ばれます。手ごろな値段に加え、1年を通して味が安定しているのが特徴です。

真鯛の主な産地は北海道、和歌山県(和歌山市加太)、愛媛県(宇和島市・今治市・松山市)、瀬戸内海(淡路島)、兵庫県(明石市)、広島県(福山市鞆の浦)、三重県、鹿児島県、新潟県を含む北陸地方、大分県などです。徳島県鳴門海峡では「鳴門鯛」と呼ばれる超高級タイも有名ですよ。

<おすすめの調理方法>

刺身やお寿司はもちろん、鯛めしやあら汁など火を通すのもおすすめ。パーティーや、お祝い事の際に活躍します。料理で余った頭の部分や、アラの部分で作るお味噌汁も美味しいですよ。

豊田 亜紀子さんのアイデア

鯛めし

材料 : ●真鯛  / ●白米  / ●一番だし  / ●しょうゆ / ●塩  / ●三つ葉  / ●塩(下味付け用) 

真鯛の旨味を感じられるシンプルな鯛めしはいかがでしょうか?
鯛を丸ごと1尾使ったレシピです。土鍋に水で研いだ米を敷き詰め、調味料を加えて鯛を乗せたら、蓋をして火にかけるだけで完成の超簡単レシピです。

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桜鯛と真鯛の違いって?

春の季語としても有名な「桜鯛」ですが、実は真鯛の別称です。真鯛は漁獲される時期によって呼び名が変わり、3月〜6月の春に獲れる真鯛を桜鯛と呼びます。春の鯛は産卵期を控え、栄養をたくさん蓄えるため、脂が乗っていて美味しいとされています。

ただし、栄養が卵にいってしまうため「美味しくない」と言われることもあり、個体によって味の差が出やすい時期でもあります。値段は、天然物で1kgあたり5,000円ほどです。養殖であれば比較的安く購入できるでしょう。

ちなみに、真鯛は秋にも旬を迎え、最も脂が乗る時期ともいわれています。秋の鯛は「紅葉鯛」と呼ばれ、読み方は「もみじ鯛」です。

花鯛(小鯛/チダイ)

花鯛(チダイ)は、見た目も味も真鯛とよく似た魚です。そのため、お祝いの席で見かける鯛の姿焼きにも、よく花鯛が使われています。花鯛の産地は主に北海道、山口県、島根県、長崎県、山形県などの地域です。

真鯛と見分ける際にポイントとなるのは、「エラ」と「尾びれ」。花鯛は、エラの縁が血で滲んだように見えるのが特徴です。また、真鯛の尾びれは黒く縁どられていますが、花鯛は縁まで赤色をしています。

<おすすめの調理方法>

刺身、寿司、塩焼き、味噌汁、煮つけ、鯛めし、唐揚げ、てんぷらなどのさまざまな食べ方が可能です。真鯛と比べると身に水分があるので、酢で締める食べ方もおすすめですよ。

*yuko*(曽布川優子)さんのアイデア

鯛のカルパッチョ

材料 : 刺身用鯛(さく) / 菜の花 / オリーブオイル / 塩 / 紫大根 / レモンの皮 / aオリーブオイル / a レモン汁 / a アンチョビ / a 新玉ねぎ

春の旬・菜の花と一緒にさっぱりとしたカルパッチョはいかがでしょうか。
薄く切った鯛をお皿に盛り付け、菜の花やレモンの皮、紫大根で彩った美しい一皿です。見栄えが良いため、お祝い事の席を華やかに演出できますよ。

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金目鯛(キンメダイ)

金目鯛はあやかり鯛の一種で、正式な鯛ではありません。大きな目玉が金色に光っているように見えることから、その名が付けられました。鮮やかな赤い魚体が美しく、形も良いため、真鯛の代わりに用いられることもあります。

金目鯛の主な産地は静岡県、神奈川県、千葉県、東京都、高知県です。栄養価が高く、良質なタンパク質や脂質が含まれています。

<おすすめの調理方法>

加熱しても固くなりにくいうえ、クセが少なくなめらかな食感が特徴なので、煮つけやみそ汁にするのがおすすめ。特にアラの部分は旨味がしっかりとあり、脂がたっぷり乗っているので、余すことなく調理できます。

はらしおりさんのアイデア

金目鯛の煮付け

材料 : 金目鯛 / しょうが / ししとう / A 水 / A 酒、醤油、きび砂糖

簡単な3ステップで作れる金目鯛の煮付けはいかがでしょうか。
煮立てた煮汁に金目鯛を入れたら、あとは煮込むだけ。最後にししとうを入れて1分ほど煮たら、赤と緑のコントラストが美しい和の一皿の完成です。

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黒鯛(クロダイ)

黒鯛は、名前の通り黒やグレーの魚体をしています。地域によっては「チヌ」と呼ばれることもあり、主な産地は広島県、愛媛県、愛知県、兵庫県などです。雑食でさまざまなものをエサとするため、生息する地域によって味が変わると言われています。食べたものによっては、味が落ちたり臭みを感じたりすることもありますが、本来は美味しい魚です。

<おすすめの調理方法>

塩焼きや煮付け、ムニエルなどがおすすめです。炊き込みごはんにしても絶品ですよ!

舞maiさんのアイデア

鯛のムニエル

材料 : 鯛 / 薄力粉 / バター / 三島の梅ゆかり / レタス、レモン

皮まで美味しく食べられる鯛のムニエルはいかがでしょうか。
温めたフライパンにバターを落とし入れ、薄力粉を付けた切り身を焼きます。強火で皮がパリッとするまで焼いたらお皿に移し、お好みで梅ゆかりやレモンなどをかけてお召し上がりください。

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鯛の旬の時期

鯛は1年中スーパーに並んでいるため「何月に買うのが美味しいの?」と迷ってしまいますよね。真鯛の美味しい時期は年に2回、春と秋に訪れます。真鯛は旬の季節によって呼び方が変わり、春は「桜鯛」、秋は「紅葉鯛」と呼ばれます。旬を楽しみたいなら桜鯛が出回る3月~6月か、紅葉鯛が出回る9月~11月に買うのがおすすめですよ。

桜鯛の場合は、4月~5月の早春を狙いましょう。産卵期に向けて栄養を蓄える時期なので、脂が乗っている個体に出会うチャンスです。6月あたりになると、産卵期を直前に控えて白子や卵に栄養がいってしまうため、身が痩せて味が落ちている場合があります。

冬(1月〜2月)の鯛も漁獲量は少ないものの、大ぶりでまあまあ脂が乗っています。一方で、夏(7月~8月)は産卵後で痩せてしまい、味が落ちるとされているので注意しましょう。

スーパーで美味しい鯛を選ぶポイント

せっかく鯛を買うなら、美味しくないものには当たりたくないですよね。そこで、ここではスーパーで美味しい鯛を選ぶ3つのポイントを紹介します。切り身の場合の見分け方や「天然を選ぶべき?」といった疑問にもお答えするので、ぜひ参考にしてくださいね。

目が澄んでいる

まずは「目」をチェックしましょう。鮮度の良い鯛は黒目がしっかりしていて、目全体が澄んでいるのが特徴です。また、まるでアイシャドウのように目の上が青紫色になっている個体も、鮮度の良い証拠です。反対に、目が白く濁ったものや窪んでいるものは、鮮度が落ちているサインなので避けたほうが無難でしょう。

ふっくらとした体つきと尾びれのハリ

体つきや尾びれも、美味しい鯛を見分けるポイント。豊富なエサに恵まれてのびのびと泳いでいた魚は、体つきがふくよかでしっかりと脂が乗っています。また、海の中で活発に泳ぐ天然の鯛の尾びれは、大きく発達してピンとハリがあるのが特徴です。鯛の体は水揚げから時間が経つにつれて萎んでいくため、しっかりとハリ・ツヤがあるものは、鮮度の良い証といえるでしょう。

透明感・ツヤがある

切り身の場合は目や体つきで判断できないため、身の様子をチェックしましょう。鮮度の良い鯛は、濁りがなく、身に透明感やツヤがあります。また、血合いの色も判断ポイントのひとつ。新鮮な鯛の血合いは鮮やかな赤色をしていますが、時間が経つにつれて鮮やかさが失われていきます。

ちなみに、天然物は身が引き締まっており、薄いピンク色をしています。一方で、養殖の場合は身が真っ白な傾向にあります。

天然と養殖、美味しいのは?

結論から言うと、食卓で利用するならどちらを選んでも問題ありません。以前は、養殖の鯛は「パサパサしていて美味しくない」と言われていました。しかし、現在では技術の発展によって、養殖でも天然物に引けを取らないくらい美味しくなっています。

ただし、天然と養殖では身の触感や味に違いがあります。天然の鯛は身が引き締まっており、歯ごたえがあってさっぱりした味わいです。しかし、天然の鯛は数が少ないため、価格が高い傾向に。一方で、養殖の鯛は身が柔らかく、脂が強いのが特徴です。天然物よりもリーズナブルな値段で手に入るため、値段や好みで選びましょう。

ツウな人必見!白子を使った絶品レシピ

とろける食感が魅力の白子(しらこ)。酒のアテにもよし、鍋にもよし、焼いてもよしの白子の正体は、タラやサケ、フグ、アンコウといった魚類の「精巣」です。ここからはツウな人に向けて、白子を使ったとっておきのレシピを2つ紹介します。

白子の下処理

まずは白子の下処理の方法を紹介します。

(1)白子に付いている余分な脂肪や筋を包丁で取り除く

(2)ボウルに移して流水にさらし、臭みを抜く(30分〜1時間程度)

(3)薄い塩水を作り、その中に(2)を浸ける(1時間程度)

(4)白子を食べやすい大きさにカットして茹でる(1分〜2分)

(5)白子に火が通ったら、すぐに氷水に浸けて冷ます

白子は高温で茹でると固くなるため、火を通す際は火加減を沸騰直前くらいに調節しましょう。

MAMIさんのアイデア

白子ポン酢

材料 : 生白子 / ポン酢 / もみじおろし / 小口ネギ / お酒

シンプルに白子を楽しむなら、ポン酢と薬味でいただくのがおすすめです。
紹介したレシピではタラの白子が使われていますが、鯛の白子でも美味しく味わえますよ。

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ミクぽんさんのアイデア

白子の煮付け

材料 : 鮭の白子 / 塩 / 熱湯 / ★砂糖・みりん / ★しょうゆ / ★おろししょうが(チューブ可) / ★水

煮付けにして、ほっとする味わいを楽しむのもおすすめの食べ方です。
紹介したレシピでは鮭の白子が使われていますが、鯛の白子でもOKです。

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鯛の子は白子?

関西では、古くからおせち料理の定番として親しまれている「鯛の子」。白子と混合されることもありますが、実はまったくの別物です。白子は魚類の精巣で、鯛の子はスケソウダラの卵巣を指します。鯛の子の見た目はたらこに似ており、煮つけにして食べるのが一般的です。

まとめ

鯛を買うなら、旬を迎える春と秋を狙うのがおすすめです。ちなみに、10月10日は「鯛の日」なんだそう。お祝い事のイメージが強い鯛ですが、これを機にぜひ普段の食卓にも登場させてみてはいかがでしょうか。

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